表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世代の勇者  作者: グミ
第二章「選抜戦」
45/84

第四十四話「勇者学校特待生第三位」

前回。王宮内で暴れ回るゴードは、[アルベ・イス]も揉め、気絶してしまう。一方で、アリシアとセリアから魔法を教えて貰っていたアイスの元に、特待生vsヴァートの情報が入る。

睨み合うヴァートとキザ。会場は声援に包まれ、ヴァートは汗を流す。


「…」

(ホープラスが体力回復してる今、求めるのは時間稼ぎ…でも…それより…)

「…♩」

(ロゼ君が負けたのはバリアを壊されたから。万全の状態で相手すれば…)


            0


カウントダウンが0になり、ヴァートとキザは右脚を踏み込む。と、同時に


「うぉ?!早!!!」

「!!」

(全力で攻めて戦いを終わらせる!!)

最速で距離を詰める。驚いたキザは後ろに仰け反り、体制を崩す。左下から振り上げた模擬刀は、そのまま横腹へと…


「なんちゃって?」

「?!」

瞬間。キザの持つ模擬刀が右横腹に触れ、ヴァートは吹き飛ばされる。


「ヴァートさん?!」

「ガッ?!?!」

「ん〜。流石に早いね。でも…ロゼ君を倒せる速さじゃない。…本気だしなよ!推薦入学者!!」

「ゴホッゴホッ…何が起こった?!」

顔を上げたヴァートは、違和感に気付く。本来視界に映るはずのないホープラスが、キザの後ろで倒れていた。


「…なるほど」

「ん?」

「[位置交換]か…」

「!正解…やるね〜。でも…発動条件までは分からないっしょ?」

「…」

キザの全身を視界に写したヴァートは、目の前の情報を確認する。


______________________


ランク 1stランク

______________________


「…え???」

「あっ!今情報見た!!」

「?!」

「分かるんだ〜。いっぱい戦って来たから…情報を見る時、目の中が少しだけ上向くの。でもそれはしょうがない事。突然目の前に文字が出て来たら、誰だって気になるよ。それも…見たくて見る時はもっと分かりやすい…」

「一体貴方は…」

「うん?…時間稼ぎかな?乗ってあげよう!」

「…」

ヴァートは体制を戻すと、深呼吸した。それを見たキザは集中し、模擬刀を回転させる。


「キザさん…は…名前合ってます?」

「合ってるよ」

「…なぜ勇者学校に?」

「…?何その質問??」

「時間稼ぎと…興味本位です。」

「…いいね♩気に入った!でも秘密で頼むよ?」

「…」

「…[偵察]かな。本名も偽ってる。」

「えっ?!」

驚いた瞬間。キザは距離を詰め、ヴァートの左ジャブを交わす。


「10日後…俺ら第二魔王軍と第三魔王軍が宣戦布告する。見せしめに…勇者学校の生徒が狙われる。」

「?!」

「俺がここに居るのは…それを阻止する為だ。そうだな…[裏切り者の情報屋]とでも思ってくれ。」

「秘密って?!無理ですよ!!」

「声が大きい…勇者に伝えてくれるだけで良い。それまで秘密で頼む。混乱を起こしたくないんだ」

「貴方が報告すれば良いんじゃ…」

「馬鹿…俺は第二魔王軍所属だぞ?!それが出来たら苦労しない。勇者と謁見できる推薦入学者の君だから頼んだ。」

「…分かりました。」

互いに距離を取り、見つめ合う。キザはアイコンタクトをしたのち、両手を挙げて叫んだ。


「あ〜マジか〜俺の負けだわ。」

「「「はぁ?!?!」」」

突然の告発に会場が騒つく。批判が殺到する中、笑顔で去るキザ。その横顔を見たホープラスは、違和感に気付いた。


「…?あれ…何処かで…」


      

    第四十四話「勇者学校特待生第三位」



「はぁはぁ…ヴァート!!」

息を切らしながら走るアイスは、模擬試合場に辿り着くと、一目散にヴァートの元へ駆け付けた。


「大丈夫?!」

「…おう。大丈夫だ」

「…?」

(なにか…隠してる?)

一瞬にして違和感を感じ取ったアイスは、背後に大の字で倒れてるホープラスに驚いた。


「わ?!ホープラス!!大丈夫??」

「はい…疲れちゃっただけです!!」

「…良かったぁ」

「アイス…今から王宮に戻るぞ。」

「え?」

「っ!あっ忘れ物しちゃって…ダメか?」

「…はぁ。嘘が下手だね。」

(まっそこが可愛いんだけど…)

アイスはヴァートの頭を撫でると、笑顔で答えた。


「私達の関係にぃ〜隠し事は無しなのになぁ〜」

「ちょ?!」

恥ずかしがるヴァートは、アイスの手を握り、降ろした。


「ヴァート?」

「…な、なんだよ」

「デート一回。それで許してあげます。今日の特訓も、隠し事も。」

「え?」

「だから…」

(…あれ?私も隠し事してるくない?)

「アイス?」

「…私もヴァートのお願い。なんでも一つ聞いてあげます。…まぁ…可能な範囲なら…」

耳を赤くするアイスは振り向き、ホープラスの元へ寄った。キョトンとするヴァートに向かって、薄水色髪の女性が、嬉しそうに抱き付く。


「キスしちゃいなよ!!」

「?!セリアさん?!」

「アイスとあなたって…そう言う関係なの?」

「アリシアさんまで?!いやいやいや!!違いますって!!」

「え?あっ…はは〜んヴァートくん…さては鈍感だね?」

「はい?!」

「女の子は、好きな人にしかあんな事言わないんだよぉ〜〜?ね?アリシアちゃん!」

「…あの様なセリフ…歯が浮くからまず言わないかな。まぁ…好きな人からのお願いなら…なんでも答えたくなるのが恋する女の子って感じ。」

「でしょ?!ヴァートく〜ん?隅に開けないなぁ〜。良かったらこの後私の部屋使ってく?私はアリシアちゃんの部屋にお邪魔するから!」

「え…」

突然の勧誘に、アイスの耳がピクピク動く。しかし、鈍感型主人公のヴァートは流れを一掃した。


「いえ!今から王宮に向かうので!」

「…断るんだ…」

「ヴァートくんの馬鹿」

「え?」

「うぅ…」

「?アイスさん?大丈夫ですか??」

「大丈夫…」

「?」

あらか様に落ち込むアイスと、なぜ罵倒されたか分からないヴァートの後ろから、テンションの上がった紫髪の男が叫んだ。


「なら僕がセリアの部屋を!!」

「入れる訳ないじゃん。」

「はぁぁぁぁ?!ま、まぁ?お楽しみは取っておくのが吉。」

「?私は先にイチゴ食べる派だよ?それよりヴァートくん!!王宮に戻っちゃうの?」

「はい!…忘れ物しちゃいまして…」

「そっか〜じゃあ先生はここでお終いだね。ヴァートくん?」

「はい?」

「セリアお姉〜ちゃんって言って?」

「え?」

「ホープラスくんも!」

「え、セリアお姉ちゃん?」

「はぁぐ♡」

セリアは仰け反り、地面に倒れた。


「何やってるの?」

「いや…弟欲しかったから…夢が叶った…」

「おめでとう」

反応を見て少し笑ったアイスは、満面の笑みでセリアとアリシアに抱き付いた。


「セリアお姉〜ちゃん大好きだよ?アリシアお姉ちゃんも!!大好き!!」

「はわわわわ♡」

「…あっ。悪くないかも」

「アイス…なにやって…」

ツッコミを入れようとしたヴァートに、アイスは正面から抱き付いた。


「うぇ?!」

「ヴァート兄〜ちゃん?大好きだよ!!」

「おっ?」「わぁ?!」

赤面するヴァートは、アイスから離れ、戸惑いながら喋った。


「俺にするのは違うだろ?!?!」

「照れてる?」

「…うるさい」

ニヤニヤするセリアはヴァートに近づき、耳元で囁いた。


「ほらほら、アイスちゃんがしたのなら、ヴァートくんもしてあげるべきじゃないのかなぁ〜?」

「う…」

続いてホープラスも立ち上がり、ヴァートに話しかける。


「きっと喜びますよ。」

「うぅ…」

顔が真っ赤なヴァートはアイスにゆっくりと近付いた。


「ごめんって…からかっただけだよ〜」

「アイス…」

「え?」

瞬間。ヴァートはアイスを抱きしめた。咄嗟のことで頭がパンクしたアイスは、よく分からないままヴァートの服を掴む。


「?????」

「…アイス……。」

「…はぃ…」

「だ…。」

「……」

「大好き…です…」

「…///あっと///あの…//」

「カット!!!」

「…え?」

「お姉ちゃんって付けないと!最初っからね!」

「そんな…」

恥ずかしさがMAXに到達したヴァートは、少し下を見ると、大きな目をして赤面する白髪の少女が、恥ずかしそうに呟いた。


「ゔぁーと…」

咄嗟に離れたヴァートは、大きな声で叫ぶ。


「!駄目!!やっぱ駄目!!この流れ終わり!!」

「え〜…しょうがないなぁ」

(…まぁ鈍感恋愛でこれなら大幅進捗かな…)

「??????」

(ドキドキした?!?!)

「…」

(なんだよ…その顔……)

胸に手を当て、深呼吸する。


「…俺の馬鹿」

(何考えてんだ…アイスは家族だろ…)

加速する鼓動が、ヴァートの思考を鈍らせる。ほんの数秒。一瞬過った思考が、ヴァートの心を揺さぶった。


「…っ」

(女の子として見ちまった…)



次回「戸惑い」

ご覧頂きありがとうございました。いいねと感想。ブックマーク登録も是非是非。それでは!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ