第三十八話「8人」
前回…ヘルアと模擬戦を行ったヴァートはヘルアに敗れ、倒れてしまう。目を開けると、アイスが心配しており、ヘルアとゴードはアイスの怒りに触れる。スキル[記憶]の発動条件を考えたヴァート達だったが、ヘルアとゴードは、朝までアイスの説教を喰らう事となった。
「…(?)」
「分かりました。では、リーラ様をご案内した際伝言をお伝え致します。」
「んん…(?)」
「ん?リーラじゃないか。何でいるんだ?」
「昨日眠ってしまいましたので私がお部屋に招いたんです。お知り合いでしたか?」
「あぁ。勇者学校の元特待生だろ?リーラと言えば[戦場のイカれ者]。…こいつが居なかったら、兵士も騎士も、特待生ですら壊滅してる。シャルは王国絡みの仕事が多いから、知らなかったかもな。」
「へぇ〜。流石推薦入学者様ですね。21でそんな実績を持つなんて…」
(………なるほどな?最近見ないと思ったら、推薦入学者になってたのか…)
「シャルも大概だろ…。…あっ!そうそう!ライトが推薦したんだよな?他の勇者候補は誰を推薦したんだ?」
(あのレベルだしな…どうせライトが適当に選んだんだろうけど…)
「…確か…ライト様が[リーラ様とミール様]、カイト様が[ゴード様とアルミネ様]、ゼロ様が[アイスとヴァート様、ホープラス様とエリック様]、エデン様が[ヘルア様とレーチ様]ですね。…アルミネ様とエリック様は推薦を拒否されましたが…」
「…ふ〜ん。ヴァート、アルミネ、ヘルア、エリックと言えば、剣士訓練所のTOP達だろ?アイスってのも魔法学校最短卒業者…なるほどな?なかなか良い所を選んでるみたいだな。」
(聞いた事ない奴もいたな。アルミネとエリックが拒否したのは痛い…)
「詳しいですね。私も王国外の知識を増やす様…善処します。」
「ん?いや良いよ。趣味みたいなもんだし」
(お?今のセリフカッコよくね?)
「ぅ…んん(…)」
「…よし!取り敢えず伝言頼む。俺は国王の仕事を手伝わないと行けないから」
(はぁ……戻るかぁ〜…)
「かしこまりました。では…」
「おう。ゲート/自室/」
バチッ…
シャルと話していた黒髪の男はその場で消えた。シャルが振り向くと、目を擦りながらあくびをする女性。リーラが起きていた。
「…?…なんで…(ここどこ…)」
「おはようリーラ様。起きてすぐで悪いが、これから王宮に向かおうか。」
「シャルさん?…はい。…行きます(昨日の夜から記憶がない…)」
第三十八話「8人」
王宮前
雲一つない快晴。登る太陽は国を照らし、ヴァート達はライトと共に王宮へ向かっていた。
「……」「……」
「ねぇ…ヘルアとゴードの元気がない様に見えるんだけど…何か知らない?」
「あ…はは…ごめん…知らないかも…」
「そっか」
いつもうるさいゴードが静かなことに、レーチは不思議がっていた。ヴァートが誤魔化しながらアイスを見ると、笑顔のアイスの目がジト目へと変わる。
「なに?」
「別に…」
(やっぱり怒ってるよな…後で謝っとくか…)
「…」
(アイスさん…怒ってる?ヴァートさんと何かあったのかな…)
「ライトさん!(*'▽'*)今日は何をするのかな?(*⁰▿⁰*)」
ホープラスが不思議に思う中、元気一杯のミールがライトに問い掛けた。ライトは少し考えると、笑顔を浮かべ答えた。
「着いてからのお楽しみ!」
「えぇ?!(*⁰▿⁰*)」
ワクワクするライトとミール。
不思議がるホープラスとレーチ。
落ち込むヴァートとヘルアとゴード。
未だに怒っているアイス。
各自様々な事を考えながら王宮へと辿り着いた。中に入る手前に、レーチは一人の人物を見つける。
「?。ライトさん!あの人は?」
「あぁ…[四葉のクローバー]だよ」
「へぇ?」
ライトは少し笑うと、王宮の扉を開けた。庭に立ち尽くす一人の人物を視界に入れたヴァートは、一つの推測を行った。
(情報が表示されない…勇者様なのかな?)
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アキラ自室
「あれ?」
王宮の扉を通った瞬間。ヴァート達はアキラのスキル[盤上]によって、アキラの自室へと移動させられた。驚いたヴァート達を見たライトは嬉しそうに笑い、隣に立つシャルとリーラに挨拶をする。
「おはよう。シャル。早いね」
「勇者様が遅いだけでは?」
「俺は勇者じゃない」
「私にとっては変わりませんよ。」
どこか聞き覚えのある会話をするライトとシャルを他所に、ミールはリーラに抱きついた。
「リーちゃん!!(*'▽'*)おはよう!!(*´∇`*)」
「おはようございます…(慣れないなぁ…これ)」
「リーラちゃんおはよう!」
「!。アイスさん!おはようございます!(びっくりした!)…あっ…んと…ご…ゴードさん!おはようございます。(汗)」
「…ん?あぁ。おは。」
「ぅ…(それだけ…)」
みんなが挨拶をしていると、椅子に座っていたアキラが手を叩く。
「みんなおはよう。早速だけど、上の方から今後の方針を受け取った。推薦入学者のみんなはよく聞く様に。」
「はい!!」
「うん。今日を入れて七日間君達には、特訓をして貰う。監督は誰でも良い。勇者パーティーは勿論。勇者学校の先輩、特待生。王国の兵士、剣士。シャル。国王側近から国王。事前にみんなには報告してる。好きなタイミングで休み、好きなタイミングで特訓。一人に固執しても良いし、みんなの意見を聞くのもありだ。それと、最終日に君達で二手に別れて模擬戦を行って貰う。終わり。解散!」
アキラが再び手を叩くと、目の前に[盤上]が出現した。
「?!あの!!」
困惑していたヴァート達が、質問をしようとした瞬間。アキラの[盤上]によって、推薦入学者のみが、王宮の外へと弾き出された。
「…」
「って事はつまり…」
「どゆこと?!」
「馬鹿。俺達に強くなれって事だろ」
「自由時間!!(*⁰▿⁰*)」
「…(模擬戦…)」
「…七日間の間に…自身を磨く事は勿論。時間の使い方によっては、差が大きく開く…。適した監督を見つける為の情報収集能力も必要ですね…」
「…なるほどな!!オッサン!ヴァート!!着いて来い!」
ホープラスの推測を聞いたゴードは、突然王宮に走り出した。
「当てはあるのか?」
「はぁ?国王一択だろ!!」
「…馬鹿だな」
走り始めたゴードは王宮の中へ消えた。
「…特訓…模擬戦…情報収集…」
「ヘルアさん?」
「なるほどな。」
「?!」
突然ヘルアはレーチを掴んで走り始めた。困惑するレーチは叫び、ホープラスはヴァートとアイスの手を取って、地面から生成したバリアで、高台へと移動した。
「うわぁ?!」
「何?!」
「ヴァートさん!アイスさん!聞いてください!!」
動きを止めたバリアは王国の半分を見渡せる程の高さになっていた。困惑するヴァートとアイスに、ホープラスは焦りながら、二人に話した。
「最終日の模擬戦!恐らく成績の良い四人を次の魔王軍との戦いに加える選別戦みたいな物だと思います!!早めに情報を得て、特訓は勿論!模擬戦の情報を手に入れておかないと、最前線の戦いに参加出来なくなります!!」
「えっ?!」
「!!。だったら!シャーちゃんの部屋に行こ?私が場所を知ってるから!」
「お、おう…ん?いや!シャルさんはさっき勇者様の自室に居ただろ?今行っても意味ないぞ!」
「あっそっか?!えっと〜〜〜」
「勇者学校に行ってみましょうか!!あそこなら情報が多いと思いますし!シャルさんは夜に会いに行けば良いですし!」
「!!分かった!そうしよう!!ホープラス!アイス!俺に捕まれ!!」
「?!はい!」「うん!!」
「手を離すなよ!!!」
ホープラスとアイスはヴァートにしがみつく。瞬時にヴァートはバリアの床を全力で踏み込んだ。
「勇者学校の方角は?!」
「ここから真っ直ぐです!!5km先の!白い屋根!!」
「大きい奴だな?!よし!」
ドンッ!!!!
ヴァートは全力でバリアの高台から飛び降りた。
「アイス!風!!」
「!!!。アイストルネード!!!!」
ブォン!!
追加の加速で、ヴァート達は勇者学校へ吹き飛んだ。
次回「勇者学校」
「………」
「どしたんすか?エリックさん?」
「ん?…別に…つまんねぇなぁ〜って」
「はぁ?!勇者学校に入ってすぐSクラスに入れたのにそんな不満出るんすか?!良い身分っすね!」
「…事実だからな…Sランクがそんなに凄いかよ。…あいつは?」
「ん?あぁ。関わらない方が良い…ってみんな言ってますけど、正直可愛いっすよね…気になるんすか?」
「はっ!誰が…まぁ異質な感じだよな…」
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「アリシアちゃん!話聞いた?」
「ん?」
「推薦入学者のとこだよ〜。私!先生になっちゃうかも!」
「あはは…セリアなら良い先生になれるよ…」
「!本当!!ありがとう!!」
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