表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界のその後の『あるある』 ー『異世界の神様に選ばれました』こぼれ話 ー

作者: 松本 彰

なんで日本ってこんなに異世界の経験者が多いの⁉

五分も歩けば異世界人じゃん!


異世界での生涯を終えて、再び日本に転生させて貰えた境晶人。

日本に戻って見て判ったが、元異世界人多すぎ!


魔王様に勇者に大賢者?

王様に農民なんでもござれだ!


日本ってもしかしなくても異世界より生きづらい⁉


この話は異世界から元の日本に戻って来た人達の

ある出来事を語ったモノである。


現在、連載投稿している

『異世界の神様に選ばれました』で使用した小ネタを元に

書き上げました。


番外編にしようかと思ったのですが、

本編に関係無く、また主人公達にも関係の無い話ですので

短編小説にしました。


ですので、『異世界の神様に選ばれました』を知らなくても読めると思います。


良かったらそちらも読んで頂けると嬉しいです。

『異世界の神様に選ばれました』

http://ncode.syosetu.com/n5642dw/

俺の名前は境 晶人(さかいあきと)一応普通(・・・・)の高校生だ。


一応(・・)なのは俺の通う高校。

私立永清高校は有名な進学校で、俺みたいな普通の成績の奴が通えるハズが無い学校に何故か(・・・)通えてる事。


後は高校で『いきものがかり』って変な活動に巻き込まれている事。

進学校なのに飼われてる動物達の数が半端じゃないんだ。


専用の飼育棟って呼ばれる校舎もあるし、畜産関係の学校にも負けて無いんじゃないか?

なんて言われる位に設備が充実している。


密かに仲買人っぽい先生や、獣医の腕を上げる為に勤務してると豪語する先生まで居るしな。



最後に俺が異世界の経験者であるって事だな。


えっ?

全然一応(・・)どころじゃない?

普通(・・)は有り得ない?


そう思うだろ?

でもそうじゃないんだ。


異世界から帰ってみて知ったんだが、結構日本って経験者が多いんだぜ!


マジで!


今は異世界転生や転移モノの本が溢れてるだろ?

アニメなんかもそうだ。


昔のファンタジーって言えば、その世界の人間が冒険するって話だったろ?


いつから(・・・・)その世界に、他の世界の人間が行って活躍するようになったんだ?


その答えは異世界に行った奴が帰って来てからだ。



俺も結構、その手の本を読んでハマってたからな!


俺が異世界に行ったらなんてありもしない(・・・・・・)夢も見たもんさ。


本当に行くまで(・・・・)はさ。


本なんかだと、勇者とか魔王とか、貴族なんかもそうだな。

その手の主人公が多いよな、最近は変わり種(・・・・)の主人公も出てきたけど。


そう変わり種(・・・・)さ、増えたよな?


行って見て(・・・・・)実感したのさ、そりゃ異世界が沢山有っても勇者とかそんなに居ないよな。


異世界も普通の人が大半なのさ。



俺も日本で結構いい所の会社……商社って言われる海外との取引をメインにしてる会社さ。


スゲエだろ?


そんな会社に勤めてさ、これまた最近ではありふれているテロだな。

当時は殆ど無かったんだが、それに巻き込まれて死んだんだよ。



気が付くとお決まりの『白い部屋』で神様とご対面!


おっ、俺ってば異世界で勇者⁉なんて思ったさ。


蓋を開ければ、俺は商人の子供に転生して普通に商人して大往生よ……ここ笑う所じゃないからな!



それで大往生した訳なんだけど「結局、俺の転生って何だったんだ?」って思う訳だ。


商人に生まれても、いつか(・・・)俺が!ってずっと思って生きて来た訳よ。


そのいつか(・・・)は死ぬまで訪れなかったけどな。



死んだらまた『白い部屋』に居るんだな。


それで神様に聞いた訳よ、俺ってば一体何だったんだ?ってさ。


向こうの世界は日本に比べると大分遅れているから、そのテコ入れの為に転生させたって?

そんなにポンポン勇者創る程、世界を混沌とさせる訳無いだろう?


あっ、なんか納得しちゃった。


それで一応(・・)俺のノルマ?

使命は真っ当してるから、また日本に転生させてくれるらしい。


そう言う事があって、今の境 晶人に転生したのさ。

普通(・・)だろ?


全然普通(・・)じゃない?


じゃお前も体験してみろよ。

全然普通(・・)だって。


5分も歩けば異世界経験者だぜ。


一体どんだけ居るんだよ⁉って思ったよ。


えっ?なんでそんなのが判るのか?


そりゃ普通(・・)あるハズのない魔力を持ってるんだもん。

判らない方が判らない。



まだ小さい時に会った『魔力持ち』の人に言われたのさ。

「勝手に魔力は使っちゃいけないよ。規則だからね。」


判らないようにコソっと使う分には問題無いけどね。


元々商人の俺に使える魔法なんてたかが知れてるけどな。



俺と同じクラスにも一人居るんだぜ。

異世界で元農民!

同じ庶民って事で話が合うんだわ。


な?俺って普通(・・)だよな。




でも、高校3年の時に『いきものがかり』については普通(・・)じゃ無かったって思ったね。


はっきり言ってなんで俺がこんな良い大学推薦取れたんだ?

って思ったら、あの(・・)学校の『いきものがかり』してて成績もそれほど悪くない所が推薦ポイントらしい。


実際、就職もあの(・・)学校の『いきものがかり』なら大丈夫だと会社受けするらしい。


これは異世界とは関係無かったな。



就職って言えばあれだ!


俺もそろそろ就活しなきゃって思ってさ。

前前世?なんか歌のタイトルみたいだけど、商社に勤めていたキャリアを活かそうと思った訳よ。


この不景気な折、大企業もどうなるか判らないご時世だけどさ。

働かなきゃ食っていけないだろ?


だから少しでも仕事が判る(・・・・・)仕事にしようと思ったんだ。


駄目な時は高校の時の元農民(・・・)が親戚の叔父さん所で現農民(・・・)やってるから、そいつに頼もうとマジで思ってたけどな。



就職面接の時に面接官が異世界人(・・・・・・・・)だった時に俺は思ったんだ。


「これは前前世だけじゃ無く、前世の事も役に立つんじゃね?」


それで、その面接官にコソっと言った訳だ。


貴方(・・)なら判ると思いますが、私は勇者をしておりまして、魔王を倒し世界を救って、平和な世界に導いたのです!』


本当に俺の居た世界は勇者が居て魔王を本当に倒したんだぜ。

なんで俺じゃ無いんだ!って当時は思ったけどよ。


『ほう……では私は貴様に殺されたと⁉○○国の商人よ』


なんで俺の事知ってるの?

はあっ⁉マオウってナニヨ⁉


なんでか知らないけど採用されたけどさ………。



この間、久し振りに元農民、あっ現農民か!に会ってその事を話した訳よ。

そしたらソイツ大笑いしてさ。


「あっはははははっ!バ、バカがいる!し、信じられん!馬鹿だコイツ!」


「笑うな!俺はビックリしたんだぞ!なんでこの人は俺を知ってるの?ってな!」


「あははっ、そりゃ異世界ネットワークで面接前に調べたんだろ。事前調査は普通(・・)だからな。」


「異世界ネットワーク?なんだそりゃ!」


「お前知らなかったのか?異世界経験者って結構居るだろ?だからソイツが異世界で何をしていたかを登録してあるんだよ。」


「こ、怖っ!個人情報ダダ漏れかよ!元異世界人に個人情報保護法は適用されないってか⁉」


「元々は異世界に居た仲間を探す為に作られたらしいけどな。

今じゃお前の言った就職の時とか、後は婚活とかに使われてるな。」


「就職に婚活?何でよ⁉」


「結婚して、あまりの浪費癖になんで?とか、下っぱの癖になんでこんなに俺様な訳?とか色々有って調べると異世界のお貴族様だったとかあるんだよ。」


あっ、何となく納得しちゃった。



「今、俺の所にも凄いの居るぞ!あまりに俺様なんで会社をリストラされてな、サラリーマンはダメって言って農家になろうとしてる奴なんだが、それが俺の居た世界の王様なんだわ。」


「うわっー………」


「今、世界の厳しさって奴を教えている………絶対に逃がすもんか!」


こ、怖っ!コイツってこんな黒かったか⁉


「そういえば、ソイツも異世界ネットワークは知らなかったな、案外知られていない?」


なんか異世界より日本の方が怖くなって来たわ……。


元異世界人ってのも楽じゃないんだな。




今日も俺は魔王様な上司にコキ使われている。


「行くぞ!勇者な商人よ!」


「はい!すぐ行きます!魔王な課長様!」


社内ではすっかり俺は『勇者な商人』と呼ばれている。


課長は俺様な性格もあり、俺が『魔王様』って言い始めたら定着した……ザマーっ!


皆は本気で勇者とか魔王なんて信じてないけどな。



俺はこの前、課長に聞いたんだ。


「なんで面接の時に嘘を言った俺を採用したんですか?」


「バレバレだったが、商談にはハッタリも必要であろう?それに向こうでの商人としての腕は確かだったからな……私の元にもお前の噂は聞こえて来ていた。」


「魔王様にも俺の噂が?」


「ただの行商人が、一代で人間の国を救うような、店を築き上げたとな。」


「そういう事も有りましたかね?」


「ただ殺すだけの勇者やら、魔王よりも凄い事なんだがな。その度胸と手腕は商売には必要であろう。」


へー、俺ってば魔王様に認められてんだ。


なんかやる気が出てきちゃったよ!

俺も単純だねぇ。


「頑張りましょう!魔王様!」


「この取引、絶対に取るぞ!」


「はい!」





今度の休みに久し振りに高校に遊びに行こうかな?

なんか『いきものがかり』に勇者と大賢者が、所属したみたいだから見物に行こうかな。


俺達のような普通(・・)も良いもんだと教えてやろう。



レビューでも読んで見たいというお言葉を貰いましたので、

投稿一ヶ月記念として書き上げました。


良かったら『異世界の神様に選ばれました』

よろしくお願いします。


クドい⁉

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ