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世代の勇者  作者: グミ
第四章「休日」
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第七十一話「【促進】」

前回、勢揃いした第二勇者パーティに、特待生のロゼ、セリア、エリックの姿があった。それぞれ挨拶を交し、ミスリラの情報の元、第二魔王軍戦での配置が公開される。それに加え、シャルが襲撃を受けた話も聞く事となった。

聞き馴染みの無い言葉に困惑する黒髪の青年の隣から、白髪の少女が手を挙げた。


「【リンク】って【マナリンク】の事かな??」

▶︎第二勇者パーティ所属【アイス】


「それもその一つだね。【リンク】から説明しよう。」

▶︎[盾の勇者]【ラペン】

ラペンが目線を逸らすと、察したアイリスとヒーリェが隣に座った。


「基本的に種類は3つ。魔法には【マナリンク】。バリアには【バリアリンク】。そしてスキルの【リンク】だ。アイリスは無意識に【マナリンク】を使用している為、今回指導はロゼくんに頼もうと思う。良いよね?」

「是非とも。お任せ下さい」

▶︎勇者学校特待生【ロゼ】


「ありがとう。【リンク】とは、繋ぐと言う意味だ。その名の通り、マナ、バリアと繋がり、更なる詳細な情報を獲得できる。バリアとマナを使っていたら、マナ切れや耐久性の問題がある。普段は、感覚で捉えているはずだ。【リンク】する事で、あと何秒持つか、どれ程耐えるかを詳細に理解することが出来る。」

人差し指で丸をなぞると、丸いバリアが出現した。


「例えばこのバリア。ホープラスくんとロゼくんは、どれ程の耐久値があると思う?あっ!バリア使わない人にも説明すると、素手で殴られると耐久値が1減ると思ってくれ。人を閉じこめる為には、最低でも2000は必要になる。」

「……バリアの薄さや生成方法を考慮すると、1500程では無いでしょうか…?人を捕まえる事は出来ないと思います。」

▶︎第二勇者パーティ所属【ホープラス】


「確かに。指でバリアの形状を決め、生成するやり方はかなり古いやり方だね。ロゼくんはどう思う?」

「500000000です。」

「5億?!?!?!」

「うん。正解。【リンク】の最大の強みは、他者のバリアやマナの情報すらも分かる事だ。」

右手を握ると、バリアは解除され消滅した。


「続いて…【促進(ブースト)】についてだ。外に行こうか?」

立ち上がったラペンは、部屋の外に歩き始めた。

慌てて起き上がったヴァートは体の軽さに驚く。


「わぁ?!」

▶︎第二勇者パーティ所属【ヴァート】


「…?あ、ごめんね。私の回復は常時発動してるから、近付いただけで完治しちゃうの。突然体が元気になって驚いたよね。」

▶︎[回復の勇者]【ヒーリェ】


「いえいえ?!ありがたいです!!」

「うん。元気だね。」

ラペンに続いてヒーリェも外に出る。はずだったのだが、出口のすぐ近くで止まっているラペンに疑問を持った。


「…?どうしたの?」

「いや、待っててくれて助かったと思って。」

「そりゃあ待ちますよ~。勇者様を歩かせるなんて私の心が痛いです~」

▶︎ 第二王国前線指揮官【ミスリラ】


「いつも助かるよ」

「いえいえ全然!!広めの広場に移動しますか?それとも第二王宮庭でいいですか?」

「庭で頼む」

「は~い【ゲート】。おひとり様特別価格になっておりま~す。」

「ツケで頼むよ」

「はいは~い」

「私もツケで」

「ヒーリェちゃんは良いよぉ!!てか女の子みんな無料だよ~」

「やった。」

ラペンとヒーリェが【ゲート】の中に消え、アイリスとノアも続く


「俺もツケで~」

▶︎勇者候補[光の勇者]【ライト】


「だめだよ~ライト様は通常価格~」

「なんでだよ?!」

「日頃の行いですね~」

「ぐっ…」

ポケットをガサガサと探るライトは、止まり呟いた。


「無いので……なんか今度言うこと聞きます。」

「2回」

「……2回…」

「どぞどぞ~またご利用ください~(笑)」

どこから取り出したか分からないベルを鳴らし、満面の笑みで【ゲート】の前から退いた。


「ライトさん……」

「これ……俺達通って良い奴なのか……?」

▶︎勇者学校特待生【エリック】


「是非ともご利用下さい~」

「……普段の……値段は…?」

「やだなぁ~特別価格って言うのは、私の場合無料って事ですよ~」

「あっ!そうなんですか?!」

「ライトさんだけ……(可哀想)」

▶︎第二勇者パーティ所属【リーラ】


みんなが続々と入り、最後にロゼが【ゲート】を潜った。


「…何してるんですか?」

【ゲート】から顔を出すと、ライトが足元に横たわっていた。


「…やるね」

「転ばそうとしてたんだよ……」

▶︎[魔法の勇者]【アイリス】


下を向いたロゼは、にっこりしながら呟いた。


「…僕に負けた腹いせですか?」

「んぁ?!負けてないが?!てかバラすなし?!」

「なになになんの話し~?てかはよ進みなよ!っわぁ?!?!」

「あっ」

後ろから押されたロゼは横にズレると、ミスリラがライトに躓き転んだ。


「いった~~なに?!」

ライトの上に覆いかぶさったミスリラは、目の前の顔を見て薄めになった。


「いや……これは…その……」

瞬間ライトの頬を抓り罵倒する。


「分かるよ大丈夫~可愛い女の子にちょっかい掛けたい年頃の男の子~……いくら払う?」

「……お金無いので言うこと+5回聞きます…」

「OK許す。」

立ち上がったミスリラに、ノアが仲裁に入った。


「後輩は特待生にちょっかい掛けるつもりだった。悪意は無い。」

▶︎[剣の勇者]【ノア】

「……ん?それはそれで腹立つな。」

「ノアさん?!余計なこと言わないで貰えますかね?!?!」

「あと特待生には負けてた。」

「あの?!?!」

「事実だろ?」

賑やかな勇者御一行に驚きを隠せないヴァートは、ロゼを見て質問する。


「勝ったって……戦いですか?」

「ん~まぁね……」

「そこぉ?!情報操作辞めな?!?!」

「はいはいストップストップ!!【促進】の話するって言ったでしょ?!」

ラペンが更に仲裁に入ると、1回咳払いをして話し始めた。


「ホープラスくんとロゼくんは、過去に【精神離別暴走状態】に入った事があるよね?」

「……?」

「【暴走状態】の事ですか?」

「あ~正式名称は知らなかったか。まぁとにかく。【促進】の1つがあれだ。そして暴走せずにあの力を発揮する行為が、【促進(ブースト)】と呼ばれる。ノア?良いかな。」

「…」

頷いたノアは、みんなの前に立ち話し始めた。


「複数のパターンがある中で、俺が使うのは【加速】だ。」

「……ん?【加速】って…ゴードのスキルと同じですよね?」

「そうだな。様々な場所で見たことはあるはずだ。例えば、バリアの後輩の高速移動。」


-----------------------

【第五十三話「【精神離別暴走状態】」より】


「########」

▶︎[精神離別暴走状態]【ホープラス】

「な…」

▶︎推薦入学者【リーラ】

ゼロ距離で生成されたバリアの棘は、リーラの心臓を貫いた。

-----------------------


「破壊の後輩の擬似付与」


-----------------------

【第五十話「ヘルアVSゴード」より】


「エンチャント魔法?!」

▶︎推薦入学者【ゴード】

「なわけねぇだろ応用だ」

▶︎推薦入学者【ヘルア】

風が模擬刀を加速させ、同時にゴードの体を引き寄せる。

-----------------------


「……」

「特待生のスキル連続発動と、魔法の強化」


-----------------------

【[短編小説]ロゼ「崩壊」より】


(んだそれ?!?!)

▶︎[光の勇者]ライト

【動作短縮】で振り向きと魔法詠唱を飛ばし、【時間短縮】で魔法発動と着弾時間を飛ばす。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(ソニックブーム…【動作短縮】【時間短縮】風魔法、ここまで相性の良い条件が揃うと厄介……)

「######」

▶︎[精神離別暴走状態]【ロゼ】

「?!」

(目に見えない攻撃…動作…速さにおいて……)

喋りだしと同時に【光速】で横に逃げる。かすった風は頬を切り裂き、肉を抉る。


「ぐっ?!」

(俺より早い……)

-----------------------


「攻撃とスキルの共鳴」


-----------------------

【第六十九話「夢の壁」より】


「だめだめ~今は俺に集中しないと」

▶︎[光の勇者]【ライト】

「ちっ…」

▶︎第一魔王軍幹部[支配の魔神]【クースト】

【光速】を発動し、距離を詰める。左手に握られる剣は光を纏い、ライトは笑った。


「あっ……これこれ」

クーストの右腕を切り落とし、再度追撃。秒間に10回以上の斬撃を受け、切り落とした右腕は面影もなく消えた。


「君も…それが出来るんだね?」

「感覚でな!!」

-----------------------


「この様に、各自【促進】を見る機会は充分にあった。【精神離別暴走状態】を制御し、自身の能力として使用する。他の言い方をするなら、【覚醒】と言う。」

「……」

唾を飲み込んだヴァートは、昨日の経験を思い出していた。


-----------------------

【第六十八話「覚醒する者」より】


剣を構える黒髪の少年は、息を吸い呼吸を止めた。

瞬間クーストの背後30m程に移動し呟く。


「【光速】」

▶︎第二勇者パーティ所属【ヴァート】

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「【記憶】【魔神の勇者】【データ】【再現(コピー)】/【再現(コピー)】【反射(パリィ)】【未来予知】【位置交換】【必中】【暗殺】」

「…!まだ戦うんだねぇ!!良いね。君は殺さず【支配】しようかな?」

▶︎第一魔王軍幹部[支配の魔神]【クースト】

呼吸を落ち着かせるヴァートは、【120%】を発動した。

-----------------------


「あれが【促進(ブースト)】……」

「君達には、【リンク】の理解と【促進】の経験を積んで欲しい。これが、僕達からの課題だよ。」

汗を流したヴァートは、嬉しそうに笑った。


「はいは~い!!講座は終わり。各自しっかり休んでね!!…今回はほんとにちゃんと休みだからね!!」

大きな声で話したラペン。休みと言う単語を信じれなくなりそうな程、昨日の出来事に疲れが増した。


「っはぁぁぁあ!!!疲れた?!?!」

「選抜戦と……魔王軍幹部戦……1日でしていい運動量超えてるって?!?!」

「本当にお疲れ様でした~」

倒れ込んだヴァートとアイスに、ホープラスは微笑んだ。



第二魔王軍戦まで……残り2日



次回「混乱」


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