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あのモノリス、俺がやったのかもしれない

「タスマ州の渓谷の中で、謎のモノリスが見つかりました! これは今世紀最大の発見として、科学研究Matureの専門家チームがモノリスの調査に乗り出しました! 運搬できる道が存在しないため、いつ、どのように作られたのか注目されています」


 ハンバーガーとコーラLLサイズを口に運びながら歩いていた青年は、街頭の大型ディスプレイに表示されたニュースを見て、硬直した。


--あの鋼鉄、何か見覚えが…… え?あれ輸送中に紛失したやつじゃねーか! あの公有地、輸送コストケチるためにショートカットした時のルートだ…… 通りで見つからないわけだ。 これは非常にまずくないか?


 彼の名はポール・A・ジョージ。26歳でA国のタスマ州に住んでいるごく普通の運送屋だ。長男だからとポールの父親が会社を無理やり継がせてきたため、仕方なく旧式の中型輸送機を修繕し、輸送業を続けていた。


 全Aが沸き立ったモノリスのニュースは、輸送機が意図せず落とした鉄鋼だったのだ。ジョージは1年ほど前に友人の依頼で請け負った鉄鋼2トンを輸送する際、積載限界を無視して3枚同時の積み込みをした。空輸の途中で、揺れで劣化した鎖が壊れてしまい、鉄鋼1枚がどこかに落下したのだった。

 空輸中の落下は、エリアを管轄している所に連絡する決まりとなっている。幸いにも、私有地や人の多い住宅街ではない、だれも人が入らない国の私有地に落下したため、人的損害は起きなかった。

 輸送中に紛失した鉄鋼1枚は、なかったことにして製造先に追加で1枚依頼して補った。実際の出来事は話さず、依頼主には積載枚数指定ミスとして、後日不足分を輸送して事なきを得た。1枚4000ドルを追加で買ったため、大赤字となってしまったが仕方ないと割り切った。

 後日通ったルートを何度も見て回ったが結局見つからず、断念した。ジョージは無許可で公有地横断したことがバレることを恐れ、紛失届けを出さなかった。


 2か月後に偶然、軍隊が見つけてニュース沙汰になるとは、ジョージは微塵も思っていなかった。


 青ざめながら見上げていたジョージの横で、手洗いからリサが戻ってきた。リサは仕事で知り合った依頼主の娘で2つ下の24歳。ポニーテールで、白い文字入りシャツにショルダーサックをぶら下げている。リサとは付き合って3か月になる。


「あ!このニュース。モノリスみたいなやつ、これこれ、チックドックで流行っていてさ、これこれこういう動画があって……これ見て!」

 アイポンイレヴンに表示されたダンス動画を見てはいるが、内容が頭に入ってこない。この不始末をどう説明してどう終わらせるか、ジョージは頭の中でぐるぐると回して考えていた。


「あ、ああ。面白いなこれ……」

「どうしたの、大好きなハンバーガー食べてるのに気分よくなさそうだけど、大丈夫?」

「あのさ……決して冗談じゃなくて、真剣に悩んでいるのだけど……話を聞いてくれないか?」


 目は疲れきっているが、真剣な面持ちでリサに話しかけるジョージ。ただ事ではないと直感するリサ。もしかして告白や別れ話の事!? と身構える。


「いいよジョージ! 悩み事なら何でも聞いてあげる、何?」

 リサは笑顔でジョージの手を取り、一緒に手をつないで歩きだした。


「ニュースのさ、あのモノリス……なんだけど」


 ジョージは頬を指先で何度も何度もこすりながら空一面を見て黙り込んだ。数十秒、悩みに悩んで何も話してくれない。リサは言いにくいことなのだろうと、ジョージが言葉を発するまで緊張しながら待った。車やタクシーが横を通る雑音の中、一緒に歩いていたジョージはゆっくりと立ち止まり、重い口を開けた。


「あのモノリス、俺がやったのかもしれない」

寝ているときにモノリスニュースを思い出して、タイトルとストーリー妄想したら寝れなくなりました。悔しいので書き残します。誤字・脱字、改善アドバイス等、頂けるととても嬉しいです。時間返してください、よろしくお願いします。

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