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世代の勇者  作者: グミ
第三章「第二魔王軍 前編」
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第六十六話「集結」

前回、バンを殺された事に怒ったギルは、ヴァートとレトに【物理反射】を付与する。

激しい攻撃を受け流すヴァートだったが、【試練】をくらい理解を拒む【記憶】の断片に襲われる。

【盤上】でレトを逃がしたヴァートは意識を失い、かつて戦った[赤ローブ]ザークと【位置交換】を行った。

流れる赤い水滴は、ゆっくりと落下する。

距離を取った赤ローブの男は、嬉しそうに二本目の短剣を取り出した。


「こんなんじゃ死なねーと思うがとにかく一発」

▶︎反勇者組織[赤ローブ]ザーク


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反勇者組織[赤ローブ]ザーク能力解説

ヴァート達の初めての戦闘で戦った彼の保有するスキルは【暗殺】。不意打ちや相手に対しての初期行動。初見技にのみ、音や気配を消して動く事が出来る。夜や洞窟など、暗ければ暗いほどスキル効果は跳ね上がる。

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「…驚いた」

突き刺さった短剣を首から引き抜いたそれは、嬉しそうに振り向いた。


「本当に気配を感じないね…【暗殺】は…」

▶︎第一魔王軍幹部[支配の魔神]クースト


「見抜くのはえーな…身体能力かもしんねーだろ」

「僕が反応出来ない程早い身体能力を持つ人が居るならオススメして欲しいね。まぁ実際、そのスキルは戦闘済みだよ。彼の方が上手く使えていた。」

「やけに喋るじゃねぇーか?こっちが時間稼がなくて済むぜ。マジ感謝」

「………?時間を稼いでどうする?勇者か第二魔王軍トップでも呼ぶのかい?悪いけど、そこらの三下に僕は殺せないよ」

「おーおー喋る喋る。俺如きに刺された癖に上を要求すんな。ここにいる奴らで役は揃ってる。」

包丁のような短剣を振り回し構えると、体勢を下げ息を吸った。


瞬間


ザークはクーストの視界から完全に消えた。


「……君…【良い】ね?」

辺りを見渡し、笑顔がこぼれる。


「スキルの進化は枝分かれ。よく理解しているよ。【暗殺】は【反射】とは違い、スキルの実用に技術が居る。壊す事や攻撃する事よりも、君は【近付く】事に焦点を当てた訳だ。」

「戦闘中だぞ?あまり舐めるな」

鋭く突かれた短剣を、クーストは掌で掴んだ。


「舐める?僕の【尊敬】に【感動】は無いのかな?」

「ぐっ?!」

(んだこいつ?!どんな反射神経してんだよ?!)

「【焦り】【動揺】【後悔】精神が完成されていない。これは喜ばしい事だよ?僕のお陰で【彼】の様になれる。」

短剣を握り砕くと、髪を掴み死体の目の前に押し付ける。


「【完璧】になれる」

「?!バン?!?!」

貫かれた顔面の傷口には触手が蠢き、"それ"は赤く燃え盛った。


ドガンッッッ!!!!!!!!!!!!!


「……君。やるね?」

「っぐ?!?!」

▶︎反勇者組織[青ローブ]ギル

ザークと【位置交換】したギルは、バンの炎魔法を反射する。しかし、【爆発】は直撃した。


「…ち……血も涙も…ねぇ」

赤く燃え盛る"それ"は、首を掴み立ち上がる。


「かつて仲間だった彼は、君達の【先】を行った。仲間なら、どう接するのが正しいと思う?」

「…ぐ……二度も…俺を怒らせんなよ!!!!」

「…それが【答え】か。興味を失った。」

「?!?!」

「やめて!!!!!」

▶︎第二魔王軍所属【ヒューラ】

宿の2階から少女は叫んだ。栗色の髪を靡かせ、声は衝撃波に飲まれる


ドガンッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!


爆風が窓を割り、熱が肌に突き刺さる。

首が焼け、血が焦げ、爛れる皮膚は地面に落ちた。


「お前ぇぇえええ!!!!!!!!」

▶︎第二魔王軍所属【レト】

息を散らしながら走ってきた赤髪の少年は、喉を痛めながら叫んだ。


「……また君か。逃亡しなかったのは褒めてあげよう。でも…これ以上はただの【無駄死に】じゃないかな?自殺志願なら止めないけど?」

涙を流しながら走るレトは、黒髪の男の腕に拒まれる。


「…増援かな?」

「いや。終わりだ。」

▶︎第二魔王軍見習いリーダー【カイ】


「…おわ…りって……お前?!」

「…これ以上。勝手な行動はさせない。俺が許さない。」

「勝手??あいつが何したか分かって言ってんのか?!?!」

「見れば分かる。……死人は戻るが、死体は戻らない。助ける人が居ないのなら、争う必要は無い」

「敵前逃亡がしてぇなら勝手にしろよ…俺は仲間を殺られてんだ。筋通さねぇと格好が付かねぇ。」

不満を漏らすザークは拳を握りしめ歩いた。


「ザーク……お前はギルに救われたんだ。恩を仇で返すな。」

「……!!てめぇ…よくそんな口立てるよな?!」

「兎にも角にも……この下らない争いは【必要ない】。その男は合っている。元々目を付けていたのはこの素材だし手に入った。僕は争う気なんて無かったんだ。」

クーストは困り果てた様子で首を傾げた。


「…でも……もう一人。気になる素材を見つけてしまった。」

顎を触り嬉しそうに笑ったそれは、カイが走ってきた正面入口に振り向いた。


「ヴァート。彼の【記憶】は興味深い」

「だったら諦めてね」

雪が辺りに降り始め、焼ける地面の温度は下がる。

瞬間凍てついた風はクーストと燃えるバンを包み、白髪の少女は氷の剣を構える。


「悪いけど…私今、凄い怒ってるから。」

▶︎第二勇者パーティ所属【アイス】


「同感です」

黒髪の少年が呟くと、薄いバリアの板がクーストの足元から伸び、胴体を切断した。


「あれ?」

「忘れてませんよ…あなたのこと。……今度は逃げません。」

▶︎第二勇者パーティ所属【ホープラス】

地面に落下した胴体から触手が伸び、下半身との接着を試みる。その刹那、舞い上がる雪から伸びた茨と、地中から伸びるバリアの棘が触手を切断する。


「…【失敗作】と【生き残り】。こんな所で会えるなんてねぇ。言葉を借りるなら……凄く【運】が良い。」

炎が包み雪が溶ける。触手に寄生され、体を使われる"それ"は、不愉快な悲鳴を上げた。


「いいね。【完成】したよ…僕の【支配】は時間が必要なんだ。…これであとは。君達への関心と、ヴァートの回収だけだね。」

炎の中から現れたクーストは、胴体を再生し、首を鳴らす。嬉しそうに物色するそれは、アイスとホープラスを視界に捕らえた。
















「試練」














次回「アイス」

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