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第7話〜突然の2人きり〜

まぁありがちな展開?

友人達の企みもあって、何となくお互いの気持ちを理解した俺と朋だったが……


だからってそんな簡単に告白なんて……できるワケもなく…



学校からの帰り道、俺と朋は2人になった途端に意識しあってか、無言になってしまっていた。









2人並んで、いつもの帰り道を歩いている…

本来なら登下校の際、学校の見えない範囲だと並んで歩く時は俺と朋は手を繋いでいるのだが…


今日は既に学校の見えない範囲に来てるのに、手を繋ぐのを躊躇してしまっていた。


それにさっきから2人の間に会話はなく、微妙に重いような気まずいような変な空気に……



うぅ〜むぅ〜……無言だ…

妙に意識し過ぎなのかな……何か話題はないか……話題、話題…

とその時だった……。






ポッ…




「…っ!……冷た……え?………雨?」



鼻先に冷たい感覚が…朋も俺の言葉を聞いて、2人して空を見上げてみると…




「………え?…わ……いつの間にか、お空真っ暗……」


と思ったのも束の間の事だった……






ポッ…ポッ……ザアアァァ……ドザアアアァァァーーー…!!!!




「…おわあ!?…な、なんだよイキナリ!?」



「……きゃーー!!!??」



雨が降り出したと思ったら突然の豪雨……ゲリラ豪雨ってヤツか!?




今日は降水確率10%位だったハズ…

だから俺も朋も傘は持ってきてなかった。

だが自宅までは、もう後少しの距離だったので……





「…朋、家までもう少しだから走ろ!」



「………う、うん!」



俺も朋も両手で雨避けをしながら全力疾走。

正直、雨足が凄過ぎてそんなのは何の意味も無かった。








ドザアアアァァァーーー…!!!!





雨粒が全身に痛い位、打ち付けてきて、あっという間に俺達は全身ずぶ濡れに……。

視界も悪い中、全力疾走のおかげで家が見えてきた。




俺も朋もそれぞれ自分の家の玄関下まで急いで移動した。







「……はぁ…はぁ…はぁー…もう…また雨でびしょ濡れか……」



この前、朋に傘を貸した時よりも酷い惨状だった。

いくら7月とはいえ、早く風呂にでも入って温まらないと、また風邪ひいちまうな。


鞄のポケットから自宅の鍵を取り出して解錠し、扉を開けた時だった。





「…は、陽ぅ〜……ま、待ってぇ〜……ひゃあ〜……」



「……え!?と、朋!??」



隣の家の方から、朋が俺を呼びながら此方に向かって、まだまだ降り続いている豪雨の中走ってきた。





「…はぁ…はぁ…ご、ごめんね陽、呼び止めちゃって……」



「……い、いや…別にいいけど……ど、どうしたの?」



全身ずぶ濡れの朋が申し訳なさそうに苦笑いしていた。


ウチの高校は衣替えして、女子の制服は上がYシャツ+リボンに下はスカートだ。

…つまり全身ずぶ濡れ状態の朋は透け透けになっていた。


……は、肌色が……む、胸が……ピ、ピンクの…ブ、ブラジャー………ハッ!?み、見てはいかん!!


慌てて眼を逸らしていると……





「……あ、あの……自宅の鍵……忘れちゃって……」



「……え?……おばさんは?まだパートから帰ってないの?」



「……ほ、ほら…この前話してた……結婚記念日だから2人で旅行に行くって……」



「………あ。……あれって…今日からだっけ!?」



それは1週間前の晩、俺が夜御飯を朋ん家でご馳走になっていた時の事だった……








〜1週間前・百瀬邸〜






朋と仲直りしてからは頻繁に夜御飯をご馳走になっていて、この日も御呼ばれし、俺と朋、おじさん、おばさんの4人で食事をしてる時だった。





「…あ、そうだ。…陽くん。……私とパパね、来週から1週間位、旅行に行ってくるから♪」



「…え?旅行?……おじさんと2人だけで、ですか?……朋は?」


おばさんが突然旅行に行くと言ってきたが、その説明はおじさんとおばさんの2人だけという……。




「…今回は結婚記念の旅行だから私はお留守番なんだって!」



朋が頬を膨らませて怒ってるように見える。

怒った顔も可愛いなぁ〜……





「……ま、まぁまぁ……で、でも夏休み前に行くんですね。……どこに行くんですか?」



朋を宥めつつ、もうすぐ7月に入る時期に旅行なんて、おじさんもおばさんもよく仕事休めたな。





「……僕もママも有給が貯まってて、夏休みシーズンに入る前に有給使って行ってしまおうってなってね〜…イタリアに行ってくるよ。」



「…陽くん!ピザの斜塔を観てくるわ!ピザの斜塔!」



「………おばさん、それはピサの斜塔です。…ピサ。」



おばさんの勘違いを聞いたのも久々だな。






「…そんな訳で来週からの1週間僕達居ないから朋の事、よろしく頼むね。」



「…ちょ、ちょっとお父さん……それだと私1人じゃ不安みたいに聞こえるんだけど…」



おじさんが俺に言った事を聞いた朋が抗議をしているが……

俺は思わずおじさん、おばさんと眼を合わせると………





「「「………………」」」



「…あ、あれ?……な、なんでみんな黙っちゃうの?……陽まで」



朋は他人に対して何かをしてあげる時は、かなりしっかりしているのだが……

自分の事になると、どこか抜けていておじさんの不安もなんか納得できてしまう。



「…もぉ〜…なんでみんな黙っちゃうのぉ〜〜!!??」









〜現在・千堂邸玄関〜





「…それで昨日、お母さんに今日のお昼前に出発するから戸締まりして行くって……だから鍵を持っていきなさいって言われてたんだけど……」



「……でその鍵を忘れちゃって家に入れないワケか……」



朋は顔を赤くしてバツが悪そうに頷いている。

さっそくおじさんの不安が的中してしまったな……。




「…だ、だから陽……えっと……その……し、しばらく…泊めてくれる……?」



「……………え!?……あ!」



そうだ…おじさん達は今日から1週間、旅行で帰ってこない。

んで今、鍵が無くて家に入れないとゆう状況の朋。


となると必然的に…………俺ん家に泊めてあげるしか…………ないよね……………。






第7話終

もともと完成された作品のリメイク投稿なので、更新早め

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