第五十四話「初任務」
前回。【精神離別暴走状態】になったホープラスによって、リーラは試練から除外された。咄嗟の反射神経で、追撃から逃れたヴァートだったが、ホープラスの策にハマる。その時、レーチがヴァートを救いホープラスと距離をとる。
5分前
「アキラさん!!止めないと!!!」
「…いやちょうどいい」
「はい???」
「暴走状態の彼なら…推定ランクは2ndと3rdの中間ぐらいだろう。俺たちが行けば一瞬だが、彼らの為にならない」
「……試練の中だからですか…?」
「あぁ」
「だとしても…非人道的ですね…アキラさんらしくない」
「あぁ。普段の俺ならしない…彼らに優しく接したいが、勇者の器だ。それに魔王軍との戦いもある」
【緊急命令。暴走者を戦闘不能にせよ。】
第三十四話「初任務」
青年は振り向き少年を見下ろす。
「暴走者って?一旦選抜戦はお預けなの?」
「…ですね…。暴走者はホープラスです…恐らく蓄積した不満とストレスが爆発して、力の制御が効かないのかと…」
「だとしたらどのレベルの高ぶりだよ」
ヴァートは背後から聞こえた声に少し驚き振り向いた。目を細くし考えるゴードは、森を抉り生成されたバリアの棘を見つめながら呟く。
「優しさがここまで追い込んだのか」
「…」
「何でこんな時にヘルアは居ないの?1番必須でしょ」
ため息を吐いたレーチは盤上を展開し……
ドガンッ!!!!!!!!!!!!
「「「?!?!?!」」」
瞬間。森の奥で激しい音が鳴り、肌を冷やす風が突き抜ける。
「?!アイス!!!!!!!」
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「アイスプレート&アイスソードβ(ベータ)」
ブロック上に展開された無数の氷重さは、突き上げるバリアを抑え込む。アイスの周囲を囲む8本の氷の剣は、冷気を発生させ強度を上げる。
「…ホープラス?!?!仲間だよ!!!!!」
辺りを素早く見渡すが、どこにも姿が見えない。ヴァート達を捉えるために展開していたアイスドームは、範囲内の生き物に氷を降らせ、体温と輪郭で位置を特定する。
「…?」
(範囲外の生成??何処にいるかわかんない!!…暴走者…うん。恐らくホープラスに何かあったんだ。なら)
無造作に右手を伸ばし、触れたマナを掴む。
「助ける優先!!なら全力で!!!」
右足を滑らせながら後ろへ下げる。目を閉じアイスは叫んだ。
「[マナリンク]アイスマナ!!【セリア】!!」
(…さん!)
体の周りに薄水色の光が降り、アイスは目を開く。と同時にアイスプレート外から生成されたバリアの棘は、細く鋭く伸びた。
「いらっしゃい!!!」
テンポよく引き抜かれた1本目の氷の剣を素早く振り上げ、左手は2本目の氷の剣を引き抜く。
「お披露目新技!!無機物攻撃の完全無効化!!」
バリアと1本目の氷の剣が衝突し、触れたバリアは氷へと性質を変え、マナを付与する。
「マナを持つ属性物質は!!該当属性魔法を有する生物のマナ使用エリア内!!マナ操作の熟練度によって操作権限を没収する!!!そして!!!」
2本目の氷の剣を振り下ろし、氷へ変わったバリアを破壊する。
「マナの拡張!!!」
砕けた氷はマナへ変わり、アイスドームとアイスフィールドの範囲を拡げる。
「アイスフィールド展開以降26分経過!!私は多少のマナ回復がプラスされ!!マナが切れるまでマナの付与は可能!!!そして!!!!」
アイスプレートは厚さを増し、更に強度も増す
「範囲内の私の魔法から隣接する様に魔法を使う場合!!マナ消化無しで魔法を出せる!!!!」
再び伸びるバリアの棘を、即座に生成された氷の壁が速度を落とす。1本目の氷の剣で氷に変え、2本目の氷の剣で破壊する。
「時間が経てば!マナが増えれば!私の魔法は強くなる!!!」
真っ白の髪を靡かせ嬉しそうに笑う少女は、氷の剣を真っ直ぐ伸ばし、淡々と叫んだ。
「耐久戦!!!私の得意分「##############」
「や?!?!」
突如聴こえたノイズの声にアイスは鳥肌が立つ。
背後から伸びた手は、アイスの背中へ触れる。
「嘘……」
瞬間。水晶型のバリアが、アイスの身体を貫いた。
次回「成長速度」
勇者学校にて
「魔法は無限の可能性があるんだよ!!!!傷を癒す回復だって、見方を変えたら時間を戻してるみたいなものだし!!」
「なるほど?!」
「…それはどうなの?」
「あっ!!!せっかくだし!!可愛い後輩アイスちゃんにこれを付与しよう~」
「?!はい!!」
「ふふん!!私のオリジナルスキル!!【セリアリンク】だよ!!」
「…またそれ……」
「?!なんですかそれ?!?!」
「知りたいね?知りたいよね?!このスキルは[マナリンク]した後に【セリア】と言ったら発動できる特別なスキルなのだ!!!」
「すごい!!どんな効果が?!」
「使ってからのお楽しみだよ!!!」
「そんな?!」
「やめときなよ…ほんと……人が良いんだから…」
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