おぼえる
前の続きです!
クソ暑い中チャリを漕ぐこと10分ぐらい。図書館についた。
すこしだけしか動いてないのに汗がビッチョリで気持ち悪い。
「あーもう、めっちゃ汗かいたじゃん。だから外でたくなかったんだよ。」
「まーまー、いいじゃんいいじゃん。大好きな野球のための練習だと思えばさ!」
「あのな有馬、俺は野球が好きなだけで練習が好きなわけじゃないんだ」
と汗を拭くついでのように答えると武市が
「おっと、出ました。もうすぐやめそうな部員がいいそうなセリフ第2位ぐらいにきそうな言葉。照井部活やめるってよ、ってな」
「ほんとにやめてやろうかこの野郎」
こんなやりとりをしながら二時間ぐらい宿題を進めたとこで
みんなが飽き始めたので帰ることにした。
「照井ー、悪いんだけどこれ片付けてきてくんねー?」
「あぁ、いいぞ」
「ナイス!」
と言って、親指を立ててそのままパンチしてきた。
物理的にいいねを押すんじゃねぇ。
「この本どっから持ってきたんだよ。あっ」
ゴツ。と本が落ちた。ん?ゴツ?これは本が落ちた音じゃないだろ。そう思って落ちたほうを見ると、
「いだい。」
薄茶色のポニーテール女子がいた。
とりあえず怪我がないか確認しないと
「あの、大丈夫ですか」
「うー、大丈夫です、って健吾くんじゃん」
…なぜ名前を知ってるんだ。俺はこんな人見たことない。
だがここで「誰ですか?」と言っては相手にショックを与えてしまうかもしれないから知ってる体で話そう。
「誰ですか?」
あ、やったわ。
「ヴェ…」
やってしまった。相手もビックリしてゲームボーイ版のピカチ○ウみたいな声を出してる。謝らないと。
「すいません、俺あんまり人の覚えんの得意じゃないんで」
まあそもそも女と面と向かって相手にすること自体あまりないことなんだけど。
「いいよいいよ!気にしなくて大丈夫!」
と柔らかく笑ってみせた。いい笑顔だなと感心していると
「忘れられちゃったみたいだから改めて自己紹介するね!
私、美里野未鈴って言います。健吾くんとは中学校から一緒だったはずなんだけど…今度はちゃんと覚えてよね!またね!」
「あぁ、また」
まさか中学校の知り合いだと思わなかった。これは失礼なことをした。こんど機会があったらしっかり謝ろう。
「おーい照井、早く帰ろーぜー」
一足先に外に出ていた有馬と武市が俺を待っていた。
そんなこんなで一日が終わった。
後日
「よーし、席替えすっぞー。お前ら黒板に名前書けー。
あみだくじだ。ってことであとはまかしたぞ。」
クラス一同「「「テキトーだなおい」」」
俺のクラスの担任、古谷古市だ。
めちゃくちゃめんどくさがり屋で古いものや古い考えが大好きだ。
担任紹介がすんだとこであみだくじも終わったようだ。
俺の席はと……窓際の一番後ろ!!これはついてる!
それで隣の席は
「あ、夏休みぶりだね!」
昨日のポニテだった。挨拶しないとな。
「一緒のクラスだったんだ。」
「ヴェ…」
ミスったわ
小説って書くのむずかしー!