第八十五話「第二魔王城最前線」
前回足を潰されたミスリラは、体温の低下を感じながら国民を勇気付けた。
それに感化されるノアとライトは突入を決定。
各班に別れたヴァートとホープラスは、ライトと共に第二魔王城手前の広場に辿り着く。
そこには反勇者組織統括三人が待ち構えていた。
空を駆け抜ける黒色の光は視点を落とす。
反勇者統括三人を【再現】し前を向く。
「…第二魔王城正面入口」
つぶやきと同時に被弾。激しい爆発音を鳴らしながら3人の勇者は走り始めた。
「俺は戻ります…あとで会いましょう」
▶勇者候補[魔神の勇者]【カイト】1stランク
「生きて会えれば大手柄」
▶[盾の勇者]【ラペン】1stランク
「殺して死ぬなら計画通り」
▶[魔法の勇者]【アイリス】1stランク
「こちとら死ぬ事大前提」
▶[剣の勇者]【ノア】TOPランク
第八十五話「第二魔王城最前線
ユニーク武器【命運の逆剣】を引き抜くノアは、目を閉じ気配を索敵する。
「最速で撃つ。カバーを頼む」
「了解」「任せて」
正面扉をバリアで破壊し、アイリスとノアは加速する。待ち受ける5人の魔王軍をバリアで閉じ込めスルー。
「なっ?!?!」
▶第二魔王軍所属【レト】
「戦いすらさせてくれないの?!」
▶第二魔王軍所属【ソラ】
困惑する4人。冷静にバリアの分析を終わらせた青髪の男は、瞬時にスキルを発動する。
「【位置交換】!!」
バリアと自身の位置を入れ替え、仲間全員を外に出す。
「切離されたバリアは建築物と同じ!!閉じ込めは効きませんよ!!!」
▶第二魔王軍所属【ルーブ】
「よくやったルーブ!!!」
対象を絞り記憶に干渉する。守るために努力を惜しまなかった少年は、精密に…繊細に、呟いた。
「【試練】」
▶第二魔王軍幹部見習い統括【カイ】
予想外の【試練】発動に三人は反応する。いち早く対応したラペンは、背後にバリアを展開しながら笑った。
「悪い!!遅れる!!!」
「おう」
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景色が一変し、薄暗い小屋のなかで目が覚める。
ため息を吐いた勇者は、辺りを見渡した。
「油断してた…【試練持ち】とは…これだから3rdランクは侮れない」
(それにしても…この部屋の木材は……)
「15年〜5年前の建築物だね。今は見られない。なんせ造られた唯一の村は吹き飛んだから…それを関すると…試練発動条件は身内の死かな?大まかな事件はブラッドの襲撃。今から7年前。ここは…サード村だね?」
「…凄いですね」
椅子から立ち上がったカイは汗を流した。
「そうでもないよ。試練への最適な対策は、その世界の認知度だ。それに…僕の試練を発動すれば、この試練は終わる。」
「なっ?!」
「でも、試練内容を見るに…戦闘向けじゃない。閉じ込めるにしても精度が低い。…話したい事でもあるのかな?」
「全部バレてるって訳か…単刀直入に言う…」
頭を下げたカイは、不安を抱えながら頼み込んだ。
「ヒューラは…「待った。」
「…え?」
「うんうん。話は聞いてるよその件は。その上で質問良いかな?」
「…はい…」
「こっちは国民の殆どが死んだ。仲間も襲われ、今も苦しんでる人がいる。…ここまでやっておきながら助かるなんて…思ってないよね?」
咄嗟に最悪なシナリオを想定してしまったカイは、下を向く。
「いや…」
「勇者と言えど人間だ。守るべき民を傷付けた連中を…助ける義理があるかな??これは怒りではなく疑問だよ。僕がその気なら、初動のバリアで皆殺しにする事も出来たんだから。」
首をかしげる勇者に、カイは拳を握った。
「…反勇者が迷惑をかけた件…ほんとに申し訳無いと思っています。そして…その者達を助けに向かった事も…」
「…なるほど」
右足を踏み込んだと同時に、試練は破壊された。
呆気にとられたカイに、ラペンはため息を吐く。
「助ける必要が"ある"か"ない"かの話をしている。それを君は答えなかった。謝罪?必要ないよ。それはすべき人に言う事だ。」
「待ってください…」
「…今から仲間を殺されたとして、僕が許してほしいと懇願したら…許すかな?待ってくれと答えたら待ってくれるかな?行動には責任が伴う。世界を救うのが【英雄】。生き物を救うのが【ヒーロー】。被害を起こした敵を殺すのが【勇者】だよ。誰にでも優しいわけじゃない…それは…君も同じだろう?」
笑顔で笑ったと同時に、赤髪の少年はスキルを発動する。
「?!?!?!?!みんな?!避け?!」
瞬間。天井から生成されたバリアにソラ、ルーブ、アイは潰された。肉片は飛び散り、眼球が転がる。
「あれ?一人避けたか」
「…?!…ッ……」
「待ってくれ…」
未だ情報を処理できない脳に、少年の声が届く。
「なんっで!!!だよ…!!くそっ!!!」
「ちゃんと…話を…」
「…悪いけど。先手を打ったのは君達だ。僕以外の勇者は…僕以上に…」
「容赦を知らないよ?」
次回「分断」
振動で栗色の髪が揺れる。
牢獄に身を隠す少女は怯えながらしゃがむ。
「大丈夫かな…お兄ちゃん…」
大きな爆発音が起き、魔王城から逃げれずにいた。
30分ほど前にヒーチャに手渡された武器を強く握る。
「…守られて…ばっか…」
過去の記憶を思い出し、少女は静かに…息を潜める
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