第三十五話「休息」
前回、レーチの新スキル[盤上]によって、すべての勇者と推薦入学者は1stランク会議室に戻された。一方で新スキルに振り回されるヴァートは遂に、TOPランクの国王と対面する。その後ミールとゴードの発言により、ヴァートとアイス達は男女に分かれ、王宮の温泉に入る事になった。
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王宮 男風呂
「…はぁぁぁあ〜疲れが癒えるぅ〜〜〜」
「そうだね…ヴァートくんって、好きな女の子とか居ないの?」
「…いるよ」
「居るの?!どんな子?可愛い?王国に居る?」
「おいこらレーチ?質問攻めは良くない。」
「ライトさん!!手合わせ求めます!!」
「元気だねぇ…良いよ!楽しそうだし!」
「おし!!」
「ゴード…風呂で暴れるな。…ライトさんも…勘弁して欲しい。」
「んだおっさん!やんのか?」
「やらねぇよ。疲れ癒しに来たのに、何で疲れないといけないんだ?…レーチ?やめてやれ。」
「えぇ?!聞きたい聞きたい聞きたい!!お願い!!ヒントだけでも良いから!!」
「う…なんていうか…好きは好きだけど…レーチくんの考えてる好きじゃない…って言うか…」
「?好きって事でしょ?」
「そうなんだけど!!んん!!難しい…」
「髪の色は?身長は?どんな性格なの?」
「おいレーチ」
「…白髪の…俺と同じぐらいの身長…。元気で純粋な感じ…」
「言うのかよ」
「…?誰だ?!」
「今ので分からないならお前に恋愛の話は向かない。すまんなヴァートくん。無理やり気味に話して貰って…てか実質答えみたいなもんだけど…」
風呂で疲れを癒す推薦入学者。ライトは少し考え、立ち上がり、サウナへと向かう。
「…勉強熱心だね」
「!ライトさん!」
サウナに入ると、一人黙々と今回の戦いで得た知識をまとめ、イメージしていた黒髪の少年。[ホープラス]が座っていた。
「隣良いかい?」
「はい!…あの…質問良いでしょうか?」
「いくらでも?」
「!…灰色のローブを着た反勇者に心当たりはありませんか?」
「…あるよ。と言うか、彼は手配書に乗ってるからね。知らない方がおかしい。」
「…ヴァートさんとアイスさんに初めてお会いした時、二人とも森の中で倒れていたんです。…話を聞くと、灰色のローブを着た男が居たと…」
「…うん。」
「[勇者じゃないのか]と、言っていたそうです…今日の王国襲撃の最後に、僕も灰色のローブを着た男を確認しました。…僕を…いや…ラペンさんを見ていたような気がします。」
「…つまり、何者なのか知りたいわけだね?」
「…はい。自分たちの身を守る為でもありますし……。…ごめんなさい。嘘をつきました。ラペンさんと魔王軍幹部を倒した後、灰色のローブを着た男が路地裏に入るのを見たんです…最初は…民間人かと思って近付いたんですけど…嫌な雰囲気がして、咄嗟にラペンさんに報告したのですが…その時には、僕は試練の外側に居ました。」
「…」
「彼は何者で…何のために、僕を試練の外に出したのか…いくら考えても、理由が分からない…だから!教えて欲しいです!」
「…ふぅ。良いよ。」
「!」
「まず大前提として、奴は反勇者派じゃない。正確には、第一魔王軍幹部[嘘奪の魔神]と言う名で活動している。そして…彼は…過去、勇者パーティに属していた、一人の人間だった。」
「?!勇者様が?!」
「ああ。勇者名[遊戯の勇者]…最古参の勇者パーティ…ゼウスさん、アキラさん、ノアさんとパーティを組んでいた。この話は、[始まりの勇者]の話より、ずっと前になる。だから!僕に話を聞いても、多くの情報は望めない。これ以上の情報を求めるなら、さっきの三人の勇者に聞くと良い。」
「!ありがとうございます!!」
「うん。そう言えば!レーチくんが今、恋愛話に夢中みたいだから、気晴らしに行ってみると良い。ヴァートくんも、話していたよ。」
「アイスさんの話ですか?」
「ああ。」
「…気晴らし…そうですね。行ってきます」
「うん。いってらっしゃい」
ホープラスがサウナの扉を開けると、レーチが好きな女の子の事を話していた。扉が閉まり、一人残った[光の勇者]は大きくため息を吐いた。
「早く戻ってきて下さいよ…」
第三十五話「休息」
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王宮 女風呂
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ(*⁰▿⁰*)ルーちゃん大人の体だぁ!!(*'▽'*)」
「そうか?」
「うんうん!!良いなぁ!脱いだら…大きい…シャーちゃんって着痩せするタイプ?!」
「普段はサラシを巻いているからな。その方が動きやすい」
「普段はクールで脱いだら凄い…(*⁰▿⁰*)男の人もイチコロだね(*☻-☻*)/」
「私はともかく、リーラ様も凄い魅力的だと思うぞ?」
「Zzz…(…)」
「わかる!良いなぁ…私も綺麗になりたいなぁ…」
「アイスは十分綺麗だぞ?」
「そーだよ!(*'▽'*)リーちゃんもスーちゃんも凄く可愛い!!(((o(*゜▽゜*)o)))♡」
「そうかな…」
「ふふっ…お世辞でも嬉しいぞ。…ミール様は王宮に来てから体調はどうだ?」
「?( ・∇・)楽しいよ!(*'▽'*)」
「そうか…普段こう…ゆっくり話す機会がなかったからな…リーラ様は寝ているが、少し女子トークでもしようか?」
「賛成!(*⁰▿⁰*)みんな好きな人いる?(*´꒳`*)」
「ゔ…」
「好きな人か…そうだな。多く居るが…ライト様、ジョーカー様と一緒になる機会が多いから、好感度を並べて見ると、二人が"好きな人"と呼ぶに適しているだろう。」
「カッコいい…」
「ライトさんとジョーカーさんかぁ〜(*´ー`*)ジョーカーさんはよく知らないけど、ライトさんはお似合いって感じだよ?(*´∇`*)結婚したいとか思う?\(//∇//)\」
「結婚か…すまない…考えたこともなかった。立場上勇者様方は500歳以上歳上だからな。それに私が勇者様と結ばれる事は…恐れ多い。」
「大丈夫!!(*'▽'*)恋愛に年齢も立場も身分も関係ないんだから!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ」
「ふっ…そうだな…。ミール様はどうだ?探している人は見つかったか?」
「?」
「う〜ん…見つからないかな…でも大丈夫!(*^▽^*)私は必ず"彼"と結婚するので!(*´꒳`*)」
「そうか…」
「?ミールちゃんって婚約者がいるの?」
「婚約者じゃないよ…好きな人!(*´꒳`*)…まぁまぁ!(*´∇`*)私の話は置いといて!(*・ω・)ノスーちゃんとヴァートくんと話が聞きたいな!!(*'▽'*)」
「?!なんでヴァートが出てくるの?!」
「違うのか?」
「ぅ…ぅぅ」
「可愛い!(*'▽'*)」
「わたしはべつに…すきっていうか…なんというか…」
「結婚したい?(*⁰▿⁰*)」
「ゔ…けっこん…まぁ…できるなら……でも…」
アイスは後ろを向き、赤くなった顔を隠した。
「わたしとヴァートは…"家族"だから」
「…そうか」
「結婚したら家族のままじゃん!(*'▽'*)」
「…ミール?複雑な心境だ。時間を待ち、ゆっくり考え、悩み、…いつかアイスも答えを出す時が来る。」
「…?駄目だよ!」
シャルの言葉に反応したミールは立ち上がり、大きな声で否定した。びっくりしたアイスは振り向き、ミールの顔を見て、何処となく"悲しさ"を感じ取った。
「時間をかけるのは駄目。その好きな人が!…いついなくなるか分からないから…。スーちゃんはもっと強引に行くべきだよ!幼馴染なんでしょ?!…好きなんでしょ?!…私は…スーちゃんに辛い思いをして欲しくないからハッキリ言うよ!!好きな気持ちを我慢してたら、失った時…必ず後悔する。」
「…」
「…私と同じ道は歩んで欲しくないから」
「…すまない。ミールの意見も一理ある。一部の勇者様も、好きな人を失う辛さについて言及していた。だが私は…人には人のタイミングがあると思う。…時間をかけるのではなく、時間を待つ。私も、失う事についての絶望は、理解しているつもりだ。…アイス。」
「…」
「複雑な気持ちは、多くの人に理解出来ない感情だ。私達は、家族を恋愛対象として見る事が出来ていないから。ただ、一つ助言をするなら、タイミングを逃さない事。時を待ち、好機を打つ。…自分の感情に嘘をつき続けるのは、辛い事だ。」
「……うん…ごめん。大きな声出した。…」
「大丈夫だ。…そろそろ私は上がるとしよう。もう遅いが、今日はゆっくり休め。リーラは私が運ぶから、アイスとミール様は、ライト様と合流してくれ。」
「…スーちゃんごめん。でも大丈夫!!(*⁰▿⁰*)私はスーちゃんを応援してるから!(*'▽'*)」
「うん…」
お風呂から上がったシャルは、リーラを連れて自室へと向かった。数分後、風呂から上がったミールとアイスは、外で待っていた男性陣と合流する。ヴァートに手を振り、横を歩きながら。アイスは少し考えた。
(好機。…私は今まで、何回逃してきたんだろう。)
「どうした?アイス?」
「?!何でもないよ!何?心配してくれたの?」
「は?!別に…」
「顔真っ赤だよ?可愛いぃ〜」
「…んだよ…」
「…」
(本当に可愛い…好き。大好き…。…ヴァートと結婚したい。結ばれて、好きって言ってもらって、頭撫でて貰ったりして…)
「お!アイスみろよ!!」
「何?…!!!」
ヴァートが声を上げ、空を指差す。みんなが空を見上げ、キラキラに光る星を、夜を照らす大きな満月を、視界に入れた。
「綺麗」
(私もヴァートに…)
「だろ?」
「…」
(好きって…言ってみたりして…)
次回「二日目」
グレー寝室
「…」
「んん…グレーさん…次は負けません…zz」
「グレー様。グレー様グレー様…」
「あ?!ここ何処や?!」
「あっ…サオ…おはよう」
「グレーさん?!ぁ〜ホンマすまんかったな。自室戻るわ。」
「待って」
「ん?」
「トパーズ降ろしてほしい…」
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