2話:株投資に挑戦と縁談話
1972年も池田の継続的に食料援助で夢想の経済はプラスになった。夏の池田のボーナスでクーラーを買ってくれブレーカーも大きくしてもらった。そして何とか夢想も暮らしていた。やがて夏が過ぎて秋になり12月に池田が2人で忘年会をやろうと上野の食堂で酒とすき焼をご馳走してくれた。これには、さすがの夢想も帰り際に、この借りは、きっと返すと、言い切った。やがて1973年となった。夢想が近くの神社に初詣でに行き今年は、商売繁盛、健康祈願をして来た。
1月16日にホンダ株が上げてるから330円で全株、3千株売れと言われお願いすると、夕方に330万円で買え、残金が25万円になったと連絡が入った。そして今年はアルバイトの人数を週に2回の高校生だけにし月謝を5千円から6千円に上げ20人で月12万円を稼ぐようになった。そして池田も継続して食料の補充をしてくれた。また夏になり秋が過ぎ12月を迎え、やがて1973年となった。
その後1973年4月7日にホンダ株が上昇してるとN証券の池田から電話が入り指示通り320円で売り昼に売れたと言われた。その結果、利益590万で投資残金612万円になったと報告された。あまりの金額の大きさに、だましてるのじゃないよなと言うと、お前をだましてどうすると大笑いしながら、まーとにかく、おめでとうと言ってくれた。そこでアパートを引越し月4万円の1DKに引越し自炊をし御飯を一度に炊き、冷凍して、おかずも暇な時に多めに作り置きた。
そして冷凍しておくようにし買い食いを極力減らし食費を削った。移動も自転車を買い家庭教師の家へ行く時に利用し交通費を浮かせた。これにより何とかやっていけるようになった。そして、たまに池田君が食事をおごってくれるのに感謝しつつ、お付き合いをつづけた。池田君が夢想に彼女で来たかと聞くと、そんなの無理だと笑いながら言うと、実は夢想と同じで大学を出たけれど会社での人間関係が上手くできなくて退職した。
家庭教師のアルバイトで生活してる女性がいて夢想の話をしたら興味を持ったと言い、今度、紹介しようかというので夢想が是非、お願いしたいと頼んだ。じゃー今年の忘年会を3人でやろうかというと夢想が楽しみにしています伝えた。夢想が池田に証券会社の仕事って大変だろうと聞くと、そりゃー大変だよ、だから、たくさんの給料ももらっているんだ。安い給料なら、とっくにやめてるよと、笑いながら話した。
あまり司や客に文句を言われると頭にきて仕事をやめたいと思う事もあるが我慢して、はやく大金を掴んで40歳代で早期退職したいと考えてると言った。そして実は証券会社の従業員は株投資できないのだが、両親に、お願いして口座を作ってももらい投資資金は現金で渡して証券口座に入れて、その口座を使って投資していると言った。その後、12月24日、上野の居酒屋に岩瀬勝子という以前話した対人恐怖症で正社員になれずに家庭教師で食いつないでいるという女性を紹介してくれた。
背が高く色白の美人で、うつむき加減で声も小さめだった。そして初対面の挨拶をすると、あなたが私と同じ境遇の人ですかと言い、外見からは、そう見えませんねと言うと彼女が先に言っておきますが、臭いに敏感で特に外人が駄目で臭い人、怒鳴る人、威張る人がきらいですと言った。チームで仕事すするのも気を使いすぎるので、できないと言うと、私と同じですねと笑った。すると夢想が料理はどうですかと聞くと、つくるのも食べるのも好きです。
しかし現在使える、お金が少ないので、もっぱら午後4時過ぎの安売りの商品専門ですから料理も決まってしまいますと言った。例えばと聞くと焼きそば、小麦粉、業務用1kgで100円以下で買い、お米は、標準価格米、乾麺類も現金問屋の賞味期限が近い大包装の商品を買って、少しずつ使い、キャベツも外側をむいたものを、スーパーで苦学生だからと言い、無料でもらってると言い、パンの耳も同じ様に無料でもらっていると話してくれた。
しばらくして1974年を迎えた。そして、あろうことか、あの岩瀬勝子が新年の挨拶に来て一緒に初詣でに行き、今後、人生が好転するようにと願ってきた。1974年2月10日の寒い日の朝、N証券の池田から電話が入り化粧品大手の資生堂が下げているから207円で2万株買いを入れろ言われ了解してお願いした。昼に電話で買えたと連絡が入り414万円でかけて残金が投資残金が198万円になったと言われた。その後、岩瀬勝子が池田の家を訪ねてくるようになりった。
そして一緒に食事したるすると安心できると言い一緒に暮らすようになった。すると不思議に経費が少なった様で、お金の減り方が少なくなって、以前よりも生活が楽になり、悩み事も相談でき勝子は安心でき居心地が良くなった。すると不思議なことに2人とも以前よりも性格が明るくなった様で家庭教師の申し込みが増えた。岩瀬勝子は夢想世之介のために炊事洗濯、お掃除をしっかりとして家庭教師のアルバイトに出かけ、以前よりも充実し楽しい生活になったと感じた。
たまに喫茶店のモーニングサービスを食べに行ったり、公園を散歩したりして楽しく人生になったのを実感した。そして何と家庭教師のアルバイト代金の方が生活費を超えるようもなり少しだが預金をする事ができるようになった。少しずつ温かくなると山下公園へ行ったり野毛山動物園に出かけるようになり、岩瀬勝子の顔に笑顔が浮かぶようになり、性格も明るくなってきた感じを世之介は感じた。
この2人を見ていた、近くの自転車修理屋の親父さんが、最初に中古の自転車を1台、タダで譲ってくれた。そして4月に女性用の赤い中古自転車をくれた。店主が若い二人が仲良く歩いているのは気持ちの良いものだと良い服装を見ると金がないのが一目で分かったので寄付してやったのさと笑った。こう言う良い行いをすると、必ず、お天道様が見ていて、きっと商売繁盛してくるはずだと言い世之介の肩をたたいた。