初名乗り!
「そうはさせません!」
轟音が去ったあと、セイカは負けじと声を上げた。
「あなた達の悪事はわたし達が止めます!」
「ふん、貴様等に何ができる!」
〝青の薔薇〟が鼻で笑う。
このやりとり、恥ずかしいんですけど! だからスーツアクターになりたかったのに〜っ!
こうなったら早く変身してしまおう!
セイカはすぐさま仲間達に、
「皆さん、準備はいいですか? いきますよ!」
と声をかけ、左手を握り胸の前に掲げる。
『ディヴァースチェンジ!』
変身コールが見事に揃い、ディヴァースブレスが輝いて、それぞれが光に包まれる。そして一瞬にして強化スーツを身に纏い、変身が完了した。
ここからが本領発揮なのだが──
「異世界からの勇者!『ディヴァースレッド』!」
背後で爆音が響いた。タイミングはばっちりだ。おそらく、赤色の爆発が起こっている。……敵が仕掛けた。
その効果で注目されていないといいな。セイカ用の名乗り「異世界からの勇者!」は、シャーリー司令官からの命令である。決してセイカが考えたのではない。自分で『勇者』とかイタすぎる!
「カワイイは正義!『ディヴァースオレンジ』!」
次はセイカの右にいるイクシアが、両手を招き猫のようにグーにして曲げ、フラミンゴみたいに片足で立って名乗り、爆発が起こった。粉塵はちゃんとオレンジ色になっている。大幹部の自己紹介の時に後ろでザッソー兵がゴソゴソしていたから、全員の立ち位置を見て設置し直したのだろう。
それはそうと、イクシアの変身姿は本当に可愛い。猫耳と尻尾はあるし、裾がレースのスカートがついているのである。
本人は『ゆめかわいい』の基本色ピンクがいいとごねていたのだが、「ピンクはアタシのイメージカラーよ! ホホホホホ!」とシャーリー司令官が譲らず、地団駄踏んでいたそうだ。イクシアの毛色はオレンジだし十分可愛いから、今のでいいんじゃないかな。
「眼鏡は衣服です。『ディヴァースアクア』!」
セイカの左で冷静にヴァリーリアンが名乗り、水色の爆発が起こった。
彼のポージングは眼鏡のブリッジを中指で押し上げ、曲げている肘にもう片方の手を添えたもの。そう、彼の強化スーツには眼鏡がついているのだ。こだわりが凄い。
「調教されたい奴は誰だ? 『ディヴァースシルヴァー』」
イクシアの向こう、エフェドラが淡々と名乗り、銀色の爆発が起こった。ともすれば銀はグレーに見えるので、ラメ入りでキラキラしい。
彼女の声は張っていないのによく通り、軍服を着てコートを肩にかけている時と同じ、腕を組んだ立ち姿だ。名乗りに対しては敢えてツッコまない。たとえ大半のザッソー兵がざわついたり、大幹部の緑の人が臆した感じになったとしても。
「デュラムから来た用心棒、『ディヴァースゴールド』!」
ヴァリーリアンの向こうでロメロが名乗り、金色の爆発が起こった。こちらもラメ入りで金キラだ。
人差し指と親指をL字に伸ばして拳銃の代わりにし、一発撃った仕草をして銃口にあたる指先に息を吹きかけるキメポーズをとる。キザだ。
各人の紹介は終わった。次が最高の山場である。
「希望を架ける虹の戦士!」
『特虹戦隊ディヴァースⅤ!』
セイカの前置きを合図に、戦隊名の初名乗りも全員でピッタリ揃い成功した。
直後に轟音が響く。
これは多分、この上なく高温で朱〜白色に大きく爆発するナパームだ。でも熱くもなんともないし、音に驚くこともない。流石は進んだ世界の科学力で作った強化スーツだ。
「ええい小癪な! 者共、やってしまえ!」
『サーッ!!』
〝青の薔薇〟が腰の剣を抜きセイカ達の方に向けて命じると、ザッソー兵が一斉にかかってきた。
ストックが尽きました。
次回からは書き上がったら更新することになります。
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