セリアとの激突と《アルカノス》の秘密
──特別訓練2日目。
訓練場は熱気に包まれ、推薦生たちが続々と試合に挑んでいた。
その日のメインイベントは、主席セリアとリオの対戦。
セリアは冷静な視線でリオを見据え、微かに笑んだ。
「リオ、今日はあなたの本気を見せてちょうだい」
リオも静かに頷く。
「わかった。俺にできる全力でいく」
試合開始の合図と共に、セリアが華麗に魔力を操り、氷と光の刃を繰り出す。
リオは身をかわしつつ、ゆっくりと《アルカノス》を開こうとした瞬間、
魔導典が光を放ち、不意に周囲の魔力の流れが変化する。
すると、彼の周囲の空間がゆがみ始める。
視界がわずかに歪み、時間がわずかに遅く感じられた。
リオはその変化を利用し、空間の「歪み」を作り出し、攻撃をすり抜けたのだ。
「これは……空間を操る力?」
セリアは驚愕の表情で攻撃を止める。
リオはさらに魔導典を開き、次の力を解放した。
地面に手をつくと、その地点の空間が一瞬「切り取られ」、離れた場所にリオの体が瞬間移動した。
「《アルカノス》は空間を干渉し、瞬間移動や攻撃回避を可能にする魔導典……!」
リオの動きはまるで空間の裂け目を飛び越えるかのように鋭く、セリアの攻撃が届かなくなる。
しかし、その力はまだ不安定で、リオ自身も完全に制御できていなかった。
「制御が甘いな……でも、この力があれば、俺はもっと強くなれる!」
二人の戦いは、空間を揺らす魔法の閃光と共に続いていった。