第四十八話「鼓動する心」
前回。各特訓を行う推薦入学者達は、選別戦に向けてパワーアップを果たした。
選別戦…30分前。
白い髭を伸ばす老人は、椅子に座ったまま語り始めた。
「…ご集まりご苦労。我が友人達よ。」
[再生の王国]国王。アルベ・グラント。TOPランク
「…」
「右端から名を名乗れ。其方らの夢と目的を答えろ。」
「…はい」
茶髪の青年は渋々立ち上がり、国王を睨みながら答えた
「…ゴードだ。夢は最強。目的は…特にない」
[推薦入学者][ゴード]4thランク
→指導者[国王 アルベ・グラント]
「…次」
「はい!!」
黒髪の少年。大きな返事で立ち上がり、元気よく声を上げた
「ホープラスです!!夢は勇者になる事で、目的はみんなを守る為です!!」
[推薦入学者][ホープラス]4thランク
→指導者[時空の勇者 エデン][光の勇者 ライト][魔神の勇者 カイト][勇者学校特待生 ロゼ]
「…守るねぇ…次」
「はい」
胡桃色の髪をした青年は静かに立ち上がり、ハキハキと答えた。
「レーチです。夢は勇者になる事です。理由は…そう決めたからです。」
[推薦入学者][レーチ]4thランク
→指導者[国王側近兼国王代理 アルベ・イス]
「…良い。次」
「!!はい!!!」
白髪の少女は大きな声で立ち上がる。緊張して固まったまま、口を動かした。
「アイスです!!!夢は…勇者になる事で!!理由は約束を果たすためです!!」
[推薦入学者][アイス]4thランク
→指導者[防具の魔人 サオ][勇者学校特待生 アリシア][勇者学校特待生 セリア]
「…約束か。次」
「はい!!(*'▽'*)」
ピンク髪の少女は元気よく立ち上がり、嬉しそうに話した。
「ミールです!!(*^▽^*)ミーちゃんでもミルちゃんでも好きに呼んで下さいね?(*'▽'*)夢は好きな人と結婚する事!!\(//∇//)\目的はそれが生き甲斐だからです!!(*´꒳`*)」
[推薦入学者][ミール]4thランク
→指導者[洞窟に住まう少女 ホワイト][洞窟に住まう少年 ブラック]
「………はぁ…次」
「は、はい!!(緊張)」
目をキョロキョロさせながら少し前のめりで立ち上がると、少し小さな声で話し始めた。
「リ…リーラ…です(緊張)夢は!!…えと…ゆめは……」
「…」
国王は手元の書類に少し目を通し、リーラに質問した。
「…勇者学校から推薦された者か。」
「…!はい…(怖)」
「何故勇者学校に入った?」
「ぇと!!…存在理由が…欲しかったからです。(確か)」
[元勇者学校特待生兼推薦入学者][リーラ]4thランク
→指導者[洞窟に住まう少女 ホワイト][洞窟に住まう少年 ブラック]
「……ならそれで良い。次」
「あ…へ?(終)」
「…!はい!!!」
黒髪の少年は大きな声で立ち上がる。緊張して固まったまま、口を動かした。
「ヴァートです!!夢は勇者になる事で!目的は約束を果たす為です!!!」
[推薦入学者][ヴァート]4thランク
→指導者[防具の魔人 サオ][勇者学校特待生 ロゼ]
「…また約束。…次」
「……はい」
推薦入学者最後の男は静かに立ち上がり、国王の目を見て話した。
「ヘルアです。…夢と言うか…目標などはまだ無いです。」
[推薦入学者][ヘルア]5thランク
→指導者[なし]
「…そうか。ならなぜ動く?」
「…選ばれたからには……いや…選んだからには…最後まで。俺は道を貫きたい。」
「…まぁ。一番良い理由だが、一番崩れやすい夢だな。」
「…」
「良い。そして少し質問だ。ゴード。最強とはなんだ?」
「…あ?最強は最強だろ」
「何を持って最強か答えよ。例として、一撃で世界を破壊したらそれは最強か?もしくは全てのスキルを有したら最強になるのか?」
「…?負けなかったら最強だろ?」
「…良い。ホープラス。もし守りたい者がみんな死んだら、お前は戦う事を辞めるのか?」
「…辞めません。」
「…なら何の為に戦う?」
「…多分…自分の為に…戦います…」
「…良い。結局それが一番大切な事だ。今の勇者には、自分を大切にする奴が居ない。…お前が勇者になる事を願う。まぁ。その考えが変わらない限りは。」
「!はい!!」
「アイスとヴァート。お前達は約束を果たしたらどうする?」
「「…戦います!!」」
「…では。約束した人が死んだら…お前達はどうする。」
「…え」
第四十八話「鼓動する心」
「…俺は……」
「ヴァートは死なせません!!!」
「…!俺も!!」
「…そう言う次元の話ではない。アルベ・イス。グレーを呼べ。」
「…畏まりました。」
(……)
一瞬の静寂に、バチバチと音が鳴る。驚きながら呼ばれたグレーは、国王に気付き頭を下げた。
「お疲れ様です。国王。」
「…よい。少しだけ質問をする。…もし家族が死んだら、お前はどうする?」
「…。」
グレーは少し目を見開き、右手を握り込んだ。
「…関与した奴みんな…ぶっ殺しますよ。敵も仲間も。自分すらも。」
「…戻って良い。」
「…はい!みんな?頑張ってね〜!」
手を振りながらゲートを潜るグレーは、ゆっくりと姿を消した。
バチッ
「…ヴァート、アイス。あの信念が伝わるか?…勇者の中で、家族を守り切っている唯一の勇者がグレーだ。…あの次元に到達しない限り、家族を守る事は出来ないと我は断言する。」
「「……」」
「…」
(…さっきからイラつくな…)
「…まぁ良い。最後にミール。…感情で動くお前から、感情が無くなったら…」
「馬鹿か!!!グラント!!!!」
突然大声を出したアルベ・イスは、国王の髪を掴み上げ、睨んだ。
「資料読んでんだろ?ちっとは人の心を思いやれ!!」
「…お前も同じか。」
「テメェ!!」
ゴミを捨てるように髪を離したアルベ・イスは、ゲートを開き、右手を中に伸ばした。
「人間性失ってる奴に!!勇者を語る権利はねぇ!!」
「人間性を失う事が、勇者になる為の近道だ。」
「それは近道じゃねぇ!!ショートカットだ!!薬キメて戦う奴と同類なんだよ!!!」
「結果論で考えろ。過程や工程は、弱者の考えるただの夢だ。」
「そうだよ!!夢だ!!!人間みんな弱者なんだよ!!!お前ごときのバケモンが!!人間語ってんじゃねぇ!!!!」
右手をゲートから出すと、アキラの身体が引っ張り出された。
「アルベさん?!状況を!?」
「この後の予定を頼む。俺はクソジジイを黙らせる。」
「…また感情で動く。いつまで経っても変わらんな」
「ほざいてろジジイ!!感情が運命を凌駕するって思い知らせてやる!!!」
両手を叩き、国王とアルベの足元にゲートが出現した。激しい音を鳴らし、瞬間。…二人は消えた。
「……はぁ。取り敢えず…選抜戦するか。」
ため息を吐いたアキラは、右足を踏み込んだ。
「試練」
「「「「「「「?!?!」」」」」」」
辺りに森が生い茂り、気付けば太陽の下に居た推薦入学者達は、アキラの声で振り向いた。
「ん〜。…4対4のチームバトル。勇者パーティー選抜戦を開始する。チームはこちらがすでに決めている。作戦会議は10分間。それでは…チーム分けの発表だ。」
[盤上]を展開したアキラは、8つの駒を同時に動かした。4:4に分かれたヴァート達は、互いに驚きの声を上げる。
「ぅえ?!?!」
「お!宜しくな!!」
「!!」
「よろしくね!!(*'▽'*)」
赤チーム[ヴァート][ヘルア][ミール][リーラ]
青チーム[アイス][ホープラス][レーチ][ゴード]
突き抜ける風が、ヴァートとアイスの心を刺激する。嬉しそうに笑うレーチは、ヘルアを睨み囁いた。
「早かったね?ヘルア」
次回「優先順位」
グレー自室
「グレー様大丈夫?!?!」
「うん!大丈夫だよ〜」
「はぁ…アルベの奴。ほんま唐突やな…今度〆たろか?」
「いやいや。お呼びになったのは国王様だったよ?」
「あ〜そか!じゃあお咎めなしやな!」
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