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異世界で戦隊ヒーローのレッドをやっています!〜特虹戦隊ディヴァースⅤ〜  作者: 天ノ河あーかむ
第1輪「きみがレッドだ!」
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金色と結成!

「やれやれ、やっとオレの番がきたか」

 カウボーイコーデの人は六角テーブルから脚を下ろし、カウボーイハットを頭に被りなおす。

「隊員ナンバー05『ディヴァースゴールド』ことオレの名は、ロメロ・ザ・ハートブレイカー。少佐と同じ二十二歳、デュラム星人だ。特技は百発百中の射撃。大昔、地球で流行(はや)った西部劇、特に『マカロニ・ウエスタン』と呼ばれているイタリア産西部劇に興味があって日本に来たところを、シャーリー司令官にスカウトされてな。セイカ、ユーと同じ民間人出身だ」

 よろしくな、とカウボーイコーデの人改めロメロは、人差し指と中指を立てて帽子のつばを少し上げ、キザにウインクする。

 小麦色の肌に外ハネした濃い金髪、紺碧色の瞳。カウボーイハットとオーバーズボンは白黒まだらの牛革で、装飾に凝った拍車をつけた黒革のブーツを履いている。二挺拳銃の使い手なのか、腰の左右には拳銃がホルスターに収まっている。

「ロメロの故郷のデュラム星は、そのマカロニ・ウエスタンの世界に非常に酷似しているのです」

「その通りだ。本場イタリアよりマカロニ・ウエスタン好きが多い日本の方が作品が残っていると聞いて探していたんだが……本当にそっくりで驚いたぜ」

 テレビ番組だったものから映画まで、沢山の作品を観たそうだ。

「セイカはマカロニ・ウエスタンを知っているか? あったとしても観る機会がなかったかもしれないがな」

「……知っています。といっても、わたしがいた世界でのものですけど」

 叔母は『マカロニ・ウエスタン』も好きだった。埃と汗に塗れたリアル路線の作風もセクシーだが、主役はもちろん悪役達もとってもカッコ良いウエスタンコーデの作品もあって「流石オシャレの国、イタリア!」と萌え萌えした。(正確にはスペインなど二、三の国との合作の場合もある) セリフのない間とBGMの融合が素晴らしく、大抵の物語が男率激高なので『腐』な見方や会話をアテレコしたりして、叔母と一緒にキャーキャー言っていた。

 また、日本人のマカロニ・ウエスタン好きは相当で、特に音楽は様々な時代劇から子供向けのアニメまで、近年では失敗しない女医の主BGMに、明らかにその影響と判る曲が作られている。最近では驚くことに女の子だけの戦士番組でも、ラスボスと対峙した時に西部劇演出(枯れ草(タンブルウィード)が風で転がってゆく)が見られた。戦隊シリーズでは昭和の頃は年に一度はウエスタン回があったし、今でも何年かに一人はカウボーイキャラが出る。

 そんなキャラの担当がこの人なんだな、とセイカは思った。

「わたしは断然『イタリア語版日本語字幕派』です」

 最近BSでの放送が増えてきていたが、英語版だった時のがっかり具合といったらない。

「お、セイカは分かってるな! マカロニ・ウエスタンはやっぱりイタリア語じゃないとな!」

「はい、魅力半減どころじゃないです」

 あのイタリア語の荒々しさも『マカロニ・ウエスタン』というジャンルの不可欠な要素なのである。

 ロメロも同じ考えのようで、気を良くした彼は、

「まあオレのことは〝デュラムのジェンマ〟と呼んでくれ」

 と、またキザにウインクした。

「え……それはちょっと」

 ジェンマといえばイタリアの大スター。イタリア人に怒られるのでは?

 こちらの世界のマカロニ・ウエスタンも元の世界と変わらないのかな。時間があったら是非とも調べてみよう。

「だよねー。なにスター気取ってんだか! 大体、自分で『ハートブレイカー』って名乗っちゃうなんてイタスギ!」

「宇宙中を放浪したが、事実、オレの二挺拳銃に(かな)うヤツはいなかったぜ? 何人泣かせてきたことか」

「ちなみに、デュラム星人は名前のみを親から(もら)い、成人したら通称を苗字とします」

「だからってハートブレイカー……ないわー」

「いや聞こうぜオレの話を二人とも!?」

 ヴァリーリアンはロメロのモテ自慢を完全無視し、イクシアはまだ通称をいじっている。

 ロメロは長身(百九十センチ近く? 少佐よりは少し低い)でイケメンで低音イケヴォなのに、カッコつけが愛嬌になる二枚目半キャラだ。どこか安心する雰囲気だと思ったら、一般人だったし。

 緊張する本格派美形は少佐一人で十分である。

「ハイハイ、自己紹介は終わったわネ! セイカちゃん、詳細を知りたければこのコンソールで調べてネ!」

 シャーリー司令官は手を二回叩いて自分に注目させ、セイカを見て六角テーブルを指差した。そして、

「これで五人集まったワ! やっと『ディヴァース(ファイヴ)』を名乗れるわネ!」

 と言った。

 エンブレムの『Ⅴ』は『ファイヴ』で正しかったんだ。『D』で『V(ヴイ)』は問題あるもんね。

「じゃあミンナ、立って!」

 シャーリー司令官は指示を出し、全員を起立させる。

 何が始まるのか分かっていないセイカにイクシアが上体だけを近付けて、「司令官が宣言した後、右手で敬礼して『了解!』って言うんだよ」とこっそり教えてくれた。

「ではたった今、この場で『特虹戦隊(とっこうせんたい)ディヴァース(ファイヴ)』の結成を宣言する! 諸君らの活躍を期待する! 以上!」

『了解!』

 教えてもらったとおりにすると、五人の答礼が見事に揃った。

 一体感が凄い!

 セイカはこの時、確かに悪の組織から地球を守る宇宙政府軍の軍人になったのだと自覚した。

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