表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の架け橋  作者: チャラン
第二章 トウジの章
47/89

第四十五話 懐かしい面々

 明後日。アテナタウンのコントロールタワーで落ち合う、トウジとリナの姿が見える。町として規模が大きくなり、コントロールタワーはアテナタウンの中心部でもあるので、三百年前より周囲に建物が多くなり、人やアンドロイドの往来も賑やかになっていた。


「コントロールタワーに入るのも、なんか久しぶりだな」

「そうね。セト爺さんやマリアも元気かしら」


 トウジとの会話でリナが言っているが、アンドロイドのマリアはともかく、セトは相変わらずかくしゃくと生きていて、メディカルセンターで働いているのだ。


 タワーの中に入るとコントロールルームはそれなりに賑わっている。この三百年の間に拡張工事をしたので、コントロールルームやメディカルセンターなど、タワー内の施設も広くなっていた。


「アラ?久シブリデスネ。トウジ、リナ」

「やあ、マリア。けっこう忙しそうだね」

「久しぶりね。ほんと賑やかで忙しそう」

「フフフッ。ソウデスネ。焦ラズノンビリヤリマスケドネ」


 マリアはルームにいてあれこれ訪問客の対応をしていたが、トウジとリナが入ってくるのを見つけて、彼らに声を掛けてきた。三百年前と変わらず愛らしい少女の容貌をしているが、三百年、アンドロイドとして齢を重ねた人格的な落ち着きも窺える。


「トコロデココニ来タ御用ハ何デショウ? 何カ悩ミゴトデスカ?」

「いやいや、そんな大したことじゃないんだ。大したことじゃないんだけど、ハチギ山に登りたくてね。アテナの許可が欲しいんだ」

「ハチギ山デスカ……。危険ナ場所モアリマスカラ場合ニヨッテハ、アテナノ許可ハ貰エナイカモシレマセンヨ?」

「そうかあ……。それも困るな……」

「トモカク、アテナニハ取リ次イデオキマスノデ順番ガ来タラ戻ッテキテ下サイ。ソノ間ニ、セトト会ッテキテハドウデスカ? アノオ爺サントモ久シブリデショウ」

「そうね。ふふふっ、セトって齢のことを聞いたら怒るのよね」

「ソコハ触レナイデアゲテクダサイ。私モ齢ノコトヲ聞カレルノハ嫌デスカラ」

「そうかそうか、ごめんね。マリア」


 アテナと相談をするため順番待ちをしている人々がルーム内のロビーに座っている。マリアはアテナの所へ取次にいってくれたが、それなりに待ち時間がありそうだ。トウジとリナはタワー内のメディカルセンターに行き、セトと久しぶりに会うことにした。




 メディカルセンターも人口が多くなったことで、体調を崩したり病気や怪我をしたりする人々が増えたため、治療待ちの人々がまずまずいる。その中に慣れた様子でメディカルカプセルを扱い、治療の補助をしているセトの姿が見えた。生身の体のはずなのだが、容貌は三百年前と変わらない老翁である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ