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世代の勇者  作者: グミ
第一章 「王国」
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第十五話「耐久」

前回、試練を突破したアイスはヴァートが戻るのを待つ。

ヴァートは未だ青髪の男と戦闘を続けていた。

「はぁ!はぁ!!はぁ!!!」

▶︎黒髪の少年【ヴァート】


空から降り注ぐ剣の雨。ヴァートは避ける事を諦め、降り注ぐ剣を弾き返す事に専念していた。


「クソ!!……はぁ!!!多すぎだろ…!!……!でも!これ全部防いだら!…はぁ!!俺の勝ち!」

剣を弾くたび、右腕に流れる衝撃が少しずつヴァートの体力を削っていく。それでもヴァートが剣を振る速度は衰えなかった。7回の死。その中でヴァートは青髪の男に勝つ方法を発見していた。


(こいつは二重人格で、魔力を使う臆病モードと近接再生持ちの剣士モードがある…切り替えの条件は…恐らく自殺)

「はぁ!!はぁ!!!」

(数分前に…臆病モードの状態で首を切った。切り替えの条件を断ち、再生の可能性も潰した。)

「はぁ!!!!…後は!」

(この強すぎる自滅魔法を生き延びれば…!)

「うぉぉぉぉぉお!!!クリアしてやる!!!」


         第十五話「耐久」


日が沈み始め、辺りは暗くなる。広場に立ち尽くす1人の少年を3人が見守っていた。


「ヴァート…」

▶︎白髪の少女【アイス】


「不安かい?ヴァートくんがクリア出来るのか」

▶︎[光の勇者]【ライト】


「……はい」

「一応この試練は本来行う試練より優しく設定してあるんだ。ちょっとした事情があってね」

「…優しめ?!あれがですか??」

「ああ。試練に現れる魔王軍は、過去に俺が直接戦い[強さの印象]を植え付けて来た者達だ。残念ながら当時の俺は彼らに勝てなかった。…[最近]は戦って無いが…まだ勝てそうに無いな」

「ライトさんが負けたんですか?!…確かに初見攻略はほぼ不可能でした。それと……最近…とは?」

「……ぁあそれは…」

「彼ら魔王軍は各王国にて、勇者様達とパーティーを組んでおります。」

▶︎勇者候補補佐兼後方支援管理【シャル】


「?!」

「おい!シャル!!」

「?あぁ。お会いした時の反応を見たいんでしたね。でも私は悪く無いですよ?ボロを出したのはライト様なんですから。」

「何で魔王軍と?!」

「ん〜〜〜俺のミスか…よし!ざっくり教えよう!そのかわり…ヴァートくんには秘密に頼むよ」

ライトは地面に座り、真剣な顔で答えた。


「【始まりの勇者】の話は知ってるよね?」

「?!はい!!私とヴァートの夢の始まりが、始まりの勇者のお話でした」

「うんうん。話に登場するキャラは勇者の4人と魔王の1人。魔王が居るなら、その幹部達も勿論いる。話の裏で1人を除く現役勇者達が魔王軍幹部達と激しい戦いを行なっていたんだ!!勿論!俺達勇者候補もその戦いに身を投じていた」

「待って下さい!!!現役勇者?話の裏?始まりの勇者の話は500年も前の話なんですよ?!?!」

「?うん。そうだよ?」

「そうだよ?って…ライトさんいくつ何ですか?!」

「年齢は…300過ぎた辺りから数えてないな。530以上は行ってるぞ?」

「530って?!シ…シャーちゃんは?!」

「私は今年で1000歳超えました。」

「え?!?!?!」

「ジョークです。安心して下さい。私は現在32歳ですよ。」

「ん?!どっち?!?!」

「ははは!シャルは32歳が本当だよ。話が逸れたな。試練に現れる魔王軍は当時、初代魔王[エンド]に忠誠を誓っていた幹部達だ。激しい戦いの末…4人の勇者は魔王を打ち倒した。残った魔王軍幹部達はエンドに与えられた任務。すなわち…[強者だけの世界]を作る為に、尚多くの被害者を出した。」

「任務……」

「エンドを倒した4人の勇者の体力は限界に達し、俺達も市民を守る事に手が一杯だった。そこで現役の勇者が魔王軍幹部に提案を持ち掛けた。」

「提案…?」

「ああ…[強者と戦いたいなら俺達勇者がいつでも戦ってやる。その代わり俺達と一緒に世界を守ってくれないか?勇者と、後の魔王と戦えるんだ。悪い話じゃ無いだろ]ってね。」

「…私には…魔王軍がその条件を飲むとは考えられません」

「だろうな。俺もそう思ってた。意外にも一部の幹部は手を引いたが、案の定提案を飲まない幹部もいた。そこに2人の助っ人が来てな…勇者でも無いのに魔王軍幹部をボコボコにして。協力させたって感じだ。」

「…それが勇者と魔王軍がパーティーを組んでる理由ですか?」

「ああ…まさに。耐久戦だった。絶望的な状況をたった一つの策が俺達を生かしたんだ。」

「……」

「ほら見ろ!不可能な事なんてない。最後まで諦めない者だけが…勝利を手に出来る。」

「……!!」


「うぉぉぉぉぉぉぉおおっしゃゃゃーーーあーーー!!!」

アイス、ライト、シャルの隣で立ち尽くしていた少年が目を開け大声で叫んだ。アイスはヴァートに向かって走り出し、ライトとシャルは賞賛の声を上げた。


「ヴァート!!」

「クリアおめでとう!ヴァートくん!」

「早いですね。」

「ヴァーーーート!!」

「うぶっ!!…!アイス?!もうクリアしてたのか!!」

「私は30分前にクリアしたの!!無事で良かったぁ〜」

抱きつくアイスの後ろでライトが微笑みながら2人に近づく。


「ヴァートくん!アイスくん!改めてクリアおめでとう!これから2人を特別寮に案内するよ。シャル。付き合わせて悪いね。今日はもう上がっても良いよ!」

「…水臭いですね。」

「ん?」

「せっかくここまで付き合ったんですから。最後まで付き合いますよ。それに…他の方にも顔を出しておきたいですから。」

「…!そっか!宜しく頼む!!」

「…はい。」

「なんか夫婦みたい」

「ねぇ〜〜」

「抱きついたまま言うセリフですか?」

「ほら早く!みんな待ってるよ!!」

「はい!」「はい!」

試練を突破したヴァートとアイス。ライトとシャルに案内され、特別寮へと足を踏み入れた。

これから仲間として。ライバルとして出会う推薦入学者達。

しかし彼らは…少し変な人達だった。



次回 「推薦入学者」















----------------

「おい!!さっさと集まれ!!新人が来るぞ!!」

▶︎推薦入学者【ヘルア】


「来ない来ない来ない!!!」

▶︎推薦入学者【レーチ】


「うるさ。ライトさんが今日来るって行ってたろ!!」

「うるせえぞお前ら!!黙って寝ろ!!」

▶︎推薦入学者【???】


「お前も集合するんだよ!!!」

「今日も賑やかだねぇ〜〜^ - ^」

▶︎推薦入学者【???】


「あはははぁ……そ…そぉですねぇ〜〜(困惑)」

▶︎推薦入学者【???】



勇者パーティーについて


勇者パーティーの数は合計4つ

勇者は9人

元魔王軍幹部は7人

勇者候補は4人


それぞれ4、2、2、1に勇者が分かれ、0、2、2、3に元魔王軍幹部が配属され、4人+1人(勇者候補)で一つの勇者パーティーが構成されています。



追記 キャラ/死亡数/魔王軍

アイス  クリア時の死亡数 6 (赤髪の女)

ヴァート クリア時の死亡数 7 (青髪の男)

ヘルア(短編小説に登場) クリア時の死亡数 0 (特殊)

レーチ(短編小説に登場) クリア時の死亡数 2 (虹髪の男)


その他推薦入学者

??? クリア時の死亡数 12 (緑髪の男)

??? クリア時の死亡数 9 (青髪の男)

??? クリア時の死亡数 43 (赤髪の男)




いいねと感想宜しくお願いします。他にも世代の勇者に登場するキャラクターの短編小説などを書いているので是非読んで下さい。

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