1-4 盗賊村にお仕置きを
常に2~3人の監視がついて来ている中で情報収集。
「結構前の話しになるんだが騎士に追われた子供をかくまったり見かけたりしなかったですか?」
「結構前ってなるとどのくらいだ?」
「5年前くらいです、心当たりはありますか?」
「騎士に追われた奴か~。いやないな、この集落でそんな事あったら結構な騒動になるから覚えてないはずはないと思うが。すまないな」
騒動になる理由はたぶん追われた奴が原因ではなく騎士が原因なんだろう。
「そうですか、じゃあすいません。そこの干し肉を1キロほどください」
「あいよ!力になれなかったからサービスだ、余分に入れといてやらあ!」
そう言って量りに干し肉を乗せていく店員。天秤型か、細工はもちろん施されてるな。明らかに1キロより少ない量で1キロになった。
「25銅貨だ」
「20銅貨で」
「良いだろ!20銅貨に負けてやる」
「ありがとうございます」
相場的には10銅貨だろうな
「お邪魔しました」
「あいよ!また寄ってくんな!」
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ほかのとこでもそんな感じの話ししか聞けなかった。
そしてぼられまくった。
「この器買ってきな!」
「旅に必須なランプはいらないか?」
「お兄ちゃんお花買って~」
「この魔術の本はいらないかね?」
小さな集落の割には売ってるもの多すぎじゃないか?
情報を得るために買ってはいるが高すぎる
「おっとごめんよ!」
と言いながらぶつかってくる奴にダミーの財布を握らせる。
ああ~めんどくさくなってきたな。
いっそのこと全員に罰を与えてやりたいが罪のない奴もいるかもしれないしな。
下手なことをすると全員に伝わるだろうし。
まあ情報はないことはもうわかったから別に警戒されてもいいのだがな…
………宿に戻るか
「すいません、荷物を受け取りに来ました。」
「あら、ずいぶんと遅かったじゃない。今から森に出ると大変よ?」
「いえ、大丈夫です」
「あら貴方知らないの?この辺は夜になると隻眼の巨大なクマが現れて冒険者達の寝込みを襲うらしいわよ?」
「腕には自信があるので」
「この間もそう言って出ていった冒険者達がそのクマにはらわたを食べられていったのよ?だめよ!もうそんな不幸な人を増やしたくないの!」
どうしてもここで止まらせたいらしい……それにしてもクマか…
「そんなに危険なのですか?」
「ええ危険よ!」
しかたがない、泊まるとしよう
「じゃあ一泊していきます、いくらですか?」
「もともと止まる気じゃ無かっただろうし1銀貨で良いよ」
「ありがとうございます。食事と水浴びもいいですか?」
「いいよ、じゃあ1銀貨と10銅貨で」
「じゃあ2銀貨でおつり下さい」
「90銅貨なんてあったっけな~。待っててね」
「はい」
カウンターの奥のドアに入っていく店主と思われる女性。透視の魔法をつけている奴らにばれないよう発動する。
どうやら俺が止まることを集落全体に伝えるために奥に入って行ったようだ。
伝え終わったらしき女性は戻ってきておつりを返した。
「夕飯はもう食べるかい?それとも水浴びしてくる?」
「じゃあ汗をかいてしまったので水浴びをしてきます」
服とリュックはすべて魔法で作ったものと取り換えておいたから問題ない。
まあさすがに服を盗られたりはしないだろうが。
おっと、透視を掛けたままだったな解除しておくか。
いや……このままにしておいた方がいいらしい。
ここを踏めば落とし穴、下には剣山。ここを押せば麻痺毒付きの矢が飛び出る。この水をくみ上げるためのポンプを押せば同じく麻痺毒の矢。
「さて、これは引っかからなきゃいけない罠だろうな。無傷で出たら怪しまれる。向こうはここで決着をつける気らしい」
じゃあ俺も決着つけるとするか
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「おい、もういいんじゃないか?」
「だな。さっさと山に埋めてくるとするか」
「落とし穴踏んだりするなよ?」
「そんな間抜けじゃない」
俺を監視していたやつらが風呂場に入ってくる
「おお、麻痺毒か落とし穴を踏まなかったとは運がいいのか悪いのか」
「これってこっちの声聞こえるんでしたっけ?」
「いや、意識がない。いまの内だろう」
監視役は俺の体を持ち上げて袋に詰めると荷車に詰め込んだ。
「こいつやけに重かったな」
「だな、意外と鍛えてたのかもしれん」
意外ととはなんだそこらの奴には負けないくらい鍛えておるわ!
「じゃあ運ぶとするか」
「ああ」
俺は二人が集落から出ていったのを確認しその目的地に着くまで後をつけていく。
ちなみに俺の姿をしたあれはクリエイトで作った本物そっくりの人形だ、呼吸器官や血管、心臓なども細かく作ってあるのでまあばれないだろう。
「これは………どうやら見てはいけない物を見てしまったらしいな」
山の斜面に作られたドアをくぐりついたその場所は……何百という老若男女を問わない死体が放置されていた。
俺を運んでいたやつらは目的地に着いたあたりで殴って気絶させてある。
しかし…やりすぎだな。あまりいい気分じゃない。
この今にも締め付けられてもれだしそうな感情…あの時、兄弟を失ったった時と同じだ…
この感情を発散させるには…
「それ相応の罰を用意しないとな」
俺は気絶させたばかりの監視役を睨み付け、罪人達の処刑方法を考えた
「本来ならこれは俺の仕事じゃない…しかし、無差別に殺されたこいつらが俺に復讐を望んでいる……何よりもこいつらの家族のためにも…」
復讐に身をまかせ もはや動かぬその体を動かせ さすれば無念は晴れるであろう
死者の祝祭
目の前の死体や皮膚が腐り爛れているもの。もはや肉や皮膚はなく骨だけになり、もはや動くための器官がないものが動き出す。
「罪のないものは殺すな、お前達が死んだ理由を作ったものだけに罰を与えろ」
数百とあった死体は俺の横を通り抜け、その穴はもはや俺だけになった
気絶させた者たちはすでにアンデットたちにより魂を抜かれている。アンデットの能力の一つだ。相手の意識がない場合アンデットは意識がない者の魂を自由に出し入れできる。これは本来悪夢を見せる程度の能力だったが俺の改良で強化されている。
「さて、様子を見に行くとするか」
処刑の現場を見に行くために、俺は気配を消して集落に向かった
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~誰も知ることのない遥か彼方の地~
一人の女性か男性か見分けがつかない者がそこにいた
その者はの横には2人の姿があるが、その姿はその者の輝きで視認することはできない。
美しい
この美しさを超えることは何物にも不可能であろう。そう感じさせるその者の前には大きな滝があり。そこにレットの姿が映されていた。
左横に立つものが口を開く
『この者……何のためらいもなく…』
その姿を忌々しそうに見つめているように感じる
右横の者が口を開く
『自分の過ちに気付けないのであろう。自分の感情に左右されやすすぎる。これから少しづつ学んでいければよいのだがな』
その姿を慈悲深く見つめているような感じがする
二人の中心に座る者が口を開く
《人の死は人が侵してはいけない罪の中で一番重い物。その過ちは決して正せるものではなく、許されるものではない。……彼はやはり
魔王なのだな》
中心に座る者はレットの隣に映し出されている姿を見る
《なぜ、このような事になったのだろうな…》
その姿は成長しているが、確かにルドの姿であった
《我の見た未来にならないよう、二人を一緒に置いたというのに!あやつめ……まさか人間に直接情報を流しおったか…》
その者は目を覆い打開策を思案する
《……仕方があるまい、お前たちに向かわせよう。本来私はこの者たちに関与してはならない。しかもあの二人を森に置いた時点だけでももうこの地に影響を及ぼしている。これ以上の関与はのちの破滅を意味する。》
右隣の者が跪き口を開く
『貴方様の御心のままに』
続き左隣の者が跪きその者に口を開く
『私たちは貴方様の右と左。その手を使うがごとく、私たちをお使いください』
《すまないな、苦労を掛ける》
左右の者たちは立ち上がり、目の前に映る者を見つめその前に立ち、目をつむった
『『では、何か御用の際は私たちの肩を叩きください』』
《ああ、眠りの間は私が二人の体を支えておこう。万が一の無いよう気を付けて行ってきてくれ》
二人が眠りにつく、それはルドやレットのもとに二人が向かったという意味を持つ行為だった
作者です
1日投稿の時より閲覧者がすごく少なくてびっくりしています。
また始めないとかな…
次回投稿は15日の日曜日です
ではまた