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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第四話「サード村」

ファー村を旅立ちかなり歩いた森の中、アイスとヴァートは灰色のローブを着た男と出会う。

意識が途絶え目が覚めると黒髪の少年ホープラスが覗き込んでいた。

ヴァートとアイスは無事にサード村へと辿り着く事が出来るのか?!

「ホープラス?」

▶︎黒髪の少年【ヴァート】

焚き火の燃える音とヴァートの声が夜の静寂を打ち消した。


「はい。ホープラスです。お兄さんのお名前は?」

▶︎黒髪の少年【ホープラス】


礼儀正しい少年に言葉を失う。

(同い年?いやもっと若い様な??)


「あの?」

「あ!ああ!俺はヴァートだ。助けてくれたんだな。ありがとう。ところでアイスは?無事なのか?」

「アイスさんですか?アイスさんなら先程までヴァートさんの看病をしてたのですが。私は良い子だから夜更かしは出来ない。って言って寝ちゃいました。」

「そうか…良かった。そう言えばホープラス!お礼をしたい!もしよければ何か手伝わせてくれ!」

「お礼なんて…あっ!ではお願いを聞いて頂けませんか!!」

そう言うとホープラスは鞄を漁り始めた。そして白い紙をヴァートに見せた。見覚えのある紙だ。これは…


「勇者学校への飛び級認定証?!」

「はい!アイスさんから話は聞いております!是非とも僕をパーティーメンバーに入れて貰えませんか⁈」



     第四話「サード村」


辺りは既に朝。荷物を持って3人は歩き出した。


「いやぁ。冒険に出てこんなに早くパーティーに入れるなんて夢にも思いませんでした!!」

ホープラス(14歳)盾使い。彼の出身はカンド村だそうでファー村にも時々訪れていた様だ。


「こちらこそ!助けて貰った上にお肉も食べれるなんて!ヴァートは起きるの遅かったけど、ちゃーんとお肉は食べれたのかなぁ?」

▶︎白髪の少女【アイス】


アイスがニヤニヤしながらヴァートに問いかける。


「ちゃんと食べたし!てか先に起きたの誇ってるみたいだけど!アイスの方が先に倒れたんだからな!」

ヴァートは水を飲みながら昨日の事を思い出した。


(まぁお肉はアイスの食べかけを食べたんだけど)

いつも通り言い合いをしていると横から目をキラキラさせたホープラスが話しかけてくる。


「2人は両思いだと思うのですが、お付き合いされてるのですか??」

「ブーーーーー」

「?!?!」

ホープラスの質問にヴァートは飲んでいた水を吐き出し、アイスはびっくりした顔でホープラスを見た


「!!やっぱりそうなんですね!いやぁ!お似合いだと思ってたんですよぉ。アイスさんがヴァートさんを必死に看病して!」

次の瞬間アイスはホープラスの口を手で塞ぎ顔を真っ赤にして言った


「看病はしてたけど!別に必死じゃなかったし!」

アイスの手から逃れたホープラスは続いて話す


「ヴァートさんも目が覚めた時の第一声が」

またしてもホープラスの口をヴァートの手が塞ぐ


「あーーーあーー聞こえないー何も聞こえないー。てか別に付き合ってないし?」

「そうだよ!付き合ってないから!」

ヴァートの手から逃れたホープラスはキョトンとした顔になり…深く考えた。


(なんやかんやで両思いは否定しないのか)


たわいもない話をしているとサード村が見えてきた。

「あっ!あれがサード村ですよ!変に体力使っちゃいましたけど。ここからはスピードアップですよ!」

「誰のせいだよ」

「誰のせいよ」

スタスタ歩くホープラスにヴァートとアイスは顔を合わせ笑いながら追いかけた。


【サード村】


「わー賑やかな村ですね!」

「以前来た時から全然変わってないな」

「そうね。早く酒場に行きましょう!」

酒場はサード村の入り口からすぐそばにある。ヴァートとアイスは酒場を見ると違和感に気付く。


「何だあの人だかりは」

ヴァートが目にしたのは酒場の外にあるクエスト板の前で装備を来た旅人や兵士が30人近く集まっている光景だった。


「強そうな人が沢山いますね?何があったのでしょうか…」

「私。話聞いてくるよ」

アイスが兵士に情報を訪ねた。すると兵士は気合いを入れた声で答えた。


「サード村に反勇者組織が攻めてくるって情報が出回ったんだ。今勇者様に増援をお願いしていて、その間俺たちがこの村を守らないといけない。」

反勇者組織…ヴァートとアイスは昨日出会った灰色のローブの男を思い出していた。


「もしあいつならこんな人数じゃ相手にならない…勇者様はどのくらいで来るんだ?」

「早くてもここから王国までは馬車で30分は掛かる…増援要請をしたのが20分前だから40分以内には駆けつけてくれる筈だ…君達は早く避難を。この村に来たばかりなのにすまないね。」

アイスは不満そうな顔をしてヴァートの方に振り向いた。

ヴァートは何となく意味を理解し、笑顔で頷いた。


「俺たちも戦いま…」


ドンッ!!!!


ヴァートが話している途中に村の外で爆発音がした。

その瞬間兵士達のリーダーと思われる赤いバンダナを着けた男が声を上げた。


「戦闘開始!!!!」

「うおおおおおおおおおおお!!!!!!」

さっきまで話していた兵士は剣を持ち、爆発音がした方向へ走り出した。


ヴァートも剣を持ち、アイスとホープラスに指示を出す

「アイスは俺と一緒に敵を、ホープラスはみんなのカバーを頼む!」

「わかった」

「了解です!」


走り出したヴァートとアイスの後ろでホープラスが右手を地面に押し付けた。瞬間薄水色で輝く長方形のバリアがホープラスを高台へと持ち上げた。


「えー!凄い!!」

「盾使いなのに盾持ってないと思ったけどそう言うことか!」

サード村全体を見渡せるバリアの高台からホープラスは叫んだ。


「敵5人確認!左から赤、青、黄色、緑、紫のローブ!赤以外は戦闘中!ヴァートとアイスは西方向にいる赤ローブを頼みます!!」

(的確な指示。これがカンド村たった1人の飛び級認定者か!負けられないな。)

初戦闘、初の共闘緊張よりも心が躍る


「私たちなら楽勝だよね」

「当たり前だ」

俺達だって飛び級認定者の1人。絶対この村を守って見せる!!!




次回「初戦」






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