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バイオレンス賢者

「大変だー!近くの山にキングオーガが二匹発生した!このままだと村が襲われる!」


 俺達が外で喜んでいると、山から帰ってきたと思われる村人が青い顔をしてそう言った。


 キングオーガは唐突に発生して暴れまわることで有名なモンスターであった。

 

 そして、まあまあ強いことでも有名だ。


 しかし、Aランクの冒険者一人で何とかなる強さなので、たとえ二体でもSランクのヨリアのだけでも勝てる相手だろう。


「俺達が退治します。ヨリア、行こう」


「待って」

 

 俺がヨリアに呼び掛けると、ルミネが反応した。


「私も行くわ。久しぶりにバイオレンスが欲しい気分だから」


「それいいね!とっても心強い!」


 ヨリアがルミネの提案に賛成する。


「それじゃあ、俺とヨリアとルミネさんでキングオーガ討伐に行くって感じでいいかな」


「賛成!」


「それがいいと思うわ」


 こうして、俺達は戦闘準備を始めた。


「ルミネ……気を付けるんだぞ……」


「大丈夫よ。ちょっとバイオレンスを味わうだけだから」


 ジルコニウスはやはり親ということで娘のことが心配なのだろう。


 にしても、ルミネはやけに『バイオレンス』という単語を使う気がする。





 それはさておき、準備を終えた俺たちはキングオーガの発見者の村人と共に山に入った。


 山に入ってからしばらくすると、キングオーガのものと思われる叫び声が聞こえる。


「近いね…」


 ヨリアそう言ったその時、キングオーガがこっちに向かって走り出してるとしか思えない振動音が聞こえた。

 

「来たわね……」


 そう言うとルミネはトゲのついたバリアを展開した。


 やがて、キングオーガが姿を現し、ルミネのバリアに斧を振るう。

 

 ガッシャアアン!


 しかし、斧の方が壊れてしまった。


「今よ」


 ルミネの合図でヨリアは剣でオーガに降りかかり、俺は魔法でオーガの痛覚を100倍に、ヨリアと自分自身の痛覚4分の1にした。


 

「グアアアアアアアア!!!」


 ヨリアの剣で傷つけられたキングオーガが派手に咆哮をあげる。


 そして、即死してしまった。


「ねえ、カノス。一つお願いいいかしら」


「お、なんだ」


「二匹目のキングオーガには痛覚増幅魔法かけないで。さっきは物足りなかったから」


「わかった」


そんな会話をしているうちに、二匹目のキングオーガがバリアに向かって突進してきた。


しかし、バリアによって突進は防がれ、キングオーガは血まみれになった。


「いいわね。バイオレンスって感じ」

 

 そう言ってルミネは4っつの刃が付いたブーメランを魔法で放った。


 ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!


 キングオーガの四肢がちぎれた。


「グアアアアアアアアアアア!!!!!!」


 キングオーガが先ほどよりも苦しむ。

  

「やっぱりバイオレンスっていいわね。最高。」

 

 明らかにルミネのテンションが上がってきている。


「それじゃあ、これで終わらせようかしら」


 そういうと、ルミネはなんと巨大な斧を召喚して手に持った。


「レッツ!バイオレンス!」


 謎の決め台詞と共にルミネがキングオーガの首を斬るべく斧を横に振る。


 すると、キングオーガの首は斬られ、当たり一面大量の血しぶきが散った。


 俺とヨリア、ルミネ、案内してくれた村人は血まみれになった。


 そして、キングオーガの遺体はほかのモンスターもそうであるように跡形もなく消えた。

 

 

 

「おい、3人とも血しぶき浴びまくって大丈夫か?」


 俺は仲間たちが心配になったのでそう呼び掛けてみた。


「気持ち悪いです…」


 案内してくれた村人が弱弱しく答えた。


「いや~いい体験だったよ!」


「どんだけポジティブなんだよ」


 ヨリアは前向きにとらえていた。


「いや……ほんと申し訳ない。私、戦いのときはバイオレンスが欲しいあまり、めちゃくちゃグロいことしまくる癖があって……待って、洗浄魔法かけるわ」


 ルミネはきちんと有言実行して俺達に洗浄魔法をかけてくれた。

 キングオーガの血が瞬く間にとれていく。

 

 そして、俺達は帰路についた。





「よくやった!村を救ってくれてありがとうございます!」

「あなたたちのおかげで我々は枕を高くして寝れます!」

「カノス、ヨリア、ルミネのお三方にバンザーイ!!」


 村に帰ると、村人の方々から称賛された。


 そして、俺達三人は胴上げされた。


 その後、俺達をたたえるための宴が始まり、村人たちは酒を飲みまくり始めた。


 数時間ほどで宴は終わり、俺とヨリアは宿に戻った。


 すると、ルミネが訪ねてきた。


「少し時間をいただいてもいいかしら」


「いいぞ」


「あなたとヨリアさんってパーティー組んでいたよね」


「そうだ」


「もしよければ、仲間に入れてくれないかしら。バイオレンスは自重するから」


 俺はそれを聞いてヨリアを呼んで相談することにした。


「いいと思うよ!賛成賛成!」


 ヨリアはルミネの加入を賛成してくれた。


「と、いうわけでこれからよろしくな。ルミネさん」


「さん付けはいらないわ。私もヨリアさんと同じく呼び捨てで呼んで欲しい」


「わかった。あらためてよろしく、ルミネ」


 こうして、新たなメンバーがシードルズに加わったのであった。

本日は予定を変更して、17:00すぎにも投稿したいと思います!


面白いと思った方は、ブクマ、評価、感想をどしどしお願いします!

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