表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
2/65

第一話 「やくそく」

「これがお前の最後の景色だ。勇者の剣が首筋を伝い、エンドは…」



「カッコイイ!!!」

食い気味で子供は声を上げた。

オモチャの剣を片手で奮い、空気を横に薙ぎ払った。


「これがおまえの!!さいごのけしきだ!!ッツメタ」


      第一話「やくそく」


【ファー村】

小さな小屋の中で子供の声は夜の静寂を打ち消した。


「シー!だめだよヴァート。ママにきかれちゃうー。」

▶︎幼い白髪の少女【アイス】


「カッコいいんだからしょうがないだろ!そういうアイスだって。まほうはまだダメなのにつかったじゃんか!!」

▶︎幼い黒髪の少年【ヴァート】


「しょうがないじゃん!かっこよかったんだもん…」

「ほらな!!ゆうしゃさまがカッコいいからわるいんだ!!」


バン!!


小さな小屋の扉が勢いよく開けられる。ヴァートとアイスは肩を震わせヴァートが恐る恐る振り返るとそこには目の下にクマのある黒髪の女性が立っていた。


「ヴァート!!アイス!!いつまで起きてるんだい!!また【始まりの勇者】の本を読んでたね!!夜ふかしする悪い子は勇者様になんてなれないんですからね!」

▶︎ヴァートの母【エルダ】


再び夜の静寂を打ち消す叫びに村の住民はくすくすと笑う。


「げっ!!かーちゃん。かーちゃんだっておきてるじゃんか!」

「マッ!ママ!ごめんなさい。すぐねます。いいこです。」

アイスはすぐに布団に入り目を閉じたが、ヴァートは立ち向かう。


「アイス?!」

ヴァートは震えた声でアイスを呼んだ。いつもならカンカンに怒っているお母さんに一緒に立ち向かうはずなのだが…


「 ヴァートォ??」

カンカンに怒ったお母さんは【始まりの勇者】に登場する【エンド】の様に怖い。


「あっ。あ!!」

お母さんの指がヴァートの頬を引っ張る。


「アイスは良い子だから勇者になれるけど、ヴァートは悪い子だから勇者なれないわよぉ〜〜」

ヴァートは頬を引っ張られながら言い返した


「おれふぁみんふぁおふぁもるからいいこだぁ!」

「みんなを守るなら早く寝て、早く起きないとでしょ?」

「……ふぁい」

お母さんが手を離すと大人しくなったヴァートが布団に潜る。

赤くなった頬を両手で押さえながらヴァートは言った。


「おやすみなさい」

「はい。おやすみなさい。」

お母さんが扉を閉めるとヴァートは目を開け、アイスの布団に潜り込んで肩を震わせてるアイスにムッとした顔で言った。


「なんでたちむかわなかったんだよ」

「ふふん。いいこだから。」

「なんだよ。いいこなんて」

「ゆうしゃさまはみんないいこなんだよ?だからわたしもいいこなの。」

「…」

ヴァートは少し考えて嬉しそうな顔でアイスに言った


「じゃあさ!おれとアイスでいっしょにゆうしゃさまになればふたりともいいこだし、いっしょにみんなまもれるじゃん!」

「シー!ヴァート!ママがおきちゃう!!」


「…」

「…フフッ。じゃあさ?やくそくね?」

アイスが嬉しそうな顔をしながらヴァートに言う。


「わたしとヴァートでゆうしゃさまになってみんなをまもろう?」

ヴァートは目を大きく開いて頷く


「!!うん!!!」

「くすっ…やくそく」



第三話以降から毎週日曜日の昼12時に投稿します。良かったら見て下さい!

感想沢山下さい!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ