第十七話「自己紹介」
前回、ライトとシャルに特別寮へ案内されたヴァートとアイスは小さな豆腐ハウスに絶望する。個性豊かな5人の推薦入学者達に振り回されながらヴァートとアイスは自己紹介をする事になった。
賑やかな豆腐ハウスを背にライトとシャルは森に歩き出した。
「良いんですか?話に混ざらなくて。」
「同期同士で会話した方が仲良くなるのも早いだろ?…シャルこそ良いのか?」
「はい。元気そうでしたので。ヴァートさんとアイスも加わりましたし。」
「そうだな。少し変わった奴らだが、強さは本物だ。忙しくなるな!」
「そうですね。」
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「で。互いに自己紹介をしようと思うんだが。」
黒髪の男性が喋り始めた。彼は恐らく推薦入学者の中で一番年上だろう。言葉の一つ一つが落ち着いており、まともな判断をしている。7人は豆腐ハウスの中で自己紹介をする事になった。
第十七話「自己紹介」
「断る!!!」
「Zzz」
「えぇ…と(混乱)」
「あの…そろそろ離れて…」
「両手に花だぁ(*´꒳`*)」
「おかしい…まともな人が俺とアイス以外に2人しかいない…」
「誰がまともじゃ無いって!!ぶっ飛ばす!」
「うるさ。互いの事知らないと仲良く出来ないだろ」
意外にも小さく見えた豆腐ハウスの中は広かった。しかし、部屋がない為寝る場所は男女ともに同じであり、布団が離れてるだけ。そしてこの面子。騒がしい状況を動かしたのは意外な事にアイスだった。
「ミ、ミールちゃん!私達!みんなのことが知りたいな…」
「本当に!(*⁰▿⁰*)友達になる?!(*゜▽゜*)」
「なりたいから!自己紹介しても良いかな?」
「もちろんだよ!(*´꒳`*)」
「あ、扱いが上手い…(尊敬)」
早くもミールを手懐けたアイスは立ち上がる。ヴァートの手を取り、2人は5人の前に出た。
「ふぅ…私はアイスです!ファー村出身で属性魔法が使えます。ヴァートとは幼い時からずっと一緒にいました。…えとぉ…仲良くしましょう!!」
白髪のロング。身長は160cm程。胸に付いているガラスの花は魔法学校卒業を意味するアイスの宝物であり、大切な思い出でもある。
「よろしくな。アイスくん。」
「宜しくね〜スーちゃん!(*^▽^*)」
「はい!ほら!ヴァートも」
「あぁ。俺はヴァート。アイスと同じファー村出身で武器は片手剣。…宜しくお願いします。」
黒髪の短髪。身長はアイスと同じ160cm程。身体能力が高く、過去の経験を活かす戦い方をする。
「よ。宜しく…です。(歓迎)」
「宜しくね〜(*´꒳`*)」
「ふん」
「じゃあ次は俺達だな。誰からする?」
「俺はやんねぇ。仲良しごっこはゴメンだからな!」
「じゃあ俺が適当にお前を紹介しておこう。この騒がしい奴はゴード。出身は…分からんが戦闘センスが凄い。続いて俺はヘルア。寝てるのはレーチ。俺とレーチは同じエイト村出身だ。互いに武器は使わない。」
茶髪のボサボサした彼はゴード。身長は175cm。恐ろしいほどの戦闘センスを持ち、自称[近接最強]。よくキレる。年齢は19歳。
説明を始めた黒髪の男性はヘルア。身長は182cm。年齢は25歳で、推薦入学者内最年長。
ずっと寝ているクルミ色の髪をした男性はレーチ。身長は172cm。年齢は17歳。試練突破のランキングを付けると現段階で、ヘルアとレーチは1位と2位であり、互いに信頼を置いている。
「はいはい!( ・∇・)次私〜(*´∇`*)私はミールだよ!!(*^▽^*)出身は王国ベータ!(*'▽'*)好きな人は可愛い人とカッコいい人!(≧∀≦)実は男の子も好きだよ!(*´꒳`*)♡使う武器は短剣!(*^▽^*)可愛いからね(°▽°)スキルは[魅了]!(*´∇`*)発動条件は沢山あるけどとっても強いよ!!(*≧∀≦*)かかりたい人はいつでも言ってね!!♡(*´꒳`*)♡」
ピンク髪のショートヘア。身長は158cm。年齢は18歳。スキル[魅了]を所持しており、試練ではスキルの覚醒を経てクリアした。俊敏かつ行動の速さを活かし、好きな人を追いかける。
「じ、じゃあ最後…私。(深呼吸)私は、リーラ…出身は…王国…で、回復魔法が使え、ます。ぁ。よ!…よろし、く。お願いし、します。(言えた!!)」
黒髪ロングのアホ毛持ち。身長は162cm。年齢は22歳。コミュ力が低く、魔法学校では大変苦労した。自身の感情を表に出す事が苦手だが、その分アホ毛が暴れる。
「よろしくね!リーラちゃん!」
「よ…!宜しく…です。(照)」
「よし!自己紹介は終わったな。…夜も遅いし明日の予定をざっくり説明して寝るぞー」
「もう寝てる奴はどうすんだよ」
「エーチくんだよね?…覚えないと…」
「アイス?間違えてるぞ」
「コイツは知らん。無理やり起こしたらそれはそれで厄介だからな。起きた時に説明する。」
最年長のヘルアはレーチを寝かせ、ゆっくりと分かりやすく話し始めた。
「明日はライトさん以外の勇者候補が来るらしい。まだ3人ここに着いてないが、先に始めるって言ってた。」
「何すんだよ?」
「分からん。まぁ大体の予想はつく」
「確かに…」
「絶対戦闘だよね〜( ・∇・)」
「えっ?!(嫌)」
「だな。実力を見たい。とかが理由でライトさんと同じ、何らかの[試練]を用意してるはずだ…ひとまず今は寝よう。明日本当に戦闘を行うのなら、身体は休めておいた方がいい」
「同意」
「今日はなんか凄い疲れた…」
「ヴァートは今日目覚めたばっかだもんね!」
「あぁ…ジョークに試練に…特別寮…本当に疲れた。」
「寝よっか!」
「あぁ」
「ん?何してんだ?」
「?寝ようと思って…」
「アイスくんと寝るのか??」
「え?そうだけど…」
「いつも寝てるよ?」
「………はぁ…ヴァートくん?…今日は俺達と寝るぞ」
「え?」
「仲が良いのは良い事だが…家以外では。人の目を気にしてくれ」
「スーちゃん!(*´꒳`*)一緒寝ようね〜(*´∇`*)」
「?!」
背後から現れたミールが勢いよくアイスを布団に引き摺り込む。
「ヴァートーーーー」
「ア!アイスーーー!!」
「ほら。お前も来い」
「あ"あ"あ"あ"あ"」
「うるさ。」
「ふぁあ〜〜〜!!(*'▽'*)スベスベ柔らかい良い匂い!!(*≧∀≦*)天国だぁ〜(*´꒳`*)」
「ミールちゃん?!ふ!服の中に…手が!!」
「女の子同士なんだよぉ〜(*´꒳`*)電気も消したし…大丈夫だよ〜(*'▽'*)」
「そう言う問題じゃ…ない…」
「えへへ〜〜(*´꒳`*)」
「お…おやすみ…(静か)」
「リーラちゃん…たす…うぅ…」
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「Zzzz」
「ぐがぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「……」
「……ヘルアさん?」
「ん?」
「寝れないです」
「慣れろ」
「…はい」
(狭いし暑い……)
「…明日は宜しくな」
「…はい!」
「……Zzz」
「…」
(え?寝た?)
「ごぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「…」
(…これは…慣れないかも…)
蒸し暑い豆腐ハウスの外は静寂の森に包まれる。ヴァートとアイスは互いに恋しい思いをしながら夜を過ごした。2人が寝たのは…3時間ほど後だったそうな…
次回「好奇心」
推薦入学者計七名(ホープラスを除く)試練突破ランキング
1位 ヘルア 死亡数0
クリア方法 スキル(試練の崩壊)
一言「これだけ?って感じだな」
2位 レーチ 死亡数2
クリア方法 ヘルアのスキル(試練の崩壊)
一言「二度とゴメンだね」
3位 アイス 死亡数6
クリア方法 対象の殺害(魔法)
一言「強かった…」
4位 ヴァート 死亡数7
クリア方法 対象の殺害(耐久)
一言「あんなの初見じゃ勝ち目ないじゃん!!」
5位 ゴード 死亡数9
クリア方法 対象の殺害(戦闘)
一言「あのガキが7?!は?!冗談だろ??」
6位 ミール 死亡数12
クリア方法 スキルの覚醒(対象の殺害)
一言「強くなったよ!(*'▽'*)」
7位 リーラ 死亡数43
クリア方法 対象が降参した為
一言「え…み、みんな…はや(聞き間違い?)」
ご覧頂きありがとうございます。良ければ良いねと感想よろしくお願いします。他にも本編「世代の勇者」に登場するキャラクターの短編小説も出しているので良かったら見て下さい。