ソーク、宇宙に追放される
王城の中庭にて、ソークは拘束された状態で沢山の魔法使いに囲まれていた。
ソークは魔王が力尽きたあと、身柄をカノスたちから国に引き渡された。
ゼルエン王国の法律では、魔族に味方することは死罪であった。
しかし、ソークは不死身の存在になっていたため、ギロチンでいくら首を斬っても生き返ってしまった。
国はソークの処理にさんざん悩んだ結果、過剰な浮遊魔法をかけることで空より高い場所である『宇宙』に追いやるという方法で処刑することが決まった。
「これからお前を宇宙に追いやるが、最後に言い残すことはあるか」
魔法使いの一人がソークに語りかける。
その瞬間、ソークはものすごい勢いで命乞いをした。
「嫌だ!!嫌だ!!宇宙になんて行きたくない!!やだっ!!やだっ!!やぁだぁぁぁああああ!!!わああぁぁぁあああぁぁぁあああん!!!!やだっ!やだっ!」
「さて、それでは処刑を始める!」
ソークが大号泣する中、魔法使いの一人が号令をかける。
すると、彼らは一斉にソークに過剰な浮遊魔法をかけた。
「うぎゃあああああああああ!!!」
ソークの体が矢のごとく空中へと飛び立った。
そして、しばらくしないうちに彼の体は見えなくなった。
「あれってなんなんだろう」
たまたま王都にいたウニョが、打ち上がるソークを見てそう言った。
「さあ……なんなんだろうね……」
ウニョの近くにいたローゲも、それがかつての仲間であることには気づかなかった。
ソークは宇宙ゴミになった。
身体は何度も死亡と復活を繰り返しているが、精神は壊れたまま永遠に治らないだろう。
それはもう、人とは呼べない何かであった。
次回、最終回!
今夜投稿予定!