第三十九話「勇者学校」
前回。朝まで説教を喰らったゴードとヘルアは落ち込んだままライトに連れられ、みんなと王宮に赴く。
突然[盤上の勇者]アキラの自室に移動させられた推薦入学者達は七日間の自由行動とその後、四人を選抜する模擬戦がある事を伝える。
各自情報を集める為に別れ、ヴァート、アイス、ホープラスの三人は、勇者学校へと向かった。
「なになになに?!?!」
「…時間は掛けられない。当てずっぽうで良い。勇者様がいそうな場所を答えてくれ。」
「なんで?!」
「後で説明する。」
「?分かんないけど…図書館とかは?!」
「…よし。行くぞ。」
ヘルアはレーチを掴み、再び歩き始めた。
「え?!本当に行くの?!」
「ああ。大丈夫だ。お前の勘はよく当たる。」
第三十九話「勇者学校」
雲一つない空を三人の影が通る。それは叫び声を上げながら[勇者学校]へと飛んで行った。
「速すぎ?!アイス?!?!?!」
「ごめん!!初めて使うから調整が!!!」
「軌道修正は僕がします!!ヴァートさんは着地の準備を?!」
「って言われても?!」
速すぎる空中移動に三人は焦る。既視感を覚えたヴァートは、咄嗟に叫んだ。
「魔法!![記憶]!![魔法の勇者]アイリスさん!![記憶]!!!」
右脚を前に出し、指先に力を込める。
「[光の風]!!!」
勇者学校の屋根にぶつかる手前。ヴァートの足は優しく暖かい透明な風を纏った。瞬間視界に情報が映る。
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<落下速度低下>獲得
<空中移動>獲得
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「来た?!出来たぞアイス!!って?!?!?!」
喜んだヴァートだったが、両手が突然重くなり、落下し始めた。
「重?!?!?!」
「なっ?!最近痩せたよ!!!」
「そんな事より!!地面にぶつかりますよ?!?!」
「ぐぐぐ??!アイス?!風出せるか?!」
「出せるけど調整が出来ないの!!」
「ホープラスは?!バリアとか?!」
「僕のバリアは隣接した場所にしか発動できません!!」
「まじか?!?!」
焦りまくる三人。徐々に近づく地面に目を瞑り、ヴァートはアイスとホープラスを守る様に落下した。
ドンッ!!!!!!
「グッ?!?!?!」
背中に伝わる衝撃は、全身へと走った。しかし痛みはしない。目をパチパチし、空を見上げるヴァートに向かって、勇者学校の窓から顔を出す薄水色髪の女性が大きな声で叫んだ。
「大丈夫?!?!」
「…は、はい。」
窓から飛び降りた女性は不器用に着地すると、心配そうに三人に話しかけた。
「…痛くない?瞬間回復したけど少し遅れたから衝撃はあったと思う。」
「……えっと…ありがとうございます?」
「うん!って?!勇者様?!?!」
「ふぇ?」
助けてくれた女性は、アイスを見て叫んだ。すると再び窓から薄ピンクの髪をした女性が覗き込んできた。
「…え?!セリア!今行くから捕まえてて!!」
「?。うん!勇者様?今日はどの様な要件で?」
首を傾げながら[セリア]と呼ばれた女性は質問を開始した。焦ったアイスは、咄嗟に顔を上げ、キッパリと断った。
「私は勇者様じゃないです!」
「またまたぁ〜私の目に狂いはありませんよ〜?」
「嫌だから!!人違いです!」
「えぇ?遺伝子同じじゃないとここまで似る事ないですって〜。あ!3年前は助けて頂きありがとうございます!」
「あの…だから…」
「はぁ…はぁ…ゆ…勇者さ…ま?」
後ろから走って来た薄ピンク髪の女性はアイスを見た瞬間。呼吸を整え、頭を下げた。
「…すいません…人違いでした。」
「だから……ぇ?」
「本当に違うの?!」
「うん…。[マナの量]が違う。」
驚くセリアを横目に、ヴァートは目の前に現れた情報を確認する。
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スキル [魔法短縮]
コネクトスキル [オート発動]→魔法 [回復]
特殊 マナ適合者
死亡数 1
弱点 マナの枯渇
ランク Sランク
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覚醒スキル [修復]
スキル [最優先]
コネクトスキル [愛]→魔法 [回復]
特殊 マナ適合者
特殊 マナリンク
死亡数 0
弱点 マナの枯渇
ランク 4thランク
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(死亡数1?!てか4thランク?!?!)
ツッコミどころ満載の情報にヴァートは目を疑った。ホープラスはゆっくり立ち上がり、頭を下げた。
「助けて頂き!!ありがとうございます!!」
「うわぁ?!元気だね!」
「あっ!!ありがとうございます!!」
「ありがとうございます…」
続いてアイスとヴァートも頭を下げた。
「いやいやあんまり褒めないでよ〜」
「…ごめんセリア。私部屋に戻るね?」
「え?うん!また後で!」
振り向き、歩き始めた薄ピンク髪の女性。ヴァートは焦りながら、大きな声で要件を話した。
「あの?!俺達推薦入学者で!良かったら今日限り、指導してくれませんか?!」
(4thランクなんて…多分勇者学校TOPだ!!)
「え?!推薦入学者って君達だったの?!後輩くんじゃん!アリシア?どうするの?」
「…じゃあ…教えて…」
「…はい?」
小さい声で呟いた[アリシア]は足を止めた。少し恥ずかしそうに顔を赤らめ、先ほどより少し大きな声で囁いた。
「今日指導したら…金髪の…ゆ、勇者様のこと…知ってたら教えて欲しい…」
「!はい!!教えます!!ありがとうございます!!」
(金髪の勇者様…!!ノアさんの事か!)
→勇者の中で金髪が入っているのは半分金髪のノアだけ
「助かります!!」
(金髪?ライトさんの事かな?)
→ホープラスは察しが良かった
「ありがとう!!え〜と?セリアさん!アリシアさん!」
(?金髪の勇者様?。っ?!もしかして好きなのかな?!多分ライトさんの事だよね…ライトさん…モテるんだ…)
→表情と察しの良さで気付いた
「はい!!名前覚えてくれて光栄ですが!改めて自己紹介を!私はワーミルス・セリア。セリアと呼んで下さい!」
薄水色髪の女性[セリア]。勇者学校特待生の一人。貴族の名を持つ彼女は生まれも育ちも貴族の家系。
「…私はエルタ・アリシア。好きに呼んで欲しい。」
薄ピンク髪の女性[アリシア]。同じく勇者学校特待生の一人。魔法の名家に産まれた彼女は、今は一人で生活している。[エルタ]は祖先の名前であり、過去。勇者として名を残した。
「宜しくお願いします。俺はヴァートです。」
「ホープラスです。」
「私アイス!!ねぇねぇ!!アリシアちゃんって妹いる?」
「…?いますよ?二人。」
「だよね!!やっぱりそうだ!!ファー村の魔法学校通ってるよね?私同期だよ!!」
「?!本当ですか!…楽しそうでしたか?」
「うん!友達多かったし!」
「…なら良かったです。」
少し笑顔になったアリシアは目を下に落とし、苦笑いをした。横目で見ていたセリアは少し気まずくなり、話を逸らす。
「そうだ!!分からない事なんでも聞いてよ!!スキルや魔法や最前線の事でも!私とアリシアは何回か戦場出てるからさ?」
無理やり話を逸らしたセリアにアリシアはボソッと呟く。勇者学校特待生との対面により、推薦入学者の中でヴァート、アイス、ホープラスは少しリードした。
次回「特待生」
他の推薦入学者達
ゴード→王宮内
「ここどこだ?!?!」
リーラ→王宮庭
「って事なんですよ!(急がないと…)」
ミール→王宮庭
「大変じゃん(*⁰▿⁰*)勇者様探さないと!(*'▽'*)」
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