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枕投げ古文書

王都に帰ったあと、俺たちはギルド本部に新種ゴーレムの破片を渡し、報酬の転移石を10個貰った。


そしてその晩、宿屋に泊まった俺たちはみんなテデザの部屋に集まった。


アンシャン遺跡で拾った本をテデザに翻訳魔法を使ってもらい、解読するためである。


翻訳魔法とは、古代文字が今使われている文字に見えるようになる魔法である。


なお、効果は近くにいる人にも発揮される。


「じゃあ、行きますよ!『翻訳魔法』発動!」


 その瞬間、俺は異常なほどの魔力が自身の身体に流れてくるのを感じた。


 テデザは魔力が過剰なため、彼女が発動した魔法を受けると、魔力が入っていく感覚を感じることができるのだ。


「ぞくぞくするね…」


「この独特の感覚、たまらないわね…」


 どうやらヨリアとルミネも同様の感覚を感じているようだ。





「じゃあ、開けますね」


 そう言ってテデザは本を開いた。


 本はこのような一節で始まっていた。


『枕投げは最も手軽で効率のいい模擬戦である』


「なにこれ…」


 最初に困惑したのはルミネであった。


 それから俺達は本を読み進めていった。


 そこには、枕投げが模擬戦の形式としていかに有効かが多数の根拠をもとに書かれていた。


 俺達はいつしかその文章に圧倒されてしまい本を読破したあと、きちんとした準備のもと本格的な枕投げをする方針を固めることとなった。


 


 本を読んだ翌日、俺達は本格的な枕投げに向けて準備を始めた。


 まず、枕を8個ほど購入した。


 枕の数はある程度あったほうが戦略に幅が出ると本の中に書いてあったからである。


 次に、チーム決めをした。


 くじの結果、俺とヨリアのチームとルミネとテデザのチームで戦うことになった。


 なお、明確な勝敗は決めなくてよいと本には書かれてあった。


 そして、多少うるさくても大丈夫なところで行うため、枕8個をもってルミネの実家があるエストウ村に帰った。

 

 ジルコニウスさんは本格的な枕投げをすることに対し、理解を示してくれた。


 こうして、枕投げをする準備が整ったのだが、ここでジルコニウスさんが一つ提案をしてくれた。


 なんと、俺達4人分の枕投げ専用衣装を作ってくれるというのだ。


「父さんは昔、裁縫師か鍛冶師になるかで相当迷ったらしいわ」


 そう言ってルミネがジルコニウスさんが裁縫ができる理由を説明してくれた。


 俺達はジルコニウスさんの提案を受け入れた。


 ちなみに肝心の生地は家にたくさんあるらしいので、王都から調達しなくてもよいそうだ。


 完成には2.3日かかるそうなので、俺達はそのあいだに枕を投げる練習をしたりした。





 そして数日後、衣装が出来上がった。


 こうして、俺達の枕投げが始まろうとしていたのであった。 

なんとか深夜になる前に間に合いました!


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