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世代の勇者  作者: グミ
第五章「第二魔王軍 後半」
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第八十七話「師弟」

前回、ラペンと別れた2人の勇者は第二魔王軍所属の【ムシャ】【ヒーチャ】【ブラッド】と対面する。ヒーチャの策略により、ノアと分断されたアイリスはブラッドと戦闘を開始する。


~人生とは矛盾の連続だ

一度は言われた事あるだろ?

「中途半端が一番悪い」ってさ

でも…


痙攣する足を叩き顔を上げる

視界を遮る前髪を晒し、再び剣を握る

「……」

▶︎第二魔王軍所属【ムシャ】2ndランク


~何事も最後までなんて…誰が出来るんだよ…

あんたは社長か?王か?大統領か?

何者にも慣れてないあんたが…なんでそんな戯言を話す。


「っ?!?!」

特訓で得た知識をフル活用し、剣をいなす。

手首を切り返し反撃を狙うが、隙はすぐに消える。


~[そういう問題じゃない]

ならなんなんだよ

[自分で考えろ]

考えてる…考えてるよ

[なんで出来ない?]

分かんねぇよ


~……かなり前から…分かんなくなってたよ…


激しい剣撃に腕が悲鳴をあげる。

力の入らない足は着地を拒み、膝から地面に落下する

「はぁ?!はぁ?!っ!!」


~仕事帰りに学校が目に映った

ほんとに…なんでだろうな

グランドで走り込みを行う部活動生を柵越しに。

凄い……羨ましかった


体を回転させ、追撃から逃れる

再度足を叩き地面を踏み込む


~汗をかいてなにかに没頭する彼らが。

とても…眩しく見えた


「っ!!」

絶え間ない剣筋の隙を狙い、力を込める。

ジンさんとブラッドさん剣撃と比べたら……


スパンッッッッッ


「?!(反応速度が上がった?!)」

▶︎[剣の勇者]【ノア】TOPランク


「っ(まだ遅い)」

一か八かのパリィ。

ミスしたら首から腰にかけて切断される恐怖より、成し遂げたい希望が、ムシャを成長させる。


~何もかも諦めた……最後の日


「っ!!(隙を狙え!!足止めんな!!振り絞れ)」


~電車に轢かれて死ぬはずだった日


がら空きの胴体に向けて、即座に叩き込む。


~俺はこの世界に召喚された


「ぐっ?!」

本来なら…ダメージの通るはずのない軽い攻撃

鍛え上げられた強靭な肉体と、数え切れないほど再生を繰り返した皮膚。並半端な攻撃ではかすり傷すらならない。

しかし


~優しく歩み寄ってくれたみんなや…


ブラッドの攻撃により負傷した傷の上から叩き込まれた渾身の一撃は、剣の勇者を怯ませるのに充分過ぎるダメージだった

「っ?!?!」

「!!(まだだ)」


~背中を押して見放さなかったジンさんみたいに


僅かに遅れた思考。追撃を防御した寸前で、ムシャとノアの位置が入れ替わる

「?!(【位置交換】のスキル共有?!?!)」


~あぁ……今やっと腑に落ちたよ


振り向き再度防御するが、剣と接触し弾かれる。

100%の無防備状態

【位置交換】と【パリィ】のスキル共有は、ジンやブラッドにも話していなかった


~全部じゃなくていい。何か一つ。成し遂げたいと思えることへの……


ズパッッッッッ

「っ?!?!」

同じ位置に二度目の攻撃を食らう。

血が流れ、剣には血液が付着する


~中途半端が良くないんだ

▶︎第二魔王軍所属 [促進状態(ブースト)]【ムシャ】1thランク


多くの勇者は【完全離別暴走状態】を得て1thランクに昇格する。

それはライトやアイリス、ラペンやヒーリェ、ロゼも同様。

ランクが1つ飛び級する程の覚醒の為、それらの強者は3rdランクから1thランクに上がり、2ndランクを飛ばす。

その為現在。1thランク到達者より2ndランク到達者の方が貴重であり、人数も少ない。

正当な成長を続けて1thランクに上がった者は……



TOPランクに成りうる素質を持つ



「短時間でこうも傷を負わされると、後輩達に顔向け出来ない」

「…」

集中した剣の勇者は、剣を握り息を吐いた。


「ふぅぅ………」

長く吐き出される呼吸を止めると、ノアはふと呟いた


促進(ブースト)

「っ?!」


ギャンッッッッッッッッッ


「っ!!」

目に見えない速度で展開される攻撃を共有していた【未来予知】で予測し【パリィ】で防ぐ

汗を流したムシャに、ノアは称賛の声を漏らした


「驚いた。これを防ぐとは」

重すぎる衝撃に呼吸が止まる。再度展開される【未来予知】を元に、全力で防御に徹する。


ギャインッッッッッッッッ


「次」

「っ?!!!」

肩と背骨の痛みに涙が零れる。

同時に、脳裏に単語が埋め尽くされた


【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】【痛い】


「っ?!?!(痛い痛い痛い痛い痛い)」

「次」

攻撃を弾く度、感情は膨らむ。

いっそ攻撃を受けて楽になりたいと思える程の痛み

筋繊維がブチブチと音を鳴らし、腕が上がらなくなる


「もう終わりか?ジンの後輩?」

振り翳された【命運の逆剣】を睨むと、銀色の剣が剣筋を弾いた。


「っ!(痛い痛い痛い痛いいたぃいたぃ……いた…)」

「悪い。遅れた」

▶︎第二魔王軍統括[元剣の勇者]【ジン】TOPランク


弾かれた衝撃で20メートル吹き飛ばされる。

顔を上げたノアは、気を引き締めた


「あとは任せろ。」

「……」

無言で頷くと、ジンは笑い剣を構える。


「久しいな。ノア」

「ほんとにな。ジン」




次回【友人】




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