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世代の勇者  作者: グミ
第四章「休日」
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第七十六話 [休日]「リーラとエリックとヒーリェ」

前回、[盾の勇者]と食事をするホープラスは、第二魔王軍所属【カイ】の取引内容を話した。

その中で、ラペンは自らの代償を察する事となる。

街中を歩く三人は、各々ドリンクを飲みながら雑談していた。


【リーラとエリックとヒーリェ】


タピオカの入ったカフェラテを飲むエリックは、初めての食感に声を上げた。


「…ん。美味……」

▶︎勇者学校特待生【エリック】


「…私もそれにすれば良かったかな……(後悔)」

▶︎第二勇者パーティ所属【リーラ】


オレンジの炭酸ジュースを飲むリーラは、再度ストローに口を付ける。


「……んん(美味しい)」

「後悔しなくても大丈夫だよ。全部買って飲んじゃえば良いし。」

▶︎[回復の勇者]【ヒーリェ】


チョコラテを飲む勇者は、エリックに質問する。


「…ねぇ?エリックくんはなんで推薦受けなかったの?」

「……。」

「言いたくないなら別に大丈夫だけど。」

「いえ。……プライドですよ。お恥ずかしながら…」

下を向くエリックは、ドリンクを回しタピオカを転がす。


「俺の村から他に二人推薦されてました。一人は俺の同期でヘルアって言います。」

「あっ……(納得)」

「ヘルアが推薦されて…俺はまだ推薦状届いてなくて…焦りました。結果ヘルアと喧嘩して……ボロボロに負けて……」


-----------------------

短編小説【たった一人の親友】より


心の中で感じていた劣等感。ずっと隣に居たのに、ヘルアだけが選ばれて、俺は置いて行かれた。


「?」

▶︎推薦入学者【ヘルア】


頭の中で暴れる感情を整理できない。自身への不満。他者への嫉妬。俺は鉄剣を一本ヘルアの足元に投げ、荷物を置いた。


「拾え」

▶︎ヘルアの親友【エリック】


「…あ?」

「この戦いが終わったら。俺達は今後一切関与しない」

「何を…」

「最後の決闘だ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「何だこれ?」

▶︎エイト村の青年【エリック】


家に戻ると一通の手紙が届いていた。見覚えのある手紙を開け、中身を確認し、俺はその場で崩れ落ちた。


「そりぁ…ねぇよ」


[勇者学校推薦入学認定証 エリック殿]

-----------------------


「…家帰ったら推薦されてた事知って……そんなの…なんか…無理じゃないですか。」

悔しさを隠す為に笑顔を作るエリックは、息を吐き出し前を向いた。


「…あの時。プライド捨てて後を追ってたら…俺も皆と同じく…強くなれてたかも知れないのになぁ……」

目が潤いエリックは横を向く。


決着これもプライドだ。

…弱い所を見られない為に、涙を隠す。

ヴァート君に戦いを挑んだ時。

本気で勝てると思ってた。

でも、ヘルアの仲間はもう俺なんかより数段心強く強かった。

…強さを素直に認めた所も…俺の弱さだ。


「…リーラさん?ヘルアは元気にしてましたか?」

「…うん。毎日忙しそうだよ。(笑顔)」

「…そっか。」

微笑んだエリックを横から眺めるヒーリェは、頬を突く。


「ねぇ?」

「?はい??」

「良い笑顔で笑うね。ジョーカーに見せてあげたい。」

「……?」

「だから今回の戦争。死んだらダメだよ?私は魔王城だから、エリックくんとリーラちゃん達は私の回復範囲外。絶対に生きてね?」

「任せて下さい。俺だって推薦されたんですから。」

「回復なら任せて下さい!!(元気)」

胸張る元推薦入学者と元特待生は、互いに見つめ合い笑った。


「リーラちゃんは初対面より心強くなったね。私はとても嬉しいよ。」

「え?!変わってますかね…??(動揺)」

「うん。話し方とか、回復の意識とか。特待生の時からそうだったけど、回復優先順位の最後に自身を入れる思想は、尊敬するべき所だね。」

ヒーリェはリーラの失った左腕を見ると、少し悲しんだ。


「でも、回復の両立はした方が良いよ。今回は、腕を失ってもヴァート君に回復全振りしてたからヴァート君は死ななかったけど、両立出来てたらリーラちゃんは腕を失う事は無かった。」

「頑張ります(謝罪)」

落ち込んだリーラを見たエリックは、話の内容から考察し疑問を話した。


「腕失ってもって…そんなヤバい状況で仲間の回復に費やしたって事か?なら十分凄いと思うけど。」

「いや、腕は失っただけで断面はまだ仮死してなかった。冷静に対応してたら腕は残せてたって話だよ。リーラちゃんなら出来たんじゃないかな?」

「えっと……(困惑)」

「…?だから、腕失ったタイミングで痛みが走るだろ?その激痛の中、回復を辞めずに仲間を救った行動を褒めるべきだろ?」

「…うん。とても偉いよ。でも腕を無くさない方法もあった。もっと冷静にって……」

「だ~か~ら!!腕失って冷静になれる訳ないだろ?!人間皆あんたみたいになれると思うな!!」

怒ったエリックは、ハッとし頭を下げた。


「すいません……口が過ぎました……。でも、先程の発言には納得出来ません。」

「……?腕を失うだけだよ?死ぬ訳じゃない。」

疑問に持つヒーリェは、服の下からナイフを取り出し左腕に向けた。


「っな?!」「え(え?)」

瞬間、ヒーリェの左腕が地面に落ちた。

血が吹き出し、骨が露見する。筋肉の断面がピクピクと動き、ヒーリェは首を傾げた。


「無くなっても、回復を使用したら元に戻る。」

瞬間、腕の断面から新しい腕が再生し、ヒーリェは左手を握った。


「こんな感じで、細胞さえ生きてたら回復出来る。そんなに難しいことじゃないよ?」

「……頭おかしいだろ…」

「…ぅっ……(グロい)」

ドン引きするエリックと吐き気を我慢するリーラ。地面に落ちたままの左腕は血液を流しながら動かない。拾い上げたヒーリェは、困った顔をし話し始めた。


「荷物増やしちゃったね。後で捨てとくよ。」



人間が最も嫌う感覚。

彼女には、【痛み】が欠けていた。


次回「休日 ロゼとセリア」

リーラとエリックの会話

「そう言えば、勇者学校の連中がリーラさんのこと【戦場のイカレ物】って呼んでましたけど、自己回復無しで回復し続けるからなんですね。」

「え?(初見)そ、そんな事言われてるの??(悲)」



ご覧頂きありがとうございました。

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