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世代の勇者  作者: グミ
第四章「休日」
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第七十九話 [休日]「男性陣」

前回、休日を満喫するヴァートとアイスは、初給料に怯えつつ、それぞれの好きな人を質問した。

時刻は23時。

湯気が立ち篭る夜空を見上げる特待生は、目の前の水しぶきを風魔法で受け流した。


「…お風呂ですよ?ここ…」

▶︎勇者学校特待生【ロゼ】


心温まる湯船は波立ち、金髪の勇者は嬉しそうに笑った。バリアを破壊された黒髪の少年は驚き、お風呂に沈む。


「慣れてきた【スキル付与】!!どうですか?!ノアさん!!」

▶︎勇者候補[光の勇者]【ライト】


「流石だな。今度コツを教えてくれ」

▶︎[剣の勇者]【ノア】


「っぷは?!やっぱりスキルの有無は強さに置いて…掛け算でしょうか…」

▶︎第二勇者パーティ【ホープラス】


丸いバリアを再度展開し、五本の指先で触れる。


「……バリアリンク…」

「…リンク…繋がる…理解…ホープラスくん?1つ提案がある。」

▶︎勇者学校特待生【エリック】


「!はい!!」

「…【促進】【記憶】…ヘルア【破壊】【記憶】」

「!!」

右手で触れた青色のバリアをスキルで破壊した少年は、嬉しそうに振り向いた。


「カイトさん!!【促進】の【記憶】可能です!!そちらはどうですか?!」

▶︎第二勇者パーティ所属【ヴァート】


「…【再現】【破壊】…駄目だな……ヴァート?もう一度お願い出来るか?」

▶︎勇者候補[魔神の勇者]【カイト】


「分かりました!!ラペンさん!!もう一度バリアお願いしま~す!!!」

「はいは~い。」

▶︎[盾の勇者]【ラペン】


再度バリアを展開し、ヴァートは嬉しそうに笑う。


「【促進】【記憶】!!ヘルア【破壊】【記憶】!!」

「…ヴァート【記憶】【再現】/ヘルア【破壊】【記憶】/【破壊】」

触れたバリアは、湯船に触れ微動だにしない。手を下ろしたカイトは、ヴァートに視線を向けた。


「もう一度頼む」

「任せて下さい!!何度でも!!!」

「…カイトさん?【促進】の【再現】は不可能なのでは?現に【精神離別暴走状態】や【試練】の【再現】が出来ない様に…」

ロゼが口を開くと、カイトは頷き笑った。


「そうかもしれない。しかし…可能性が少しでもあるのなら…不可能に抜け道があるかもしれないのなら、俺はそれを見つけたい」

「……なるほど。」

再度腰掛けたロゼは、湯船に浸かり目を開く。

お風呂に入ってからずっと……カイトはヴァートの話に夢中だった。その腰の低さ、プライドの無さ。


「……勇者の器…【勇者】の名称の壁…俺に足りないのは……向上心…なのか…?」

同じ1stランク。それでも、俺が【勇者】になれない理由。


「…ノアさん?俺には何が足りないと思いますか?」

「……分からない」

「…そうですか」

「悪いな……そういった事は全部、イリスが…」

「…イリス?」

視線を動かしノアを見ると、ノアは上を向き、目を覆った。


「いや。昔の話だ。」

ため息を吐くと、ノアは再び口を開いた。


「…聞いてみるか?俺"達"の始まりの……仲間の話を…」

「…喜んで」

「え?!俺も聞きたいです!!!」

「!僕も!!」

「……そうか」

夜空の星はキラキラと光る。流れる風は湯気を揺らし、白いモヤを晴らす。


-----------------------

何度も旅をした。何度も足を動かした。どんな事でもした。


これは、人生を変えるための。

高鳴る感情の、先立つ鳥肌と感覚を信じて。


「俺を!!パーティに入れてくれ!!!!」

▶︎[冒険者]【ノア】


俺は彼らと、共に歩むと…心に刻んだ。


「…本気か?遊びじゃないぞ?」

▶︎[剣の勇者]【ジン】


「まぁいいんじゃないですか?俺と同い年っしょ?よろしくな!!」

▶︎[天才肌の少年]【イリス】


「好きにしろ……」

▶︎[勇者]【ゼウス】


「まぁ、戦力は多い方がいい…よろしく頼む。ノア?」

▶︎[不器用な青年]【アキラ】


動き始めた4人の背中を、ノアは急いで追い掛けた。

背中に映る壊滅した故郷。家族の死体、友達の死体。そんな【##】より、もう二度と失わないとする【行動力】が、俺をひたすらに動かした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

//////////2ヶ月後

「なぁなぁ??ノアってスキルとかある?」

▶︎[天才肌の少年]【イリス】


「…ない。そういうお前は?」

「あ~~聞いちゃう?!聞いちゃうかぁ~~それ」

「…?」

「…ふん!俺は今74個所持してる!!」

「なっ?!?!」

「すげぇだろ?!いつか全部のスキルコンプ目指してんだ!!」

「……イリスは、スキルを手に入れるものだと思ってるのか?」

「あ?そうだろ?物事には必ず道がある。スキルは相応のテクと才能があれば手に入る。例えばアキラ!!なんであんな不器用なのに【盤上】が手に入ったと思う?」

「アキラさん?……確かに…扱え切れていないスキル…でも、授かった…」

「…神は、必ずしも意地悪じゃないんだ。与えられるべき生物に、与えるべき才を与えてくれる。俺達に!命がある様に!!なぜ人間は手があり、なぜ指先を自由に動かせる??」

手を伸ばしたイリスは、ノアに笑い答えた。


「他者を救う事が出来るからだ!!手を繋ぎ、心を繋ぐ事が出来るからだ!!なぜ脳を持つ???知能を共有し合えるからだ!!!考え悩む為だ!!なぜ悩む???どんな者にも、苦労があるからだ!!なぜ苦労がある???…他者に、助けてもらう為だ。」

「……!」

「足が早い奴は、筋肉から違う。骨格すら違う。でも、努力だけは、全人類が与えられた才だ。お前は産まれた時から二本足で歩けたか?文字は読めたか?違うだろ?【努力】して、【経験】して、俺たちは【歩く】というスキルを!!【読む】というスキルを授かった!!全ての行動や能力は、【努力】を行った自分の【スキル】!!全ての【スキル】は、全ての人類に、与えられる物だ!!」

「……すごいな…お前は…」

「ばーか!!凄いよな?!俺達は!!だろ?」

「……!!…おう!!」

「んでアキラさんの答え!!アキラさんは、【継続】と【努力】と【優しさ】を持ってる。恐らく俺とは別ベクトルの!!それが【盤上】の所有者、保有者、獲得者に必須なんだ!!……多分!!!」

「…なるほどな?」


-----------------------


「……スキルは…手に入れる物…」

▶︎勇者学校特待生【ロゼ】


「凄いな…その人……考え方が逸脱してる……俺たちが【悩む】のも、【歩く】事すら…一種のスキルだと……」

▶︎勇者学校特待生【エリック】


「…話すとまだ長くなるが…どうする?」

▶︎[剣の勇者]【ノア】


「……お願いします!!」

▶︎第二勇者パーティ所属【ヴァート】


「…なら、次は第二魔王軍統括の…ジンの話でもするか?」

賑やかな男性陣は、まだまだ話で盛り上がる。

一方、逆サイドで盛り上がる女性陣は、これからお風呂に入ろうとしていた。



次回「休日 女性陣」

「悩み、苦しみ、後悔を募らせる。これも一種の才能、言わばスキル。どんな事でも己を強くするための布石。1番やっちゃダメな事は、命を手放す事だ!!俺は自殺を絶対に許さない。死にたくなる環境、それがどんだけ辛いかは、人によって変わる。この世界に、同じ環境に生きて、同じ心境で生きてる人がいるか?諦めず、【睨め】!!【恨め】!!そして独り立ちして【誇れ】!!俺の人生を歩んでみろと!!お前なら死んでるぞ!!ってな!!!。そして俺らに思い知らせろ!!俺は!!私は!!こんなに凄いってな!!」

▶︎イリス



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