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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第十六話「推薦入学者」

前回[始まりの勇者]の裏話の一部を聞いたアイスは元魔王軍と勇者達の関係を知る。3人が見守っている中ヴァートは試練をクリアし、勝利の声を上げた。そして、ライトとシャルに特別寮へと案内される事になる。

オレンジ色の夕日が沈み、辺りはすっかり夜。ヴァートとアイスはライト、シャルに案内され、森の中を進んでいた。


「寮ってこんな森の中にあるんですね」

「思った!王国の中にこんな森があったなんて!」

「気付かないのも…無理はない…シャル?説明してくれないか?」

「分かりました。」

暗い森の中をライトの持つ松明が道を照らす。ヴァートとアイスの横を歩くシャルが話し始めた。


「この森は1人の勇者様の能力で守られています。空から見下ろしても森は見えず、地割れが起きたとしてもここには被害はありません。」

「マジか!」

「能力って魔法?スキル?」

「両方ですよ。…ヴァートさん。」

「?はい?」

「サード村での一件。ヴァートさんが戦っていたバンと言う男性を覚えていますか?」

「バン?……?」

「ヴァートさんが両腕を切り落とした人です。」

「!!あぁ!爆発の!覚えてるよ!バンって名前だったのか…」

「はい。彼は炎魔法かつスキル[爆発]を混合し、自身の身体能力と合わせてヴァートさんと戦っていました。魔法の底上げとスキルの強化、それに適合する身体能力。戦いにおいてスキルや魔法を持っていると言う事は、戦闘を有利に出来ると言っても過言ではありません。」

「[再生]とか?」

「はい。推薦入学者の中でもスキルを持つ者はいますが、バンの様に身体能力、魔法、スキルを最大限引き出す事は困難に近いです。」

「…今思うと、めちゃくちゃ強かったんだな…」

「?気に止む事はありませんよ?現にヴァートさんはバンに勝っているではないですか。」

「そだよ!!ヴァートは凄い!」

「はい。3つの能力を最大限引き出して、ヴァートさんの身体能力と互角だったのですから。ヴァートさんが今後何らかのスキルを身につける事が出来れば…勇者になれる確率も格段に上がります。」

「……スキルかぁ〜…身体能力強化とか…あ!空とか飛びたい!移動も楽だし戦闘もカッコいい!」

「良いと思いますよ。ライト様の様に触らないと発動しないスキルには強いと思います。ただ…魔法には弱いかと。」

「良いじゃん浮遊!!」

「おい!魔法が有利って分かった瞬間推して来るの辞めろよ!!」

「………シャル…」

「あ。話がズレてました。この森の説明ですね。」

「シャーちゃん…なんかライトさんが苦しそう何だけど??」

「大丈夫ですか??」

「?…あぁ。ライト様は今神経を擦り減らしているので喋る余裕が無いだけですよ。安心して下さい。」

「安心できない!!」

「え?!何で!!」

「話が逸れてしまうので後で話しましょう。…いえ…森の話をしたら必然的にライト様の状況も理解出来るかも知れませんね。」

かなり歩いたが森はまだ抜けない。暇を減らす為にシャルは森の説明を始めた。


「先程話した様に、この森は外に住む人の視界。また、魔法や災害。天候にすら干渉されません。簡単に説明しましょう。ライト様が先程使った[試練]を夢の中だと思って下さい。本来夢とは肉体はこの世界に。精神は別の世界にあります。自分の夢の中なので他人の精神が入る事はありません。しかし、ライト様の使う[試練]は自身の夢に対象を引き摺り込む事が出来ます。」

「???なるほど!」

「アイス…本当に分かってるか?」

「対してこの森は[共有]です。」

「共有ですか?」

「はい。試練には多くの種類が存在し、その中でもこの森は共有可能な夢の中。と言う事です。招待された者だけが認識でき、入ることが出来る。ライト様の様に強制的に閉じ込める[試練]は精神を。共有し、自ら入る事を選ばせる[試練]は肉体と精神を。」

「??????うん!!!」

「……なるほど…ライトさんの[試練]は精神だけを閉じ込めるから何回死んでも大丈夫だったって事ですね?」

「そう言う事です。裏返せばこの森の中では同じ[試練]でも一度死んだら終わり。と言う事ですね。」

「………ん?この森の事は分かったんですけどライトさんが精神を削ってる理由って…結局なんなんですか?」

「あぁ。ライト様は招待されてないんですよ。」

「えぇ?!」

「???…!」

「招待されてないからこんなにも時間が掛かっているんです。本来招待されてない者がうっかり入ったとしてもすぐに戻されるんですが。ライト様は別です。」

「[能力無効]だ!!!!」

「うぉ!びっくりした!」

「正解です。アイスは賢いですね。」

「えへへ〜〜〜」

「えぇ…」

「しかし[能力無効]だけだとライト様だけが入れて私達は戻されてしまいます。その為の松明です。自身のスキルを物体に宿して強化する。松明が照らす範囲内にライト様のスキル[能力無効]が反映され、私達も進めれると言う訳です。」

「スキルって凄い万能だね!」

「な!」

「……スキルを物体に宿す。聞いた話だとライト様が可能にしたのは3ヶ月前らしいですよ?」

「うぇ?!」

「マジ……だから神経擦り減らしてるのか…」

「………よし!!」

突如先頭を歩くライトが声を上げた。勢いよく振り向き笑顔で声を上げた。


「森を抜けたぞ!!ようこそ!特別寮へ!!!」

ヴァートとアイスの目の先には真っ白な城が建っていた。屋根は赤く、外から見ただけでも部屋は20個以上。庭には花がたくさん咲いていて、小鳥や蝶々が………


「ちっさ!!!!!!!」

目に映る建物を見るや否やヴァートは大きな声を上げた。白い城。大きな庭。そんな物は妄想であり、現実では無い。


「これが…特別…?寮?」

アイスも絶望を隠せない。想像していた光景とは天と地程の差があったからだ。

木材で出来た壁に平らな屋根。豆腐建築とはこの事だろう。大きさはおそらくヴァートとアイスが住んでいた小屋の方が大きい。


「いやいや!!面白い!ジョークですよね?」

「現実ですよ。」

「( ͡° ͜ʖ ͡°)」

「はい!!文句言わなーーい!!ちょっと待っててくれ!みんな呼んでくる。」

現実を受け入れ切れないヴァートとアイス。ライトは豆腐の前に行き大きな声で叫んだ。


「仲間が増えるぞーーー!!!挨拶しろーー!!!!」

「…………」

「こんな夜中に!!!デカい声出すな!!!!!!!」

「うるさ。ほら行くぞ!!」

「Zzz」

「わ、私…先に、行って来ます。ね?(困惑)」

「一緒に行こ!( ・∇・)友達だもん!( ´ ▽ ` )」

「警告しとくぞ?動かないなら引き摺って行く」

「やってみろよ?おっさん」

「…相変わらず元気だなぁ!お前ら!」


        第十六話「推薦入学者」


豆腐の中から5人の声が響く。ヴァートとアイスは中から出て来る人影をワクワクしながら待った。


「どんな人達なんだろう…」

「女の子の声が聞こえた!!」

5人の影は少しずつ大きくなり、豆腐ハウスから姿を表した。しかし…


「離せや!!おっさん!!!」

「黙れ。俺は警告した。後おっさんじゃ無い」

「Zzz」

「ぁの…ちか、近く?ないです。か?(焦り)」

「近くないよ〜(^∇^)女の子同士だもん!( ・∇・)変じゃ無いよ!( ・∇・)9」

「ぁはは…(変だと思う)」


驚きの波がヴァートとアイスを襲う。2人引き摺られ、そのうち1人は寝ている。2人の女性も言葉通り距離が近い。ライトが笑顔で話を始めようとするが…


「はい!並んで並んでー。じゃあまずは新人の2人から…」

「女の子だぁ〜(*'▽'*)」

突然ピンク髪の少女が声を上げた。真っ先にアイスに近づき、抱きしめる。


「ちょ?!」

「わぁ!」

「えぇ〜(*⁰▿⁰*)可愛いぃ〜女の子だぁ!(≧∀≦)同じくらいの身長だぁ!( ´ ▽ ` )良い匂いするぅ!(*´꒳`*)」

「えっ…あの…」

「ねぇねぇ!(°▽°)名前は〜?( ・∇・)私ミール!(°▽°)私達友達になれると思うんだぁ〜(*^▽^*)」

「あ…アイスです…」

「アイスちゃん!!(*⁰▿⁰*)えへへぇ(*´∇`*)スーちゃんって呼ぶね!(*'▽'*)仲良くしようねぇ〜〜(*^▽^*)ノ♡」

「は、はい」

「………うん!アイスくんは挨拶終わったね!」

「え?!」

「スリスリ〜(*゜▽゜*)」

「じゃあ次はヴァートくん!自己紹介をどぞ!」

「……。はい。俺はヴァー…」

「んだよ。ガキじゃねぇか。帰れ!お前が来れる場所じゃねぇぞ!!」

「お前…その体制からよくイキがれるな。」

「!!うるせぇ!っ!くそ!離せやおっさん!」

「離さねぇよ。暴れるだろ。」

「くそが!!!離せ!!!」

「断る」

「白い肌だぁ〜(*゜▽゜*)」

「あの…やめ!!」

「あわわわ(混乱)」

「Zzzz」

「お前ら!しっかり聞けよ!」

「…俺………ここでやっていけるかな…」

騒がしい夜の中先の見えない不安がヴァートを支配していた。



次回「自己紹介」

教えて!!ライト先生!!


ヴァート&アイス

Q「特別寮って!!どこが[特別]何ですか?!ただの豆腐じゃ無いですか?!」

「そうだよ!!」


A「勇者になれば野宿なんて当たり前。本当は何も無い場所だったけど最初に来た2人(1人)が文句を言いながら豆腐ハウスを作ったんだよ〜」


シャル

Q「質問ですか?…推薦入学者は今ホープラスさんを含め8人来ていますが。アイスはその中で何位ぐらいの実力だと思いますか?」


A「アイスくんか〜魔法使いが苦手とする近接相手の対策がうまいし、判断力も凄い。何より推薦入学者の中で攻撃魔法を使えるのはアイスくんだけ!3位か4位ぐらいかな?」


ミール

Q「お風呂ってどうしたら良いのかな?( ・∇・)」


A「君…まともな質問出来るんだね。いや失礼。野宿の理論で行くと風呂は森の中にある川や池を利用して体を洗ってくれ。どうしても嫌なら王国の風呂に入っても良い」


Q「私女の子だからスーちゃんとルーちゃん(シャル)ともお風呂入っても良いよね!(*⁰▿⁰*)良いよね!(*'▽'*)」


A「それに関しては2人に聞いてくれ…」

「遠慮します。」

「わ、私も!!」

「後でお風呂入ろうね!(*´∇`*)今はこのままでも良いかな!(*´꒳`*)」

「ひぃ?!(恐怖)な!なんか寒気が!!(驚き)」



ご覧頂きありがとうございます。良ければ良いねと感想よろしくお願いします。他にも本編「世代の勇者」に登場するキャラクターの短編小説も出しているので良かったら見て下さい。

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