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異世界で戦隊ヒーローのレッドをやっています!〜特虹戦隊ディヴァースⅤ〜  作者: 天ノ河あーかむ
第45輪「シャーリー司令官の怨敵」
70/80

ディヴァースピンクVSニグリ

「大人しくお縄につきなさい!」

「へッ! 冗談をッ!」

 ディヴァースピンクは両手に鉄扇(材質不明)をひろげて持ち、ニグリを絶え間なく攻撃している。

 変身したシャーリー司令官には、素顔の特徴となっている飾り羽が後頭部にない。不思議に思っていたら、武器のひろげた鉄扇が、孔雀のオスの飾り羽を模した形状と色彩だった。

「っと。なかなかやるじゃねえか」

「当たり前デショ! アタシは司令官なのヨ!」

 舞うように攻撃してくるディヴァースピンクの鉄扇を、ニグリは腰の後ろにクロスして装備していた短剣を抜いて、両手で応戦している。

「嘘だろ……! アニキが防戦一方かよっ」

「ちょっと! よそ見してるなんて、ナメてんのっ!?」

 ニチディと名乗った青年が唖然と呟き、ディヴァースオレンジの宙返り蹴りで吹っ飛ばされた。

 正直、セイカもディヴァースピンクの強さに驚きだった。司令官は伊達じゃない、ということだ。

「グッ! ──あの泣き虫が、ねぇ」

 鉄扇で華麗に舞っていたディヴァースピンクは突如、鳩尾へ蹴りを入れた。不意の攻撃に両腕をクロスさせてなんとか防ぎきるも、ズザザッと後退させられたニグリは片膝をつき、苦し紛れにニヤリと嗤う。

「フン! 幼い頃のアタシはそれはか弱くて可愛らしいレディだったわネ! 粗暴なアンタはそんなアタシが好きで、気を引きたくって苛めてくれてたんデショ!」

 閉じた鉄扇でビシッとニグリを指して、ディヴァースピンクはふてぶてしく言い放つ。

 セイカを始めとする特虹戦隊(とっこうせんたい)の部下達はみな、出撃前にシャーリー司令官とニグリの因縁を本人から聞いていた。

 曰く、シャーリー司令官が幼少の頃、近所に引っ越してきた二グリはあっという間にその界隈のガキ大将になり、幼稚園でも公園で遊んでいても絡んできた。自分の軍門に降らない、男性なのに女の子よりもオシャレで可愛いのが気に入らず、よく装飾品を盗られては泣かされていたという。

 今のシャーリー司令官からは想像もつかないが、誰しも可愛い頃がある……?

「ちげーよ! なんでおれがてめえを好きだとか考えつくんだよ! 頭がイカレてんのかてめえは? おれは光もんがなにより嫌いなんだよ!」

 苦りきった顔をして、二グリは叫んだ。

「ふむ。アウラコフォラ星人は、光るものを嫌う傾向にあるはずです」

 話を聞いていたディヴァースアクアは眼鏡のブリッジを押し上げて、蘊蓄(うんちく)を語る。

「そう! その通りだメガネ!」

「俺たちはやたらと光るモンが気に障るんだ!」

 ディヴァースパープルと戦っているルイスイと、ディヴァースブルーが相手をしているオノイが肯定した。

 それ、弱点じゃね? と誰もが思った。

 今度こそ視聴する子供達が震えあがる大悪党が登場するかと警戒していたが、いまいち間抜けな〝ブラック・ククルビット〟だ。本当に一人一人が高額賞金首なのだろうか。甚だ疑問である。

「疑問といえば、『ロマネスコ』って何ですか?」

 プラントロイドにDブラスターで攻撃していたセイカは、見たことのない形状の頭部に首を傾げる。

「ロマネスコというのは、カリフラワーの一種ですね。幾何学的──フラクタル形状というのですが、その花蕾群の様が人気で、地球では主にヨーロッパで生産・食されています。日本にはあまり売っていない野菜なので、知らなくとも無理はありません」

 同じくセイカの隣で Dブラスターを撃ち、ザッソー兵を片付けていたディヴァースアクアが教えてくれた。

「なんでそんな日本でマイナーな野菜をプラントロイドにしたのでしょうか」

「さあ? 帰ったらトミーに聞いてみますか」

 こちらの世界でもメジャーじゃないんだ〜などと、二人が戦いながら緊張感もなく話していたら、

「貴様ら! マイナーな野菜とか言うな!」

と、ロマネスコロイドが怒った。

「えーとでも、食べ方も分からないですし」

(かたち)は数学好きが喜びそうですが、料理はしないでしょうね」

 〝ブラック・ククルビット〟を相手にしていない者──レッド・アクア・シルヴァー・ホワイト──は、ザッソー兵を倒し終えた。セイカの元に集結し、Dブラスターを構える。

「では、わたし達で『料理』といきましょうか」

「そうですね」

「そうしましょう」

 ディヴァースホワイトまで会話に加わり、Dブラスターにパワーが充填されてゆく。

「貴様ら! オレを料理してくれるのか!?」

「ええ。お望み通り、ね」

「いきますよ!」

『スーパーファイナルDブラスターショット!!』

「グオオオオ────ッ!!」

 四人のDブラスターから強力なエネルギーが放たれ、ロマネスコロイドは爆発した。

「チッ! 引き上げるぞ!」

 二グリが舌打ちし、仲間の四人が奴の周りに集まる。そして奴等の根城と(おぼ)しき黒い小型宇宙船がサッと通り抜けて五人を回収し、〝ブラック・ククルビット〟は去った。

「プラントロイドが巨大化するワ! ブルーとホワイトは下がって!」

 ディヴァースピンクは初めて戦いに参加した、ディヴァースブルーとディヴァースホワイトに命令する。ディヴァースパープルは慣れたもので、もうディヴァースピンクの後ろに退避していた。

「バトルフィールド、展開!」

 セイカが変身ブレスに叫ぶと同時、ロマネスコロイドが巨大化し始めた。

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