初めに
親が言うには僕らは拾われたらしい
普段人の寄り付かない森の中で僕らは拾われた。
1人は金髪の髪が特徴的なルド。
もう一人はぼさぼさな紫色の髪をしたレット。
僕らは双子として育てられていた。
両親はごく普通の夫婦で、父さんは畑と狩人を仕事にしており、母さんは家の仕事と近くの学び舎で先生をしている。
僕たちを拾ったのは運命だと両親は言っている。
母さんは体が弱く子を産めないらしい、その事実を知った父さんは母を安心させるべく大物を狩りに森に入った。
そして僕らは拾われたのだ。
今では僕らも拾われて7年たっている。
母さんが教師なので早めに学び舎に入れた。
2人とも成績優秀。今までの学び舎で1,2位争う天才とはやし立てられた。
互いが互いを鼓舞し、信頼し助け合う。
僕らは双子であり親友であった。
-----------
またある程度の月日が経ち僕らは拾われてから12年の歳となった。
学び舎に通うのは昨年まで
今は2人とも父の手伝いと母の手伝いを交代でこなしている。
二人とも魔法の才能が高く、剣の才能もあるので狩りにもついて行っている。
父は最初のうちは畑仕事だけでいいと言っていたのだが偶然畑に入ったアントグリズリーを僕ら二人で退けた。父は最初は立ち向かった事に怒っていたが次第に仕事に連れてってくれるようになり、今では僕らをあてにしている。
魔法は母に習い、たまたま村に来た魔術師がお酒でべろべろに酔っている所に普段一般人には関わりのない魔法を聞き出し、夜分にこっそり二人で森に入り練習していた。
「へへ!やっぱり魔術は僕の方が上だな!」
「ふん!剣も合わせた俺の方が上さ!」
そんなたわいもない背比べをして日々を過ごしていた。
----------
ある日王都から騎士がこの村にやってきた。
騎士が言うには
「まじないによってこの村から魔王が誕生する事が解った!!今はまだ子供らしいが育てば我らの王国にとって大きな脅威になる!!10~15歳の子供を我らの前に差し出せ!!これは命令である、逆らった者は家族ごと処刑する!!」
との事らしい。
このままでは僕らは死んでしまう。
どうすれば……
村の住人たちは自分の子供を必死に隠しているが騎士が家の中まで入っていき隅々まで探している。中には子供が見つかってしまい泣き出す人たちもいた。幸い2人の家は騎士たちのいる場所からは遠く、2人はまだ見つかっていない。しかしそれも時間の問題だ。森に逃げようにも騎士は村を囲んでいる。
「………おい」
「な、なんだ?」
「………………俺たち親友だよな?」
「は?何を言って」
「父さんと母さんは任せる。お前なら二人を守れる」
だから何を言ってるん……まさか
「おい!!まさか囮になろうだなんて考えてないよな!?」
「さすが親友だな!俺はお前と共に育てられて、とっっっっても幸せだったぜ?」
「やめ」
止める前に出て行ってしまう。止めなくちゃ!
「おい間抜けども!!俺はここだ!!この時期魔王を取り押さえられるものならやってみろ!!」
騎士たちが声につられ追いかけていく……もう……手が届かない
ついには騎士の乗る馬の脚音も聞こえなくなった
俺の親友は村の同い歳達を守るためにこの場を去った。対して俺は…何もできなかった。
「どうして…こんな事に…」
「落ち着け、あいつは村の人たちを。私たちを守るために自ら悪を演じたんだ。私たちはあいつを誇ろうじゃないか。そして祈ろう、、、またいつか会える日が来ることを。」
「あなた……それでも私はあの子と共に……生きたかった……」
母は泣き崩れ、父はその背をさすり瞼を濡らしていた。
僕はそんな姿を見てただただ自分を責めている。
村の近い年の人たちはみんな助かった。ただ一人を除いて。
「ルド……僕はもっと強くなるよ。誰にも負けないくらい強くなって…きっとを迎えに行く。だからルド。絶対に死なないでくれよ?」
僕は必ずこの家へルドを連れて帰って見せる。
僕は頭の角を触りながら誓った。
これは魔王な勇者と勇者な魔王のあまりに悲しい運命の物語
作者です
この作品はゆっくり仕上げていこうと思っています
沢山の人に見ていただけたら幸いです
暇なお友達に「期待の新人だよ!」と広めてください。
開けてびっくり期待の期の字もないというドッキリができます
ではまた次回お会いしましょう
メッセージお待ちしております
ではまた
※次回更新予定は18日の23時です