第四十話「特待生」
前回。思わぬ形で勇者学校に到着したヴァート達は、勇者学校特待生の[セリア]、[アリシア]と出会う。4thランクのアリシアに、ヴァートは指導を頼むのだが…
「で!アイスちゃんとヴァートくんとホープラスくんは、みんなに負けないように強くなろうとしてるんだね?」
「はい!」
勇者学校を案内されるヴァート達は、勇者学校特待生の[セリア]、[アリシア]に1日だけの指導を受ける事になった。
「セリア先輩?授業とかって大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ〜?Sクラスのみんなは個人の研究が認められてるから、そもそも授業ないし!それよりアイスちゃん!!」
「はい?」
「もう一回先輩って言ってくれないかな?!」
「え?セリア先輩…」
「く〜?!産まれてきてよかった!!」
「……先生って呼んで欲しかったんじゃないの?」
「大丈夫!どっちかと言うと先輩呼びの方が嬉しいから!」
「…」
[そう言うものなのか…]と考えるアリシアにヴァートは疑問を投げつけた。
「アリシア先生!!質問良いですか?」
「何?」
「どうやったら強くなれますか?!」
「…それ…私に聞く意味あるの?」
「え?はい!俺強くなりたくて!!強い人に聞けば良いかと思ったんですけど…」
「…はぁ……。スキルは持ってる?」
「はい!」
「…他の二人は?」
「あっ!私は持ってないです!」
「僕もです!」
「そう…。…女の子は魔法、スキルを持ってない男の子はバリア、君はスキルを伸ばしなよ。得意分野を伸ばす事は自分にしか出来ないんだし。それと私とセリアの得意分野は[回復魔法]だから戦闘面のアドバイスは難しいかも。」
「!なるほど…ありがとうございます!!」
「え?!ホープラスくんバリア使えるの?!」
「はい。…」
(バリアが使える事は伝えてない…アリシアさんはそんな事すら見分けられるのか…)
「あ…マナ操作に関してはアドバイス出来るかも。…二人は他の特待生に頼んだ方が良いかも?…セリア?おすすめの人居る?」
「も〜。そろそろ同じクラスの人の名前早く覚えなよ〜!バリアとスキルだよね?」
「はい!あっ!剣を使う人でも大丈夫です!!」
「剣か〜…最近入ってきた子とかは?あっ!スキルとバリアならロゼ君が詳しいかも!」
「?!」
セリアが大きな声で話し、手を叩くと、近くの紫色の髪をした男性が大きく肩を揺らした。
「な?!」
「あっ!ロゼ君だ!」
「セリア?!もっとこう…オブラートに包む事は出来ないのか?!公共の場だぞ?!」
「へ??」
「…。」
「ま、まぁ?君ならいつでも僕の婿に来てくれても構わないからな。」
「え?なんで?そんな事より聞いてよ!」
動揺しながら腕を組む[ロゼ]の腕を掴み、[セリア]は笑顔で話しかける。
「はぐぅ?!?!?!」
「この子がね?あっ!ヴァートくんとホープラスくんって言うんだけど、スキルとバリアを極めたいらしんだよ!」
「あっ?!いや?!婿と言っても!!まだ学生である身な訳で!!せめて表は隠しながら!!公共の場では清廉潔白な関係を?!」
「?。私達は付き合ってないでしょ?」
慌てふためくロゼを視界に映したヴァートは、表示された情報に戸惑う。
______________________
スキル [秘密だ]
特殊 [ここら辺も見られたら困る]
死亡数 [まだ0だ!]
弱点 [沢山あるなぁ]
ランク [教えないよ?]
______________________
(なんだこれ?!?!情報を隠してる?嫌でも!どうやって?!)
「?。」
上を見たロゼは、素早くヴァートを見て話し始める。
「スキルをたらい回しで使ってるね。その使い方は辞めた方が良いよ。」
「え?」
「スキルは言わば能力。即ちマナとバリアと同じ様に使用時の代償がある。バリアよりは分かりにくいけど、スキルを使い続けると徐々にスタミナが減るんだ。ヴァートくん…だよね?スキルの使い方を教えてあげるよ。」
「!ありがとうございます!」
「あ、あの!僕も良いですか!バリアの事を教えて欲しいです!!」
「…良いよ!僕で良ければ!」
「!!ありがとうございます!!」
「うん。」
「ロゼ先生だね!」
「はんぁ?!?!セリア!!そう言った事は人目のない場所で?!?!」
「…」
(変な人だな…凄そうだけど…)
第四十話「特待生」
アイス、セリア、アイリスから離れたヴァート達は、ロゼの案内により勇者学校模擬試合場に案内される。広い空間を埋める様に300名程の観客が座り、真ん中でヴァート達は準備運動をしていた。
「…あの…なんでこんなに人が…」
「ん?あぁ。特待生の模擬試合は授業と同格の権限があるからね。授業を受ける代わりに見にくる人が多々居るんだよ。」
「模擬試合…さっきも言った通り、本当に2対1で良いんですか?」
「うん!結局力量を測るにはこれが一番早いし!あと、教えるって言ったけど普通に僕の方が弱い可能性もあるから。」
「なるほど…」
(2対1…正直ホープラスとなら負ける気がしない…でも…)
「よし!始めようか!基本ルールは30分。どちらかの戦力が戦闘不能になったら終わり。もしくはどちらかの棄権。勇者学校校長の能力で、危険な行動。無茶な行動等は強制的に[ロック]される。大丈夫かな?」
「「はい!」」
「よし!じゃあ始めようか。」
3
「…行くぞホープラス!!」
2
「はい!ヴァートさん!」
1
「…行くよ。」
0
模擬試合場に鳴り響くカウントダウンが0になった瞬間。ホープラスはロゼをバリアで閉じ込める。っと同時にヴァートとホープラスもロゼのバリアに閉じ込められた。
「?!」
「まぁそうなるよね…」
「わぁ!凄い濃いバリアだね!」
飛び出したヴァートはバリアにぶつかり、後ろに倒れる。ロゼは嬉しそうにバリアを触り、ホープラスに話しかけた。
「何回か戦闘経験あるでしょ?僕もバリアの展開は早い方なんだけどさ?まさか同時になるなんて!」
「…ロゼさんこそ…二人同時の拘束なんて驚きました。」
「これって?勝敗付かなく無い?!」
「…そうだね。耐久性のある物での拘束では勝敗がつかない。この場合は判定勝ちで行かせてもらおうかな。」
「?!」
ロゼがバリアに軽く触れるとホープラスのバリアは一瞬で破壊された。違和感を覚えたホープラスは再びバリアで閉じ込めようとする。が…
「あれ?」
ホープラスは地面に倒れた。
「はぁ!はぁ!バリアを…壊した訳じゃなく…」
「うん。君の体力を奪った。数分バリアは使えないよ?」
「ホープラス!」
(くそ…俺が捕まってなければ…。!耐久性のある物…そうか!)
閃いたヴァートは模擬刀を握りしめ、渾身の一撃でバリアに振りかぶった。
バンッ!!!
「うん。バリアを攻撃すれば持ち主の…え?」
解説していたロゼは体がぐらつき膝を付いた。息が上がる身体。朦朧とする意識。戸惑うロゼは、咄嗟にヴァートを視界に映した。
「攻撃力…高すぎない?」
バリアが壊れ、ヴァートが素早く距離を積める。
「はぁ…はぁ…」
(あ…ダメだこれ…)
「ロゼさん!!すみません!!!」
地面から模擬刀を振り上げ、ロゼに叩き込む。瞬間ヴァートの体が固まり、模擬試合場に声が響き渡った。
「勝者。ヴァート&ホープラス。」
「?!うぇ?!」
驚いたヴァート。立ち上がったロゼは、背中から倒れ、笑いながら声を上げる。
「はぁ…はぁ…ははは!!負けた。これが推薦入学者か…」
時間にして約2分。会場はざわつき、歴代最速で特待生を倒したヴァートとホープラスは、勇者学校の注目の的となった。
次回「図書館」
-------------------
「嘘だろ?!」
「…そんなに驚く事か?」
「馬鹿!お前は最近来たばかりだからロゼ君の強さを知らないんだよ!!」
「ふ〜ん……ヘルアよりは弱いだろ…」
「ん?ってかお前も推薦入学者なんだよな?実はめちゃくちゃ強いのか?」
「…俺にはもう関係ねぇよ。…特訓するぞ。」
「おう…は?今から?」
「今からだ」
「ちょ?!待てよエリック!!」
勇者学校の日常会話
「あっ!おはようロゼ君!」
「んな?!セリア?!いきなり積極的に来られると!!まだ心の準備が!!」
「え?」
「ふぅー!!ふぅー!!よし…よしよし…あと少し待ってくれないかい!!」
「…どしたの?息荒いよ?大丈夫?」
「んぁ?!大丈夫…?!?!はぁぁぁ!!!心配してくれたのか?!まさか?!そんな筈…だがもしそうだとしたら…はぁ?!ダメだ!!落ち着け僕!!冷静に!!冷静になれ!!!!」
「…あっ!アリシアおはよう〜!」
「…ん。」
「ねぇ聞いた?最近サード村でね…」
「はぁ?!はぁ?!」
「おっ!ロゼじゃんおはー」
「…君か。おはよう。じゃあ僕は用事があるから」
「…いつも通りだな…おっ!エリックおはよう〜」
「…ん。」
ご覧頂きありがとうございます。いいねと感想。ブックマーク登録も是非是非。それでは!!




