２５話：池田君の退院と東日本大震災
そして２００９年１２月３１日に池田君は退院してきた。そして、１月１日に新年の挨拶と共に退院の挨拶に来た。顔色も良くなり、幾分スリムになった感じがしたので聞くと、病院食がまずいお陰だと笑っていた。そうして、２０１０年を迎えた。２０１０年１月１２日、マグニチュード７の巨大地震がカリブ海の島ハイチで起きた。首都のポルトープランスでは大統領府や国会議事堂を始めとする多くの建物が倒壊し、天井・床が重なって潰れるパンケーキクラッシュを起こしている。
このため、地震直後は大統領や閣僚すら屋内に寝る場所がなく、ホームレス状態となった。２月３日、ジャン＝マックス・ベルリーヴ首相は、政府の集計で死者が２０万人を超えた事を議会上院に報告、ルネ・ガルシア・プレヴァル大統領は１月１０日に１７万人を埋葬したと発表、１月９日と１０日にはラセグ文化・情報相が死者はそれぞれ２３万人・２１万人と発表、ビアンエメ内相は２１万７千人余りの死亡を確認したとしているなど、政府内の死者数の情報は混乱した。
３月１７日に開かれた復興支援会合では、死者２２万２５７０人、負傷者３１万９２８8人、行方不明者８６９人、被害総額は７７億５千万ドル余りだと発表された。２０１０年１月１２日、ベルリーブ首相は記者会見で死者が３１万６千人以上に達したと発表したが、震災後に行われた集団埋葬のために正確な数の把握は難しいものとなっている。また、水道や電力供給網等のライフラインにも壊滅的な被害が及んでおり、ポルトープランスの４分の３が再建の必要があると見られている。
今回の地震に伴いハイチ政府の選管当局は２月と３月に予定していた議会選挙の無期限延期を決めた。この災害に世界から支援との手が差し述べられ世界銀行、米国１億ドル、日本７５００万ドル、サウジアラビア５０００万ドル、イギリス、ブラジル、韓国「民間を含めて」１千万ドル、インド５千万ドル、中国３６０万ドルの援助が行われた。２０１０年１月１９日、経営不振・債務超過を理由に日本航空と子会社含めた３社が東京地方裁判所に会社更生法の手続を申請、受理された。
企業再生支援機構を支援者に経営再建の道を図ることとなった。２０１０年２月１日、大西賢・日本エアコミューター代表取締役社長が社長兼グループ最高執行役員に、稲盛和夫・京セラ株式会社代表取締役名誉会長が会長とＣＥＯ「最高経営責任者」大西・稲森体制及び新経営陣発足。引き続き企業再生機構が支援。２０１０年２月２０日に上場廃止となった。
池田君は、毎月、けいゆう病院に通院していたが体調は良さそうで以前よりも一緒に散歩する回数が増えた。そして暖かくなり３月に熱海の桜祭り見学をかねて夢想家の３人と共に熱海温泉に泊まった。世之介と一緒に風呂に入った時に手術の後を見せたが意外に小さかった。その後、毎月、平日の昼に横浜中華街に行き昼食を食べるの楽しみにして、いろんな店を食べ歩いた。そうして暑い夏を迎えて、今年は、特に暑さが厳しくエアコンの効いた部屋で、疲れたら昼寝をした。
そして体調管理に気をつけた。兼松幸子さんが毎回、池田の分まで料理を作ってくれた。それでは悪いと食事代として月に４万円ずつ池田が兼松さんに料理代を支払った。そして年の瀬も近い２０１０年１１月２３日に北朝鮮軍が朝鮮半島西側の黄海で韓国側の島に砲弾数十発を撃ち込んだという、とんでもない情報が流れた。情報によると砲弾が撃ち込まれたのは民間人も暮らしている延坪島で攻撃により韓国側の兵士２人、民間人２人が死亡した。
延坪島は海の軍事境界線の近く、北朝鮮からは１２キロの距離にある。砲撃は１時間にわたって続き、島では火災が発生。住民１７００人あまりには避難命令が出された。北朝鮮軍は国営メディアを通じて声明を発表し韓国側が北朝鮮の領海に砲弾を撃ち込んできたことに対して「即時強力な物理的打撃で対応し、断固とした軍事的措置を取った」と主張。韓国軍はこの日、延坪島付近で軍事訓練を行っていた。
しかし韓国や国連軍が定めた海の軍事境界線と北朝鮮が主張する境界線が異なっているため北朝鮮は、韓国側が先に領海を超えて攻撃した。これ以上の挑発があれば断固として報復すると強調した。国連では、アメリカと韓国、日本を中心に、安全保障理事会の開催も視野に協議を始め、関係各国との連携強化を確認。国連のパン・ギムン事務総長は北朝鮮の砲撃を批判する声明を出した。
一方、北朝鮮に影響力を持つ中国は、韓国・北朝鮮の双方に対し「冷静さを保ち出来るだけすみやかに話し合い再発を防止するよう呼びかけたい」とした。そして中国側の思惑通り、その後、沈静化が図られた。しかし日本では韓国と北朝鮮の衝突は直接、地理的に近い位置にしている関係で神経をとがらせていただけに、この事件で肝を冷やしたというのは事実だった。
そして１２月になり、やがて２０１１年を迎えた。この年も夢想家では、冬に流行するインフルエンザにかからないように注意して過ごしインフルエンザにかからず済んだ。そして暖かくなり始めた３月１１日に日本で大事件起きた。それは３月１１日午後１４時４７分、東北地方の太平洋の海底を震源地とする大きな地震だった。東北で最大震度７を記録して橫浜の超高層ビル、ＭＭタワーでも大きくて長い時間の震動が起きたが揺れの大きさは、それ程大きく感じられなかった。
また液状化現象が全くなかったのも千葉の浦安とは対照的だった。その理由は高層マンションを建てるために地盤の強化に万全の対策を講じたからだった。そして電気は少したって回復しオール電化であったために調理も自由にできるようになった。その他、驚くことに東京から５００ｋｍも離れている大阪の臨海部に建つ大阪府咲洲庁舎は、長周期地震動の影響をまともに受けた超高層ビルの一つだ。最上階の５２階は左右に最大２.７メートル振幅する揺れが１０分間も続いた。
天井の落下や壁の亀裂などの損傷が約３６０カ所発生。エレベータは全３２基が停止、うち４基で人が５時間近くも閉じ込められた。大阪市内の揺れは最大で震度３だった。
