第五十九話「強さ」
前回、各配属先を教えられたみんなは、【盤上の勇者】アキラにより、それぞれ分けられた。
第二王国【ベータ】
▶︎ヴァート ▶︎アイス ▶︎ホープラス ▶︎リーラ
第三王国【ガンマ】
▶︎ヘルア ▶︎レーチ ▶︎ゴード ▶︎ミール
少し歩く事数十分。平原には風が吹き、15時を回っていた。
前を歩くノアとアイリス。
後ろを気にかけるラペン。
隣を歩くライトとヒーリェ。
緊張が走る中、ラペンは優しく声を掛けた。
「…大変だったみたいだけど?大丈夫だった?」
「!はい!!大丈夫です!!な?ホープラス?」
「うん!!みんなのおかげで!!…あの?もし良かったら質問よろしいですか?」
「ん?ぜひぜひ」
「…勇者様は…強さとはなんだと思いますか?参考までに…教えて欲しいです。」
「お?いい質問だね。まぁ人によって答えは変わるだろうけど……僕の場合は【気合】かな?」
ラペンが目を配ると、ヒーリェも続けて答えた。
「そうだね。【優しさ】かな?ノアとアイリスは?」
「…【勇気】」
「言い切れる気がしないけど…強いて言うなら【決断力】」
「ほんとにバラバラ…ライトさんは?」
「…ん?!俺は勇者じゃないぞ??」
「だとしても。参考までに!」
「…ん~…【身体能力】かな…。【光速】が通用しない戦闘とか特に!!…絶望する…」
ノアをチラ見したライトは咳払いをした。
微笑むヒーリェは、リーラの肩を優しく触った。
「?!な?!(困惑)」
「あなた達は?強さとは何かな?」
「えっと?!…わ…たしは…【対応力】かと…(心配)」
「僕は【力】です!!」
「うん。ヴァートくんとアイスくんは?」
「…ん~」
少し悩んだあと、2人は同時に呟いた。
「「【愛】かな?」」
「…いいね。」
微笑んだラペンとヒーリェは、ノアを見て頷いた。
「確かにそうかも」
「え、何?聞こえなかった。」
「大丈夫だよ。こっちで盛り上がってただけだから」
「…ふ~ん」
ジト目になるアイリスは、アイスを視界に入れると前を向いた。
「…そろそろ話さないとね」
振り向きながら歩くラペンは、少し申し訳なさそうに話し始める。
「アキラから、この後は自由時間って説明されたよね?」
「はい!明日までは自由にって…」
「それなんだけど。…第二王国周辺の村に魔王軍の噂が上がってる。それも三箇所。三日後に大仕事もあるし、それまで任務に当てても良いかな?」
「?!はい!!!」
「休み……(悲)」
「それと。終わったら合わせたい人もいるんだ。」
「…残り二人の勇者様ですか?!」
「え?……あぁ…彼女らとはまた別だ。名前はミスリラ。王国のシャルに当たる人だ。」
「って事は…控えてる第二魔王軍戦の大まかな指揮はその方が行うんですか?」
「……あれ?話してたっけ?」
戸惑うラペンは、さらに戸惑うホープラスに問いかけた。
「え?はい。エデンさんから事前に…」
「ぁー……なら話は早い。急を急ぐ案件だから、今からみんなにはさっき話した村に行ってもらおうかな?」
「!今から?!?!」
「うん。君達も勇者パーティの一員だからね」
「なら自分が連れて行きましょうか?」
自信満々のライトは、首を鳴らすとニヤニヤしながらみんなに囁いた。
「案内だけで同伴は無い。期待してるよ」
瞬間。風が吹き、景色は一変する。
「…え?」
「到着っ!!あ!これお金!!」
「えっと…どうも……」
「うしっ!それじゃ諸君!!初陣ファイト~」
笑顔で手を振ったライトは、その場から消えた。
困惑する4人は、振り向き村の入口を眺める。
「まじか」
「さすがに突然過ぎないかな?!」
「やすみ……(求)」
「えっと……まずは…情報収集?」
歩き始めた4人は、テン村へと歩き始めた。
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「うっし!」
「お疲れライト」
「いえいえ!!運動がてらちょうど良かったです!」
「それなら良かった。」
目を閉じて微笑むラペン。
5人の勇者が歩みを止めると空間が歪み、【ゲート】が出現した。
「助かる」
「お疲れ様です勇者様!!!!」
飛び出て来たのは身長140cm程の少女。深緑の髪をし、癖毛が跳ねる。
「あ、ライトさんもどもでーす!!」
▶︎第二王国前線指揮官【ミスリラ】
「久しぶり!!あれ?身長伸びた?」
「あはぁーそうなんだよねぇ(笑)成長期だからかな?伸びしろエグくてぇー(笑)」
満面の笑みでライトに拳を振る
「あぶね?!」
「次身長に触れたら殺すから(笑)」
「…ミスリラ。元気で何より。」
「ハッッッ?!アイリスちゃん!!相変わらず良い匂い!!あ、最近また落ち込んだね?」
ほっぺをムニムニしながら近付くミスリラは、興奮しながらヨダレを垂らす。
「可愛い笑顔が勿体ないよ!!落ち込んでる顔もそそるけど!!あっ!マナの酷使も身体に毒だよぉーちゃんと回復しないとね。」
額を合わせ抱き着くと、深呼吸しながら呟いた。
「【マナチャージ】」
「…必要ないよ?」
「知ってるよ~やりたいからやってるの」
隣を向き、ヒーリェに笑顔を飛ばす。
「ヒー姉ちゃんもお疲れ様!!」
「うん。」
「後でお風呂入ろうね!!」
「いいね。」
アイリスから離れ、【ゲート】の前まで戻りふんふん言うと、ノアの目を見て話し始めた。
「戦況の変化なし。第二魔王軍の動きも同じく。シャル先輩の報告より、数日前王国に第二魔王軍幹部【ブラッド】の出現。これにより、スキルによる移動手段を持っていると断言します。それと、反勇者のリーダー【ナキ】の行動に違和感を感じます。前線ではご注意を。」
「苦労をかける」
「いえいえ~ではでは~戻りましょうか!!」
【ゲート】が広がり、ミスリラは頭を下げる。
「ほんとに皆様。疲れを癒しください。」
黒いモヤは消滅し、平原には静寂が訪れた。
次回「出会いと恋」
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