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第8話〜無防備な幼なじみ〜

作中季節は7月前後ッス

学校帰りに突然の豪雨によって、びしょ濡れで帰ってきた俺と朋。


しかし、朋が家の鍵を忘れて家に入れない上に、朋の両親は1週間旅行で帰ってこない。



予期せぬ事態にウチに泊めるしかない状況に………………






「……陽……いーい?……泊めてくれる…?」



「…あ、う、うん…も、もちろんいいよ……」



朋に眼を向けると、全身びしょ濡れで、髪が顔や首筋にしっとりとくっついて妙に艶っぽく…

制服のYシャツは透けて、胸とかブラジャーとか色々と見えてしまっている。


頼むから俺の理性よ…暴走しないでくれよ…





「…あ、と、とりあえず入ろう……ほら」



俺は玄関扉を開き、朋を先に入れようと場所を空けたが……





「…あ、ちょっとまって。………んっ…と」



「……!!??……と、朋!?……な、何をして……?」



突然、スカートを両手で捲り上げるように束ね、雨を吸い込んで含んだ水分を、まるで雑巾のように絞って出している。

どんどん水分は出てくるけど……


膝上ほどの丈のスカートを絞るために捲り上げてるので…パンツが丸見えに近いくらい見えてしまっている。





「…ちょ、ちょっと朋…パ、パンツ見えてる!…見えちゃってるから!」



「……え!?…あっ……」



俺の指摘で慌てて両手を離してスカートを元に戻した朋。

真っ赤になって俺の事を上目遣いで見つめてる。




「「……………」」




そのまま無言でしばらく見つめ合う……

いまだ降り続ける豪雨の音が遠退いていき、頭の中でうるさい位に早く大きく鼓動する心臓の音が鳴り響いていた。




「………朋……」


無意識に朋との距離を詰めようとした瞬間……━━━





「…………っくちゅん!!……」



「…………あ!」



朋が可愛らしいクシャミをした瞬間、我に帰った。





「……ああ、ご、ごめん朋!…早く家に入ろ!」



「………う、うん。」



俺と朋は急いで家に入り、風呂場に直行した。








〜風呂場・脱衣場〜




「…はい朋。タオル。」



「…ありがと陽。」



朋にタオルを渡して、その間にお風呂の準備を始める。


ガスをたね火にして、浴槽にお湯を溜めていく。





「…今、お湯溜めてるから、朋先に入っていいよ。…お湯が溜まるまでの間にシャワー浴びたり、髪とか洗ってな。……着替えも用意しておくから。」



「…うん。ありがとね陽」



俺から受け取ったタオルで髪を拭きながらお礼を言う朋。

……なんか汐らしい態度に濡れた髪が妙に艶っぽい。




「…あ!……朋。えっと、ちょっと先に濡れた制服とか脱がせてもらっていい?」



「…え?…あ、う、うん。」



制服がびしょ濡れで、このまま歩き回ると家中びしょびしょになっちゃうからな。



まずは靴下を脱いで、脱衣カゴに投げ捨て、続いて手際よくYシャツとズボンも脱いでカゴに入れる。


タンクトップとパンツだけの姿になり、ようやく濡れた布がまとわり付く不快な感触から解放され、すっきり…………ん?なんか凄い視線を感じるような……?





「……じぃ〜〜………」



「………はっ!?」



気づくと隣にいた朋が、両手で持ったタオルで口元を押さえながら、俺の全身を凝視していた。



……しまった!俺ってば何、朋の目の前で服とか脱いでんだよ!?

朋だって年頃の女の子なのにデリカシーなさ過ぎだろ!!





「…あ、あ〜……ご、ごめん朋!」


「………あっ」




……ピシャン!!





「……はぁ〜………」



慌てて脱衣場から出て扉を閉めて深い溜め息を吐いた。


はぁ〜……ホント……何やってんだよ俺……

朋の前で服脱ぎ出すとか……一瞬、子供の時に一緒にお風呂入ってた感覚になっちまったのかな……


あ、こんな所で落ち込んでないで朋に着替えを用意してあげないと……


トボトボとした足取りで2階の自室に向かった。







……………






うぅ〜ん……とりあえず、スウェット上下とTシャツ……あ、あと……俺のパンツを用意したけど…。

朋の履いてるパンツも濡れてるかもしれないし、一応持ってきた。


ボクサータイプだし女の子でも履けるとは思うけど……





お風呂場の扉の前について、俺はこの時、朋はとっくに浴室に入ったと思って何も考えずに扉を開けてしまった。





……ガラッ!





「…………え?」


「…………え?」



扉を開けると目の前には半裸の朋がいた。

俺の方に背中を向けて立っていて、その格好はブラジャーとパンツだけ。

今まさにブラジャーのホックを外していた所だった。




「……あ、は、陽……え、えっと……」



白く透き通るような背中、くびれたウエストに程好い肉付きのお尻に太もも…。

一瞬で眼を奪われてしまった。


…俺が固まっている間に、朋は両手で胸元を押さえてブラジャーが落ちないようにしている。

そしてそのまま身体を捩り、顔を此方に向けて困ったような表情をしていた。




「…あ、あの〜……は、陽?」



「…あ!ああ〜…え、えっと、ご、ごめん!…あ!これ!着替え!……ホントごめ〜ん!!」



朋の呼び掛けに、俺は慌てて持っていた着替えを近くの洗濯機の上に置いて脱衣場を出て扉を閉めた。




……ピシャン!!




あ〜…もう俺さっきから何やってんだよ〜…

ノックするべきだったよなぁ〜…はぁ〜…


だが反省一杯の思いとは裏腹に、わずかな間しか見なかった朋の身体が…瞼に焼き付いて脳裏から離れなかった。







………………






「…はぁ〜…気持ち良かったぁ〜…ありがとー陽♪」



リビングに居ると、タオルで頭を拭きながら、湯気を発たせて朋が出てきた。

俺が貸したTシャツにスウェットのズボン姿。

スウェットの上は畳んだ状態で持っていた。


若干ダボダボだが、普段自分が着ている物が朋の身体を包んでいると思うとなんかドキドキしてしまう。





「…あ、あの……朋、さっきは…その…ごめんね?」



「…さっき?………さっきって………何だっけ?」



朋の側に寄って、さっき半裸姿を見た事を謝ったのだが…

肝心の朋は頭に?マークを浮かべたような表情でキョトンとしていた。





「…え、いや、あの…さっき…ほら着替えを持っていった時に………」



「…あ、あぁ〜………えっと…確かに……いきなりだったし、少し恥ずかしかったけど………別に謝らなくてもいいよ…?」



「…え!?…いや…え!?」



少し照れたような表情をしてはいるが、全く怒った様子はなく、俺を責めない朋。

ほぼ裸に近い状態の格好を見られたのに………なんで?





「……だって陽、私の裸なんて何回も見てるでしょ?」



「…ええ!!??……………………………………………………………………………いや!それ子供の頃の話だよね!?」



突発的な朋の発言に、頭の中で思い出をフル回転させ巻き戻してから、答えを導き出し突っ込んだ。




「…え〜…同じだと思うけど………」



「…いや!全然違うよ!?」



相変わらずキョトンとしている朋だが……

朋さん…貴女は子供の頃とはスタイルが、特におっぱ……お胸とかが大分成長しているのだから、子供の時と一緒しないでください。





「…それに………陽だったら……私は別に…………」



「………え?」



なんか顔を赤くして俯きながら言った言葉に一瞬胸が高鳴った。

俺だったらって……え、それって…………





「…そ、それより陽も早くお風呂入ってきなよ。……またお風邪ひいちゃうよ?」



「…え、あ、う、うん。」



まるで誤魔化すように俺の背中をぐいぐい押してくる朋。

本当にさっきの事は怒ってはないようだけど、今度はその後の発言の方が気になるんですが……






「…あ、何か飲みたかったら冷蔵庫の中の勝手に飲んでいいし、お湯も沸かしたからインスタント紅茶やココアもあるから…」



「…うん、分かった。ありがとうね陽。」









……ピシャン!





脱衣場に入ってから着ている物を脱ぎつつ、さっきからの朋の事を考えていた。



うぅ〜〜ん………さっきから朋からしたら恥ずかしいハズの格好を見ても全然怒らない。


玄関先で、透けた格好にパンチラ……脱衣場ではほぼ裸の格好。

でも朋は多少恥ずかしがってはいたようだけど、怒る事は無かった…。


……それは朋の言うように…子供の頃、裸を見ていたから…?

幼なじみの関係だから…?

それとも……俺だったから…?



はぁ〜……もう頭の中が混乱状態だよ……………ん?

脱いだタンクトップを脱衣カゴに入れようとしたら、先に入ってた朋の洗濯物の中にピンク色の布が………


こ、ここ、これは!…………パ、パンツ…朋のパンツ!?


思わず手に取ってしまった……昔みたいなキャラクター物のお子様パンツでは無く、まさに今時の女の子が履くようなパンツとゆーか…パンティ?

小さいな…よくこんなの履けるな………って何やってんの俺!!??


朋のパンツを手に取って、まじまじ観察って…変態か!!

さっきから思考が狂いそうになるような事ばかり目の当たりにしてるせいか、行動もおかしくなってる!?



パンツをカゴに戻して、さっさと全裸になり浴室に入った。

お風呂入りながら、さっきまでの行動を深く反省する事にした。








〜2階・陽の部屋〜





━━……ガチャッ!




「…あ、おかえり陽。……ドライヤー借りてるね。」



風呂から出るとリビングに朋は居なく、2階の俺の部屋に居た。

でドライヤーで髪を乾かしている所だった。


温風を当てながら、手クシで髪を鋤く仕草が女の子っぽくて、実に可愛らしかった。





カチッ




「……〜♪〜♪」



ドライヤーの電源を消して、髪を整えている朋。

セミロングの栗色の髪を靡かせるように頭を振ったり手で何度も整え、その度に良い香りが部屋中に拡がっていくようだった……




鼻歌混じりに髪を弄っていると、ふと何かを思い付いたような表情で再びドライヤーを手に取り…




「…陽、陽の髪の毛、私が乾かしてあげる♪……ここに座って。」


そう言って自分の隣の位置に座布団を敷いて、それをぺしぺし叩いて俺を呼ぶ朋。


仲直りしてから、基本的に朋の提案は断らない、従うと決めているので……





「…あ、ありがと。…えっと…じゃあ…お願いします…。」



朋に対して背を向けるようにして、座り身を任せる。





カチッ……ブオォォォーー……



駆動音と共に頭に当たる温風。

それと同時に朋の細い指が、俺の髪を鋤いていく。


ん〜心地良いなぁ〜…人にしてもらうのって、案外良いもんだな…。

……それが好きな娘なら、なおさらなのかもしれない。






「…ねえ陽。……雨、全然止まないねぇ〜…」


「…ん?……あ、そういえば…そうだね。……ゲリラ豪雨じゃないのかな…?」



ゲリラ豪雨ならいきなり降って、すぐに止むハズだけど……

窓から見える外の景色は、いまだに降り注ぐ凄まじい勢いの雨粒しか見えない。






……カチッ



ドライヤーの電源を消して、両手で俺の髪を、丁寧に整える朋。





「…はい。…終わったよ陽。」



「……ありがとう朋。」



時計に眼を向けると、もうPM5時を過ぎていた。


この時期のこの時間帯だったらまだ明るいハズだが……

夕空は濃い雲に覆われ、雨足は勢いが弱まる様子が全く無く、夜とあまり変わらない暗さだった。



……この時の俺は、この日の夜が…とても長い長い夜になるとは…………思ってもいなかった……。






第8話終

意外とリメイクって大変

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