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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第二十九話「規格外」

前回。各地で起こる不自然な事の数々。気付く者、混乱する者。そしてホープラスは二人の兄弟と出会う。


数分前……


北東部。ラペン&ホープラス


魔王軍幹部見習いの[カルラ]との戦闘中のラペンは攻撃を避けながらホープラスと会話していた。


「つまりこの様に、至近距離に来られたらどうするか。バリアで防ぐにしても体力の消耗とタイムラグが存在する。」

「ペラペラと…」

(攻撃が当たらない…にしてもスキルは範囲効果だ…いずれこいつにも聞いてくるはず…)

「故に体術。最も難しく、扱いやすい体で最適な行動だ。基本バリア使いの戦闘は、懐に入られたら終わり。ただ体術を持ってすれば…」

(来た!!)

話している途中のラペンの体が少しグラつき、右膝を地面に付ける。機会を狙っていたカルラはすぐさまナイフで首を狙った。


「ラペンさん?!」

カルラのスキル[範囲麻痺]で地面に倒れていたホープラスはその体制のままカルラに向かってバリアを生成する。しかし、


「大丈夫だよ!ホープラスくん!!」

「?!」

首元のナイフを瞬時に掴み、一回転。カルラの手から落ちたナイフは地面に落下。そして


ほんの瞬きの一瞬。目にはカルラを拘束しているラペンの姿があった。

「?!効いてないのか?!」

「正解!ブラフだよ」

バリアの手錠で拘束し、足にも枷を付ける。離れると同時にホープラスのバリアがカルラを閉じ込めた。


「[範囲麻痺]同じ空間にいるだけで体が麻痺する非常に強力なスキルだ。だがそれもバリアで閉じ込めれば無能力者と同じ。」

「負けだ…最後に教えろ…なぜお前には効かなかった?」

「?あぁ!よ〜く目を薄めて見てみたら分かるよ。あ!でも今はバリアの中にいるから見るにも見えな…」

「なるほどな…」

カルラは満足した顔をし地面に倒れた。


「目が判別出来ないほどの薄いバリアの層を身体に貼って守っている訳だ。だからナイフも麻痺も当たらない。」

「!!やっぱり、3ランクともなると見破って来るんだね。楽しかったよ」

「こちらこそ」

カルラがスキルを解除し、ホープラスは体を起き上がらせる。


「潔いい相手でしたね…」

「まだふらつくだろ?無理は良く無い」

「いえ…体の麻痺は彼が治してくれたみたいです。」

「……負けた礼だ。」

「情報になかったが…まさか異常回復魔法持ちとは…」

「あの!」

「?」

「ありがとうございます!」

「………?!」

「ホープラスくん。次は東部に移動だ。応戦に行こうか!」

「はい!」

二人はそのまま走って姿を消した。バリア越しに空を見上げるカルラはクスリと笑い呟いた。


「入る場所…間違えたなぁ」



       第二十九話「規格外」


そして現在…


「ホープラスくん!!何処だ!!」


奇妙な事


「「は??」」


違和感


「なるほどな」


その答えを笑いの勇者ジョーカーが見出した。


「つまりこの空間は王国全土を飲み込んだ巨大な[試練]と言う訳だ。」

「そんなことあり得るんですか?!」

「うん。ただごく一部に限る事だけどね。少なくとも…規格外の力を持った者が王国に来てる…」

(ただ…この推測が正しいとした場合。全勇者と元魔王軍幹部までもが瞬時に気付かない程の精密な試練…)

「なるほど…ライシはこれを読んで…」

「ジョーカーさん!!」

「!何かな?」

「ヘルアを探しましょう!!彼なら試練を破壊できます!!」

「ならカイトも探そうか!会議は30分前!まだスキルを使える時間だ!」

「了解です!!」


--------------------


王宮地下監獄前


「[俺]が簡単に通すと?」

「まさか試練から逃れる者がいるなんて…」

「僕も参加して良いかな?」

「?!」

「ラック!!」

「へぇ?!めちゃくちゃ強いね!君!」

「二人も…」

「簡単な話だよ!試練の中で試練を発動して相殺したんだ!!狙った訳じゃ無かったけど…試練の中にいたなんて、正直度肝を抜かれたよ!」

「よく喋るな…」

ブラッドは左手の剣を握り、二人に警戒する。しかし、


「ラック?!お前!!」

「争う気は無いよ」

牢獄の鍵をブラッドに投げ、笑いながら話す。


「…なんのつもりだ?」

「つもりも何も…言った通りだよ。争う気は無い。助けに来たんでしょ?反勇者達を。」

「…」

「ここで争えば、国民に被害が出る。それは避けるべきだろ?ライシ」

「お前にしては上機嫌だな。」

「当たり前じゃ無いか!!次期魔王の素質を持った者が!目の前にいるのだからね!名は?」

「…ブラッド」

「…良い名だ」

「くそ…分かってる」

「うん」

ライシとラックは監獄前を離れた。残されたブラッドは鍵を持ち、扉を開けた。



次回「解放」

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