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世代の勇者  作者: グミ
第二章「選抜戦」
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第四十三話「国王」

前回。ヴァート達と別れたミールとリーラは、ミールの知り合いである[ホワイト]と対面する。展開された試練にて、鏡のミール、リーラと戦闘を開始する。

「ハァハァ!!」

「待て!!!」

「バーカ!!追いついてみやがれ!!!こちとらまだ睡眠不足で全力出せてね〜んだよ!!」

王宮の廊下を走り回るゴードは、計25以上の扉を開けたが、以前王の居る部屋に辿り着けなかった。


「何処だよ国王!!ビビってんのか!!」

「王を侮辱するな!!!」

「あ?聞こえね〜よモブ!!!」

「「「んだとゴラッ?!?!」」」

「うお?!」

頭に来た騎士達は立ち止まり、甲冑を外す。軽装備に着替えた後、全力疾走で追いかけて来た。


「早?!?!?!」

「王国騎士を舐めてんじゃねぇぞ!!!」

「そうだそうだ!!」

「はっ!!せ、声量だけは一丁前だな!!!」

「「「舐めんな格下が!!!」」」

「おいおい…言葉に棘がありすぎだろ!!本当に騎士か?!もっと冷静に対処するのが騎士だろうが!!」

ゴードが叫ぶと、騎士達は立ち止まり、後ろを向いた。


「確かにそうだな…」

「…あ?」

「騎士とは…林の如き静寂さを持ち、何事も冷静に…。フッ忘れていたぜ。全く。」

「……」

「ありがとな兄ちゃん。」

「な、なんだったんだ???」

甲冑を拾った騎士達は、再び着替える。そして…


「「「でもお前だけは捕まえる!!!」」」

全力で追いかけ来た。


「んだよこいつら!!!」

「「「待て!!」」」

「待たねぇよ!!!」

走り始めたゴードだったが、目の前に星型のゲートが現れ、黒髪の男[アルベ・イス]がゴードの腕を掴む。


「うぉ?!?!」

「!!アルベ様?!」

「はぁ…こいつか?暴れてるって奴は…」

(クソジジィ…こっちもこっちで育成中だよ馬鹿野郎。ん?こいつ推薦の…てか力強ぇな…)

瞬間。アルベの頭をゴードが蹴った。衝撃で隣の扉を破壊し、吹き飛ばされたアルベは天井を見上げる。


「…」

(痛ぇ……。今期の推薦入学者はイカれてんのか?)

「お前強いだろ!!戦えや!!」

「なんでだよ…」

(はぁ…なんでこう…身の程知らずな馬鹿がいるのかね……)

「あ?強くなりてぇからに決まってるだろ!!」

「…嫌。無理だお前には。」

(めんどくせぇ…何よりウゼェ。よし…)

「あ?」

「殺るか!」

アルベは上半身を起こすと、半目で嬉しそうに笑った。


「?!(?!動けねぇ!!!)」

再びゴードの身体が動かなくなる。[カイト]や[エルドラ]の時と同じだが、桁違いの威圧に、ゴードは呼吸が止まった。


「Sランクごときのガキが偉そうに…」

「…(やべぇ)」

「アルベ様?!?!」

「[澄み渡る領土]/禁止エリア[氷土]/氷の精霊[ヨハネ]/我元に…」

「待て待て。国を滅ぼす気か?」

「あ?」

詠唱中のアルベの肩を触り、中断させる。笑顔の男性は、ゴードに近寄ると、嬉しそうに話しかけた。


「私を探していたそうだね。」

「…アンタが来るなら俺蹴られ損じゃないですか…国王…」

「?!(コイツが国王?!)」

※ゴードはこの前出会った事を覚えていなかった。


「いやいや…ここ私の部屋だし。いきなり扉壊されてビックリしたんだから。」

「この間みたいに寝てれば良かったでしょ。」

「冷たいねぇ…」

「当たり前だろ…こちとら休暇中に働いてんだ…今の時間は本読みながら寛いでる所なんだよ!!餓鬼どもに2度も邪魔されて、椅子弁償して、お前にコキ使われて!!挙句に顔面蹴られてる!!そんで持ってここ10年まともな休暇が無いんだぞ!!あぁ?!自室って何だよブラックか?!あ"ぁイラつく!!!ちょっと第三魔王軍と第二魔王軍滅ぼして来ます!!アイツらも最近調子乗りすぎだ馬鹿野郎!!」

「落ち着きなさい…はぁ。第三は行けても第二は死んじゃうよ?」

「問題ないわ!!何人かぶっ殺して俺も死んでやる!!!」

「はぁ…じゃあ今日から満足するまで休みな。久しぶりに私が頑張るから」

「ダメです。国が滅びます。」

「…じゃあ任せるね?」

「任せて下さい。」

情緒が不安定なアルベは、誇らしげに胸を叩いた。国王は未だに動かないゴードに近寄り、顔を見る。


「…気絶してる…」

「は!ただのガキが調子乗るからですよ」

「アルベ?カイトのした事覚えてないのか?はぁ…後で罰を…嫌……手を出したのはこの子の方か…」

「そうです。」

「…うん。アルベはゆっくり休んでくれ。この子は私が面倒見るよ」

「!この後!!呼び出したり…」

「しないよ。」

「!!よし!休みます!!」

「うん」

ウキウキになったアルベは[ゲート]を展開し、目の前から消えた。


「さて…ん?駄目だよ。昨日は君だったでしょ?今日は私が面倒見るから。うん。明日は変わるよ。」



------------------------


勇者学校魔法研究所/テスト区画/


「はぁはぁ…」

「全然駄目。戦場の真っ只中で魔法詠唱する事は、時間のロスと使う魔法を教えてあげる様な物。今日中に詠唱なしで魔法を出せる様にしないとね」

「大丈夫だよアイスちゃん!!アリシアちゃんは教えるの上手いから!!」

「で、でもマナが…」

ヴァート達と別れて2時間が経過した。アリシアの指導の元、アイスは魔法詠唱の短縮を実現しようとしていたのだが…


「マナ?あぁじゃあ少し休憩を挟みながら授業しようかな。セリア?お願い」

「うん!!さてさて問題!!あっ!これ結構間違う人いるから良く考えて見てね?」

「…はい」

「魔法を発動するには[マナ]が必要ですが、[マナ]とは一体何処にあるでしょうか?」

「…体内じゃ?」

「外れです!正解は!!」

「気体だよ。」

「えっ…」

「…まぁ。その反応が当たり前だよね。マナは体内にあり、そのマナが無くなったら魔法を発動できない。これは人口の九割が勘違いしてる一般常識だよ。」

「でも…どうやって気体のマナを…」

「…最初は掴んで使う。慣れて来たら視界に入れるだけで使えるよ?こんな感じ。」

アリシアは辺りを見渡し、右手を伸ばした。その後、アイスの右手を取り、触れる。


「あっ…」

「わかった?」

「うん。マナが少し回復した!」

「でしょ?魔法を研究してたら次第にマナが見えて来るはずだから、頑張ろうね?」

「うん!!頑張る!!」

「おいビックニュースだ!!!!!」

「?」

「ビックリした!」

「!どうしたの!キミ君!!」

魔法研究所の扉を勢いよく開いた男は、興奮しながら大声で叫んだ。


「推薦入学者のヴァート君とホープラス君が!!たった今特待生10抜きを達成したぞ!!」

「ヴァート?!」


--------------------


勇者学校模擬試合場


「うぉぉぉおおおおおおお!!!!!」

鳴り止まぬ歓声。増え続ける観客。息を切らすヴァートとホープラスは観客になりすますロゼに叫んだ。


「これいつ終わるんですか?!?!」

「ごめんね?なんか楽しそうだから…」

「はぁ…はぁ…も、もう限界です…」

「大丈夫か!ホープラス!!」

「少し…だけ…お時間貰えれば…」

地面に倒れ込んだホープラス。しかし、好奇心旺盛な特待生は止まらない。


「!バリアの子が倒れてる!!俺行きます!!」

「おっ!!行け行け!!」

観客席から飛び降りた黒髪トゲトゲの男は、笑顔で叫んだ。


「ロゼ君が負けてんだ!!そこらの特待生が勝てるわけねぇだろっつう話よ!!ここは第三位に君臨する…この俺!!!キザに任せろ!!!!」

「「「うぉぉぉおおおおおおお!!!!!」」」

(エリックには悪いが…抜け駆けさせて貰うぜ…)

「ホープラスは休んでろ!!俺一人でやる。」

「いや…僕も少しは応戦するよ…」

「さて…実力見せて貰うぞ!!!後輩君!!!」

鳴り響く歓声が空気を覆う。ヴァートとキザはタイムが0になると同時に、右足を踏み込んだ。



次回「勇者学校特待生第三位」

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