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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第二話「旅立ち 前編」

【ファー村】10年後


「ヴァート!おはよう!起きなさい!!」

▶︎ヴァートの母【エルダ】

部屋の外からお母さんの声が聞こえる。


「はーぃ…起きたー」

▶︎黒髪の少年【ヴァート】

寝起きのヴァートは目を擦りながらゆっくりと立ち上がり、両手で頬を叩いて気合いを入れた。


「やっとこの日が来た!」

嬉しさを隠せないヴァートはすぐに周りを見渡す


「?…あれ?アイスは?」

いつもなら横で透き通る様な白い肌と白い髪の少女が横になっているのだが…

アイスの布団は綺麗に畳まれており、昨日準備した旅立ちの鞄も無くなっている。


バン!!

部屋から慌てて出てきたヴァートを見てエルダは笑いながら言った。


「アイスなら、今日魔法学校の卒業式でしょ?早く旅の準備しないと、そろそろ卒業式が終わるわよ。」

魔法学校とはマナ適合者のみが通える学校だ。本来なら25歳で卒業出来る学校をアイスは15歳と言う若さで卒業した。


「旅の準備は終わってるよ。と言うかアイスが持っていったんだ!少し早いけど出発するよ!」

「寂しくなるわね…」

「ゲー…母さんらしくない。息子としては元気に送り出されて貰いたいもんだね!」

その瞬間ヴァートにエルダの魂のこもった一撃が背中を押した。


「イ!!って?!?!」

ヴァートはすぐさま振り向くとそこには、エルダが涙を浮かべたまま笑顔で立っていた。そして…


「いってらっしゃい!!」

力強く発された言葉の中に悲しさも紛れながらエルダはヴァートを送り出した。次会うときは勇者になった時だ。何年掛かるかな…いや。何年かかっても!


「行ってきます!!!」

勇者になってまた戻ってくる!ヴァートは気合いを入れて小屋を出る。ここから始まるんだ。夢への第一歩!力強く振り上げた右足が地面を踏み込もうとした瞬間…


「アイスロード」

地面は凍り、右足の代わりにヴァートの顔面が地面を踏み込んだ。


「ウベッ」

      〜〜〜第二話 旅立ち〜〜〜


賑やかな村、青く澄み渡る空、ファー村

小屋の屋根に座っていた白髪の美少女は腹を抱えて笑っていた。


「あはははは!ウベッw!ウベッw!ってww」

▶︎白髪の少女【アイス】


「アイス…魔法学校の卒業式はもう終わったのかよ」

「あははは!お腹痛いw!死んじゃう〜w」

質問に答えないアイスの服には魔法学校卒業式時に貰えるガラスの花が付いてあった。 


「はぁ…さっきまでのムードが台無しだ。華々しい夢の第一歩が、まさか顔面になろうとは」

「えへへ。ごめんなさい!!イジワルしたくなっちゃって!怪我してない??治してあげる!」

「怪我はしてないけどさ?かなり痛い…」

「……フヒッw」

「なんだよ…」

「鼻。赤くなっちゃて可愛いぃ。」

「うるさいな。…そろそろ行くぞ!」

「はぁあーい」


鼻の赤くなった少年と笑顔の絶えない少女は歩き出した。


約束した日から10年が過ぎた。アイスはマナ適合者だった為魔法学校へ、ヴァートは兵士訓練所で稽古をつけて貰っていた。互いに最優秀成績を叩き出し、2人とも飛び級で王国にある「勇者学校」への進学が決まったのだが、


「ねぇ。ヴァート?王国ってここから遠いのかな?」

「わかんね。地図とか持ってないし、取り敢えず近くの村に行って情報集めないとだな。」

「近くの村だとカンド村かサード村だよね?」

「だな。確かサード村には酒場があるからそこで情報集めようぜ。」

「酒場ってあそこの?!懐かしいね!」

「うるさいな…」

以前サード村にヴァートとアイスはこっそり訪れていた。その時、お茶だと思って飲んだものがお酒だった為ヴァートはその日、アイスに背負われて帰ったと言う苦い思い出がある。


「取り敢えず、最初の目標はサード村での情報収集だな。気合い入れるぞ!」

「おーー!」




各して2人の旅は始まった。目指すはサード村。サード村に向かう途中ヴァートとアイスはトラブルに巻き込まれる。



次回「旅立ち 後編」

ヴァート(15歳)剣士

アイス(15歳)魔法使い


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次回は1週間後に出します!

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