第十話 「終戦」
前回絶対絶命のヴァートとアイスの元に勇者候補の1人、「ライト」が現れた。その圧倒的な強さに「バン」と「レイ」はなす術もなくやられてしまう。
「ホープラス…ごめんな?」
ホープラスを担ぎ、バンを引きずりながらヴァートは呟いた。ホープラスは気絶しており、右の横腹は血液が染み込んだ包帯が巻かれていた。
「早く…サード村に戻って…治療をしないと…」
▶︎黒髪の少年【ヴァート】
意識が朦朧としている。まだ耳鳴りが治らない。頭が痛い。力が入らない足で地面を踏みながらヴァートは歩く
「なぁホープラス…勇者候補の人が来てくれたんだ…凄いよな…まだ…20分も経ってないだろ?」
……
「俺…何も出来なかった…」
ヴァートは自身の無力さに打ちのめされていた。赤ローブは3人で倒し、青ローブには手も足も出せなかった。黄色ローブはアイスが戦い、任された緑ローブには2回もホープラスに助けられた。
「ホープラス…?俺…強くなるよ。…みんなを守れるくらい強くなりたい…」
(だから…今ここで変わらないとダメだ。)
ヴァートの身体状況はかなり悪く、いつ倒れてもおかしくない状態だった。
ゆっくりと。でも確実に、サード村へとヴァートは歩いた。
〜〜〜第十話 「終戦」〜〜〜
ヴァートがサード村に着くとすでにライトとアイスが待っていた。
「ヴァート!!!ホープラス!!」
▶︎白髪の少女【アイス】
「お!凄いな!」
▶︎勇者候補[光の勇者]【ライト】
アイスが叫びヴァートの肩を支える。ライトはホープラスとバンを持ち上げ、ヴァートに謝罪をした。
「悪かった。来るのがもう少し早ければ…誰も怪我をする事はなかった。」
先ほどの明るい印象は感じず、その言葉の意味をヴァートは理解した。
戦っていた兵士と旅人。計30人の内7人は重症。残りは死亡。
捕まえた反勇者組織。計4人。紫ローブは逃走。
サード村の住民。被害なし。
「本当に…すまなかった。そして、命をかけて守ってくれた君達には…感謝の意を…」
ライトはヴァートとアイスに深く頭を下げた。そして、バンを拘束し、ホープラスを医療施設へと運んだ。
「ヴァート?大丈夫??」
アイスはヴァートを近くの木陰に連れて行き、座らせ、酒場から水を持って来てヴァートに飲ませた。
「ごめん」
「謝罪は良いから!横になって!休んで?」
「ごめん…」
「良いから!」
アイスは無理やりヴァートを横にし、膝の上に頭を置いた。
「頑張ったね。今はゆっくり休んで。」
アイスはヴァートのおでこに額を付ける。
アイスの冷たい皮膚が全身を包み込む。微かに香るローズの匂いと、落ち着く声。ヴァートの目はゆっくりと閉じ、眠りについた。
「おやすみなさい。ヴァート…」
----------------
数十分後、王国から来た馬車と医療班がサード村に現れた。ライトは馬車に気づくと大きな声で叫んだ。
「おいこら!!!!遅いぞー!!こっちだ!」
「勇者様が早すぎるだけでは?」
▶︎勇者候補補佐兼後方支援管理【シャル】
馬車から降りて来た茶髪の女性は長い髪を靡かせ、ライトの元へと歩き出した。
「何度言ったらわかる!!俺は勇者じゃない!ゆ!う!しゃ!こ!う!ほ!俺が勇者なら!こんな被害は出さない。」
「私にとってはあなたも勇者様も大して変わりませんよ。それに勇者様も、全てを守れる訳ではないですし…それより。捉えた罪人と治療の必要な方々を王国に運ぶので、手伝って頂けませんか?重症の方は医療班が先に治療しますので、呼び掛けもお願いします。あと、今回の被害と罪人の身元確認もありますので、ライト様は報告を忘れずに」
「ぉお!何言ってんだ?」
「簡潔に言いますと、罪人と怪我をした方を馬車へ、その後、被害報告を上の方にして下さい。」
「よし分かった!」
ライトは一目散にヴァートとアイスの元にやって来た。
「君達の仲間は責任持って王国で治療する。だから君達もあの馬車に乗って貰いたい。お礼もしたいし、疲れただろうから」
「わかりました。ありがとうございます。」
「お礼はこっちがしたいんだ!…っふ!良い寝顔だな」
「はい…ヴァートは可愛いんです。」
「!!」
「どうしましたか?」
「なるほど…?今更だが君の名前を教えて頂きたい。ヴァート君とホープラス君と?」
「?私はアイスです。」
「そうか…君達が!ぉっと失礼!早くしないと怒鳴られるんだ。またな!」
「?はい。」
ライトは笑みを溢しながら医療施設へと走り出した。
「彼らが…推薦入学者か!!」
次回 「感謝」
サード村襲撃事件
黒髪短髪の少年「ヴァート」 気絶
白髪長髪の少女「アイス」 無傷
黒髪短髪の少年「ホープラス」 気絶(重症)
赤ローブの男「ザーク」 拘束
青ローブの男「ギル」 拘束
黄色ローブの女「レイ」 拘束
緑ローブの男「バン」 拘束(重症)
紫ローブの男「レーグ?」 逃亡
本編「世代の勇者」に今度登場するキャラクターの短編小説も出して居るので、もし良ければご覧下さい!
いいねと感想宜しくお願いします!




