紋の始まり — 揺れる絆の序章
──学園の昼下がり。
リオは図書室で《アルカノス》に関する文献を調べていた。
カグヤがやってきて静かに声をかける。
「リオ、最近様子が変ね。何か悩んでいる?」
リオは少し戸惑いながらも答えた。
「魔力を制御するのが難しくて……特に《アルカノス》の力はまだ不安定なんだ」
カグヤは優しく微笑んで励ます。
「焦らなくていい。私たち研究クラブのみんなも協力するから」
──一方、セリアは生徒会の一室で書類に目を通しながら、リオのことを考えていた。
「あの子、何か隠している気がする……でも素直じゃないのね」
秘かにリオのことを気にしている様子。
──数日後、訓練場で推薦生たちが集まる。
突然、周囲の魔力が不安定に揺れ始める。
「何かがおかしい……」
リオとセリアは互いに視線を交わし、緊張が走る。
──その時、小さな魔力の暴走が起こり、周囲に不安を与えるが、まだ大きな災害には至らない。
「これは序章に過ぎないかもしれない」
リオは《アルカノス》を握りしめ、決意を新たにする。
「いつか、必ずこの力を完全に制御してみせる」
──セリアもまた、静かにうなずく。
「私もあの子を見守らなきゃ」