冷房
疲れた
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1
おぞましい数のセミが鳴いている。気持ち悪い。セミが死んだふりして近づくと驚かす。やめてほしい。そんなことを思いながら自転車をこいでいる。夏休みに入り練習が午前中で終わったので今はその帰りだ。グラウンドから家まではそこまで遠くないので、割とすぐにつく。そしてあっつい外から冷房の効いた部屋に入る瞬間は最高!!!その感覚を早く味わいたいおれはドアを急いで開けて
「冷房壊れてるから少し我慢してねー、うわ汗クサ」
妹の一言に絶望した。そんなことってある?
「うるせー、風呂入ってくる」
そう妹に告げると
「りょーかい、その間に冷房直してもらうからお風呂上がった時には使えると思うよー」
「うい」
冷房が直ることに安心した俺は気分良く風呂に入り、妹が気を利かせて治ったばかりの冷房をあらかじめつけていたおかげでとても部屋は涼しかった。ナイス妹。
「すずしぃー」
心地の良いソファーに寝っ転がって涼みにながらケータイを手に取りメールを見た。
「あ、有馬からメールきてる」
有馬。有馬東。苗字みたいな名前のやつだ。こいつは同じ野球部でとても明るくムードメーカー的なとこもある。ただ度がすぎるほど人と関わり個人のことを知ろうとするから少しめんどくさい。現にこの前も俺に好きな人を聞いてきた。でもいいやつ。
「今から一緒に宿題かー」
ぶっちゃけ動くのがだるい、がここでだるいから無理とかそういうことは言わないタイプなので行くことにした。
2
有馬の家についた。そこには、武市尊もいた。武市も同じ野球部で有馬と違いよく喋る方ではない。でも観察眼はとても鋭く、「エスパーなの?」ってくらい正確に物事を言い当ててくる。このまえも恋愛嫌いをズバッと言ってきた。すごいやつ。
「おう、照井も呼ばれてたのか」
「行くのだるかったけど、アイス買ってくれるって有馬が言ってたから来た」
「まじか、有馬さん、ゴチになります」
「え、そんなこと一言もいってないんだけど!!しかもなんで武市まで奢ってもらおうとしてるの?無理、無理だから!」
こんなたわいもない会話をするのがやっぱり楽しい。
そんなことを思っていると有馬のお母さんが入ってきた。
「ごめんねー、いまから水道管の修理で業者の人が来るから家使えないの」
「えー、まじかよー。しゃーない図書館行くかー」
「え、だる」
あ、心の声漏れちゃった。
「まあ仕方ねーよ行こうぜ照井」
そう言ってまた暑い中を自転車でこいでいく。
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