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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第十九話「戦略」

前回。もう一人の勇者候補「カイト」から唐突に告げられた模擬戦。7対1のハンデはあるものの、相手は勇者と肩を並べる最高戦力の一人である。推薦入学者のヴァート、アイス、ヘルア、レーチ、ゴード、ミール、リーラは作戦会議をする事になるのだが…

「…………」

「どうしたの?ヘルア?」

「おかしい…」

「?」

20分前。勇者候補のカイトから唐突に告げられた[模擬戦]。猶予はあと40分しかないのだが……


「冷たーい!!(*≧∀≦*)」

「おら!死ね!!」

「クソ!やったな〜」

「あ…さかな(楽しい)」

「気持ちいいぃ〜〜」

流れる水。涼しい風。森の中にある広い川の中で五人の推薦入学者は生き生きと遊んでいた。


「ヘルアは行かないの?」

「俺を何だと思ってるんだ?…お前こそ以外だな」

「以外も何も…泳げないし」

「なるほどな…」

「ヘルアも泳げなかったりして!」

「投げ捨てるぞ?」

「ごめんて」

岩に腰をかけ、楽しむ五人を見守るヘルアとレーチ。


「ゴードって。あんなはしゃぐんだねー」

「なぁレーチ?」

「ん?」

「今回の模擬戦。お前には後方指揮を頼みたい。」

「嫌だ!!っていつもなら言うけど…後方指揮?」

「あぁ。ここにいる七人が勝つための最善策だ。」

「勝つためって…本気?相手は勇者候補だよ?」

「お前は負けると思うのか?」

「……分かんない」

「じゃあ大丈夫だ。相手は一人。俺らは七人。ライトさんの様なスキル。[能力無効]や[光速]は知ってても防ぎようがないが、あんなスキル…滅多に存在しないからな。」

「勇者候補何でしょ?めちゃくちゃ強いスキルがあってもおかしくないと思うけど?」

「確かにな。だが…一つのスキルはもう分かってる」

「まじ?!」

「恐らく情報関係のスキルだ。言ってたろ?五つのスキル名。あの中には俺とレーチ、ミールのスキルも入ってた。」

「ライトさんが話したんじゃないの?」

「かもな。確定はしてないが…もし情報関係のスキルなら。俺たちの自己紹介を遮ったのも納得が行く。」

「あ!確かに!不自然だったよね!!」

「それに、あのライトさんだぞ?ペラペラ情報話すより、初見の反応を楽しむ方が似合ってる。」

「確かに…でも…スキルが解ったところですごい身体能力があるかも知れないよ?」

「それは大丈夫だ。コッチには[近接最強]のゴードと俊敏かつチートスキル持ちのミールがいる。ヴァートくんとアイスくんの実力は分からんが、ゴードよりも早く試練をクリアして事は確かだ。」

「おお!」

「最悪怪我人が出てもリーラが回復してくれる。どうだ?まだ不安か?」

「いや…なんか勝てるかも!」

「おう。なんだかんだでお前のその言葉が一番心強い。」

「…えへ」

「…んだよ」

「なんか…初めて褒められた?」

「…とにかく。残り35分しかない。レーチ?」

「分かってるよ!みんな呼んでくるー!」

「おう。」


         第十九話「戦略」


「と!言う事で!ヘルア考案!対勇者候補攻略作戦を伝えたいと思います!考案者のヘルアさん!!どぞ!!」

「殺すぞ?」

「すいません…」

「はぁ…作戦を伝える。」



前戦 ゴード ミール ヴァート ヘルア


後方 アイス リーラ レーチ



「前戦はフリーで攻めるゴードとミールを軸に俺とヴァートくんはカバーに回りながら戦う。アイスくんには可能なら後方からの魔法で援護して欲しい。怪我を負った者は交代制でリーラに回復をして貰う。レーチは隠れてろ。」

「フリー!分かってんじゃねぇか!!おっさん!」

「おっさん言うな」

「私も自由?( ・∇・)」

「ああ。一言言うとミールは俺達が勝つ為には必須な人材だ。可能な限り前戦の離脱は避けて欲しい。」

「了解〜!<(*'▽'*)」

「アイス?援護射撃とか出来るか??」

「やった事ないけど…氷の壁とかなら…ホープラスと違って魔法の遠距離生成には時間がかかるけど頑張る!」

「よし!ヘルアさん?カバーって実際どんな事をしたら良いですか?」

「カバーと言っても基本フリーだ。なるべくヘイト誘導とゴードとミールに対する攻撃の防御を徹底してくれ。」

「了解です!」

「わ…私は…(疑問)」

「リーラは基本レーチと一緒に居てくれ。頼りにしてる。」

「僕は戦わなくて良いの?」

「そうだ。隠れて逃げろ。お前の得意分野だろ?」

「任せて!」

「それと、この戦いに勝ったらなんか奢ってやる。お前は勝った後の事を考えてろ」

「本当に?!分かった!」

「よし!残り20分。作戦会議は終わった。後の時間は…好きに過ごせ。」

「しゃー!!続きだ!ヴァート!!」

「やってやるよ!!」

一目散にヴァートとゴードは川に飛び込んだ。各々別々の行動を取り、カイトとの模擬戦に備える。


「ねぇねぇ!スーちゃん??(*^▽^*)」

「ヒッ!!ど!どしたの??」

「久しぶりにスキル使うから残り時間で練習したいの!!(*'▽'*)付き合ってくれないかなぁ?( ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

「い…いやぁ…え??そんな事?」

「どうかなぁ( ´ ▽ ` )」

「そのぐらいなら…良いよ!」

「やったぁ!(※●-●※)/〜」

ミールはアイスの手を取り、じっとアイスの目を見る。


「………」

「………」

「………」

「…ぇっと…」

「………」

「…ミールちゃん……?」

「………」

「……ぅ…」

(恥ずかしい…)

「…スーちゃん……」

「…?」

「どうしよう!(*'▽'*)スーちゃん可愛くて凄い!(//∇//)」

「もう!!スキルは!!」

「そうだった!!Σ(*⁰▿⁰*)スーちゃんごめんね?(*´-`)」

「…もぉ…」

「そうだ!スーちゃん?( ・∇・)」

「?何?」

「私のスキルって、発動条件が沢山あるんだけどどれが良いとかあるかな?( ・∇・)種類によって効果も変わるんだ!(*^▽^*)」

「…条件が分からないんだけど…」

「じゃあ!私の好みで良いかな!(*'▽'*)」

再びアイスの手を握るミール。指の隙間に指を入れ、アイスの顔に顔を近づける。


「……!ミールちゃん?!?!」

「………」

繋がる指の脈拍が聞こえる程。ミールは集中していた。森のさざめき。流れる冷水と小石。アイスの体温。呼吸。心音。


「ぁの……」

「ごめん…スキルだから…」

白い髪に隠れた左耳を右手で触りながら小さい声で囁く。

瞳に映るアイスの目。上がる体温と呼吸。早くなる心音。


「大丈夫だよ…スーちゃん…」

「………ぁ」

「大丈夫…大丈夫…」

「……ぅ…」

アイスの耳に触れる指。ゆっくりと後ろに回し、ボーっとするアイスの頭を撫でながら、ゆっくりと下に降ろし、ミールは胸で受け止める。


「………」

「大丈夫…大丈夫…」

「………」

「疲れてるでしょ……わかってるよ…」

「………」

「全部分かってる……」

「……ぁ…」

「ずっと…想ってるから……」

「………」

魅了(チャーム)

「………」


        〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「………はい!終わり!!(*'▽'*)」

「……え?」

「終わったよ?スーちゃん!(*^▽^*)」

「あっ……」

(なんだろう…感情が…)

目が覚めると笑顔のミールが目の前に座っていた。頬を伝う涙。アイスは立ち上がるとミールの頬をゆっくりと拭った。


「(*'▽'*)?大丈夫?スーちゃん?( ・∇・)」

「…あれ?」

ミールの頬には涙は流れていなかった。柔らかい頬。小さい顔。アイスは戸惑うと同時に涙を流しているのが自分だと気付いた。


「あれ?…なんだろう…」

溢れ出る感情。関係のない事なのに脳が生み出す心の本性。


「…う……」

伝えたい想い。ヴァートに。この感情を…


「なんで?…なんで今なの?…」

ヴァートと出会い12年間隠して来た心の想い。アイスの脳は[好き]と言う感情で溢れていた。


「…私は…」

「はい!おしまい!!(*'▽'*)」

突然ミールが手を叩く。それと同時に、溢れかえっていたアイスの感情も一瞬で消えた。


「……え?」

「おしまいだよ!( ・∇・)どうだったかな?(*^▽^*)」

「ミールちゃん…」

「なになに!(*'▽'*)」

「今の[魅了(チャーム)]の効果って…」

「(*^▽^*)!愛が溢れ出る[溺愛のチャーム]だよ!(^ー^)」

「!!!!!!!」

「発動条件が多いし、時間もかかるけど!私はこのチャームが一番好きなんだぁ\(//∇//)\」

「今後!!私で!!スキルの!!練習!!しないでーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

アイスは真っ赤になった顔を手で押さえながら走り去った。


「( ・∇・)…やりすぎちゃった!(*'▽'*)」



       〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「残り10分…」

「おいカイト!骨は折るなよ!」

「"軽く"実力を測る"だけ"って何度も言っただろ。」

「だから!信用出来ないって!!」

「?」

「はぁぁぁ…じゃあ。ハンデをお前に付ける。」

「それは必要な事なのか?」

「必要だ!……スキルの使用禁止」

「……は?」

「破ったらお前の負けな?骨を折ってもお前の負け!」

「まて」

「お前がこの条件を守って勝ったら…今度の大型任務はお前に譲る。」

「?!」

「どうだ?負けたらこれは無しだ。やるか?」

「ライト…俺をなんだと思ってるんだ??はぁ…そんなに美味しい条件を…俺が見逃すとでも?」

「知ってるさ。」

「…良いだろう。今回の模擬戦。俺はスキル無しで戦う。それはそれで楽しめそうだしな。」

「…確かにな。時間だぞ?」

「あぁ。久しぶりに…楽しんで来よう。」

森に触れる風の勢いが強くなる。冷たい突風はカイトとライトの肌を撫でる。


「アイスくんか!」

「魔法の応用。あの若さでここまで出来るとはな。」

「………だな!!!アイス!!!!」

突風に紛れてゴードが森から姿を表す。約束の一時間が過ぎ、七人の推薦入学者が動き始めた。


「ドンピシャ!!とっとと終わらせたるわ!!行くぞ!!ヴァート!!!」

「任せろ!!ゴード!!」



次回「試練 その2」

レーチとの挨拶


「そう言えば僕。君のこと知らない。」

「あ!そっか!俺はヴァートだ。宜しく!レーチさん!」

「宜しく。彼女は?」

「アイスだ!仲良くして欲しい。」

「…お父さん?」





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