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夜明けの約束
──静かな夜明けの学園。
薄明かりが校舎の窓を照らし、まだ眠る街を優しく包んでいた。
リオは校庭のベンチに腰掛け、遠く空を見上げていた。
「すべてが変わった……けど、始まったばかりだ」
手のひらには静かに輝く《アルカノス》。
あの暴走の記憶がよみがえる。
カグヤやセリア、そして仲間たちの顔。
「俺はもう、逃げない。自分の力で、未来を切り開く」
背後で扉が静かに開く音がした。
振り返ると、カグヤが穏やかな笑みを浮かべて立っていた。
「リオ、これからも一緒に歩んでいきましょう」
リオは小さく微笑み、うなずいた。
「ああ、約束だ」
新たな一日の始まりを告げる朝陽が、二人を包み込んだ。