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寿町の星  作者: 播磨王65
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28話:陽子が近所に引っ越しきて結婚へ

 その後、夢想善一が橫浜市立西中学校に電話して、学校の都合の良い8月5日金曜日に両親と子供2人で面接と必要書類をもらいに、西中学校を訪れた。山梨での成績表を見せ、賢一と賢二が別々に面接を受け、問題なしと言われた。その後、必要書類をもらって、山梨の中学のハンコを、ここに押してもらってきて下さいと言われた。そして西中学を後にした。家に帰ると世之介が、賢一と賢二にどんな感じがしたと聞いた。


 校庭が小さい印象と、車が多いので注意して歩かないと交通事故が危ないと思ったと率直な意見を述べた。8月29日に善一が、賢一と賢二の必要な洋服下着、本、ノートパソコンを車に乗せて来て、引っ越すよりも、橫浜で机と椅子と2段ベッドを買って、設置した方が良さそうだと言って、賢一と賢二と共に橫浜駅へ行った。そして、電気屋で全自動洗濯機、冷蔵庫、二段ベッドと布団、椅子と机と整理タンス、簡単な茶タンスと組み立てのラックを買い本箱にするように言った。


 これで、生活できるだろうと言った。朝食と夕食は、うちに来なさいと、世之介が言った。そして、孫の賢一と賢二を入れて5人の生活が始まった。朝食は基本、朝7時半、昼食は12時、夕食は18時半としますと言うと、わかりましたと孫達が言った。その後、ホテルニューグランドで結婚式を2011年10月24日・日曜日に行うと告げられた。そして池田君の亡き後、妹の池田菊子さんを弁護士の所へ連れて行き、戸籍謄本を取った。


 そして実の妹である事、両親が死亡していないこと、兄弟もいないことを証明した。そのため1億円を遺産としてもらえると言われ、その書類を作成してハンコを押した。数日後、1億円が池田菊子さんの口座に振り込まれた。その手続きが終わり、まだ残金が、これだけあると池田君の通帳を見せると、これだけあれば十分ですと言った。いろいろ、ご面倒かけたの残金は、夢想さんが、お受け取り下さいと言った。


 しかし、池田君との男同士の約束を反故にするわけには行きませんと言い、継続して100万円ずつ、お渡ししますと言うと、わかりました。そのお金は、東日本大震災の震災孤児への募金に100万円ずつ、定期的に送金して下さいと言った。そこで、池田君のソニーバンクで買った175万豪ドルがあったと思い出した。その話を娘の陽子に話すと、妹さんの名義に変更する事ができると言われ、池田菊子さんに直接会ってもらい手続きを終えた。


 これで、池田君の資産の処理方法に段取りがついたと世之介が安心した。やがて10月24日を迎えてホテルニューグランドでの夢想陽子と豊富功の結婚式の日を迎えた。その日は正装でタクシーでホテルに夢想夫妻が10時に到着し11時からの洋式結婚式に臨んだ。宣誓を終えて指輪交換、世之介は陽子と一緒にバージンロードを歩き豊富功君にエスコートを交代して、みんなが祝福する場所に出て行き最後のブーケトスをして終了した。


 12時から披露宴会場に行くと60人を超す参加者に、驚きながら席に着いた。そして司会者に促された、両親が陽子さんへのスピーチを話し始めると、奥さんが世之介と会った貧乏な時代を思い出して、声をつまらせたが、何とか話し終えた。その後、若い人たちで2次会へ行った。そして、明日から2泊3日の沖縄旅行へ2人が出かけると聞いていた。そして新婚旅行から帰ってきて高そうな大きなパイナップルとメロンのセットが宅急便で送られて来た。


そして橫浜から東京への陽子の通勤が始まったが混雑を避けるように2人とも早めに家を出るようになった。そうして、足早に寒さと共に、師走へ入り2012年となった。振り返ってみれば2002年反トラスト法による米国コンピューターメーカーによる日本と韓国4社、合計で100億円を超える巨額の損害賠償金額の支払いから赤字への道が始まった。その後の2007年のパリバ·ショックや2008年のリーマン·ショックとなった。


 それに続いて2010年の欧州ソブリン危機のようなサブプライム住宅ローン危機に伴う世界金融危機が立て続けに起こる中で、日本のみが金融緩和政策をとらなかったことで諸外国との予想実質金利差が拡大し交易条件の動きと大幅に乖離した超円高が何年も持続した。これにより実質生産性成長が著しく日本の比較優位産業である電機産業の中でも筆頭格の半導体事業を手掛けるエルピーダメモリは勿論のことながら、他の比較優位産業も含めて、その収益性が大幅に悪化し続けた。


 何故ならば比較優位産業「輸出企業」の他国との相対的な収益性の変化は為替レート円高により、著しく収益が悪化し赤字に落ちた。日本ではDRAMやフラッシュメモリを含む電機・電子産業で特のその傾向が強い。この年は半導体メモリDRAM大手のエルピーダメモリが2012年2月27日に会社更生法適用を申請し経営破綻した。


 これについて経済学者で第2次安倍内閣の内閣官房参与を務める浜田宏一が「日本銀行がエルピーダを潰したと言っていい」と発言した。円高を放置し有効な手を打てなかった日本銀行の政策のまずさにより円高をもろに受け日銀から多額の融資を受け続けても潰れていった多くのハイテク企業があった。

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