第二十一話 「勇者」
前回。推薦入学者とカイトは模擬戦を行った。ミールのスキル[魅力]により、カイトは行動不能。推薦入学者の勝利かと思われたのだが、カイトがスキルを発動し、ヴァート、ヘルアを行動不可に追い詰める。アイス、ゴード、リーラ、ミール、レーチはこのピンチをどうこれ乗り越えるのか?!
「?!」
(おっさんが消えた?!いや…これもあいつの…)
ドガンッ!!!!!!!
「「「「「?!」」」」」
(?!何のお)
「残り5」
「?!」
動けないゴードの目の先に石を拾うカイトが映る。
「次はお前だ。これをどう避ける」
「?!」
投げられた石は2つ。ゴードは必死に体を動かし、一つを避け、もう一つを左手で受け止める。
「オラァァァァ!!!!」
しかし。
「ぁ?」
次の瞬間。ゴードの左腕は吹き飛び、左腹部に穴が空く。
ドカンッ!!!!!!
貫通した石は森の木を破壊し、数十キロ先の山に激突した。
「?!?!」
(助けなきゃ)
「ードくん?!?!」
動ける様になったリーラは一目散に倒れたゴードの元へと走る。
「3」
同時にレーチが地面へと倒れた。アイスは口に意識を向け、魔法詠唱を行う。
「……ァィスフィールド!!」
途端。辺り半径30メートルに雪が降り始める。アイスを視界に映したカイトは瞬時に地面に手を当て、呟いた。
「破壊」
パンッ!!!!!!
「えっ?!」
「スキルなしでその実力か。」
「魅力!( ・∇・)/」
カイトの背中をミールが触る。しかしそれも意味を為さなかった。
「能力無効。同じ技を使う事はオススメしない。」
「?!」
「やりすぎだ。後輩。」
音もなく聞こえた声に。カイトは目を開く。背後にある4人の気配と森の中に1人。1人はライトの気配。残りは…
「!!」
「楽しそうじゃん。私も良い?」
「はっは!良いよ〜?暴れても!守るから」
「ちょ?!勘弁して下さい?!?!」
「後輩。限度を考えられないのか?」
第二十一話「勇者」
「ん〜。時間にして5秒かな?ライト。腕を上げたね。」
銀髪の男性。名は[ラペン]。銀色の瞳を持ち、優しい顔立ちをしている。身長は190cm程。
「あざす!!!カイト!殺してないだろうな?!」
「大丈夫。みんな平気だよ」
森の中からヘルアを担いで現れたのは薄緑色の髪をした少女。名は[ヒーリェ]。緑色の瞳で辺りを見渡し、笑顔で話す。
「手加減したんだね。偉いじゃん。良い子だね」
「あ…あ?」
「傷が?!」
「傷。大丈夫だよ。私が来たから。強いんだね」
倒れていたゴードは立ち上がり、身体を確認する。傷はもちろん、吹き飛んだ筈の左腕と穴の空いた左腹部すら再生していた。同時に倒れていたレーチと立ち尽くすヴァートも目を覚ます。
「あの…そろそろ下ろして貰っても?」
「あ。ごめんね。恥ずかしいよね」
「後輩。勇者の本質を忘れるな。殺さないからと言って他者を傷つける行為は犯罪者の言い訳と同じくらいタチが悪い」
金と白の短髪。銀色の瞳をした男性[ノア]は睨みつける様にカイトを見た
「すいません」
「謝って済む問題じゃない。処分は魔逃れないぞ」
「良いじゃん。そんぐらい。キレてるの?」
「キレてない。黙れ」
「キレてるじゃん」
白髪の短髪。その見た目はヴァートの幼馴染。アイスと瓜二つ。名は[アイリス]可愛い見た目から放たれる言葉には感情が含まれていない。
「アイスが二人?!」
「私?!」
「……」
そしてまた一人。森の中から出て来た少年はヴァートとアイスに声を掛ける。
「ヴァートさん!アイスさん!」
聞いたことのある声に二人は目を見開いた。視界に映る黒髪の少年は元気に手を振りながらラペンの後ろから現れる
「「ホープラス?!」」
「ただいま!!!」
「おっ!そっか!話してた二人だな!じゃあ特訓はまた今度だな!!」
「はい!!ラペンさん!ありがとうございます!!」
「いやいや」
ホープラスは二人の元に走り出す。ヴァートとアイスもホープラスの元に走った。
「大丈夫か?!」
「うん!!おかげさまで!!いろいろ迷惑掛けてごめんなさい。」
「いいよそんな事!!無事で良かったぁ〜〜」
二人はホープラスにくっ付き頭を撫でる。
「…良いなぁ。」
「?アイリスも撫でられたいか?」
「撫でてくれるの?」
「!その役目は俺じゃないな!な!」
「何で俺を見る。」
「良いじゃん。私も撫でて良いかな。」
「いいよ」
「やった」
ヒーリェはアイリスの頭を優しく撫でる。下を向くアイリスは少し微笑んだ。
「はぁ。話を進めるぞ。まず後輩。後輩の処分は上が決める。後輩の後輩は俺達に着いてこい。これから王宮に向かい、全勇者パーティーと王が参加する会議に立ち会って貰う。準備が出来次第出発だ。」
「あっ!ノア?言い忘れてたけどゼロは参加出来ないよ。」
「は?」
「今試練を…」
会話するノアとラペンを遮り、ヴァートは声を上げた。
「いやいやいや!!!」
「何だ?」
「全勇者パーティーって?!俺達今から全勇者と対面するんですか?!?!」
「?そう言ってるだろ?」
「……!」
(勇者と…)
「会える!!」
「…」
昔聞いて、憧れ、夢見て、約束した[始まりの勇者]の物語。
人は違えど、勇者にある事に間違えなく、勇者に会える事自体。ヴァートを含め、全推薦入学者にとっての夢でもあった。
「アイス!!今日会えるぞ?!」
「うん!!!!」
「どんな人達何だろう?」
「勇者候補があれなら勇者はイカれてるだろうな」
「口を慎め。ゴード」
「楽しみだね〜(*'▽'*)」
「……(疑問)」
興奮する推薦入学者にホープラスは笑顔で話した。
「みんな?この人達も勇者何だよ?」
「「「「「?!?!」」」」」
「いや…分かるだろ…勇者様連れてくるって言ってたし。」
「うん(え?知らなかったの?)」
ホープラスとヘルア、リーラを除く5人の推薦入学者はそれはそれはとんでもない顔で驚いた。
「ねっ?面白いでしょ?」
「気付いてなかったのか!!ハッハッハ!!面白い!」
「そう言えば名乗ってなかったね。ごめんね。可愛いね。」
「うん」
「5分以内に準備しろ。後輩の後輩。お前達に」
「現実を見せてやる」
次回「勇者パーティー その1」
勇者に呼びかけるライト
ライト
「あの?!?!誰か今すぐに来てくれませんか?!」
(カイトスキル発動から0.3秒後)
ラペン
「ライト?久しいな!!」
ノア
「どうした後輩?」
ヒーリェ
「懐かしいね。嬉しいな。」
アイリス
「うるさいわね…」
1秒経過
???
「どした!!エンドが復活したか?!?!」
シャル
「フッ…」
???
「だとしたら笑えない。」
???
「ウゼェから死ね」
2秒経過
グレー
「俺が行くよ!ライトくん!!」
???
「グレーさんが行くなら俺も!」
???
「私も!!」
???
「私も行く!!」
3秒経過
エデン
「ライト?。久しぶり!。」
???
「あぁ!!何と素晴らしい!!鍛え抜かれた体に心!見た目の良さ!あれで勇者じゃな」
???
「もう喋るな。うるさい」
4秒経過
ライト
(一番まともかつ、面倒ごとにならない人は!!)
「行きますよ!!!!」
ノア
「は?」
ラペン
「え?」
ヒーリェ
「わぁ」
アイリス
「わぁ。」
4.5秒経過
ヒーリェ
(なるほど)
ライト
(?!)
5秒経過
ノア
「やりすぎた。後輩。」
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