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最終話〜想いの交換と永遠の近い……そして〜

はい。最終回ッス

俺と朋の誕生日当日………渡せなかった朋へのプレゼントを見つかってしまったが……

朋も同じように渡せなかったプレゼントを持っていて、それら全ての交換をする事に…………









「…えっと……じゃあまずは……小5の時のからね?」



「…あ、う、うん…分かった…」



俺と朋は向かい合って座り、それぞれの脇には6個のプレゼント…

その中から一番古いプレゼント…小5の時に用意した物を手に取り……






「…はい。…どーぞ…」



「…ありがと♪…陽も…はい、どーぞ♪」



「……あ、ありがとう」



お互いにプレゼントを交換して受け取り、開封する……






「……あ、可愛い〜♪……あはっウサギの耳当て〜モコモコしてる〜。」



「…あ、そっか……思い出した…その………朋、昔から冬になると耳が真っ赤になってたから…それにしたんだ……」



俺が用意したプレゼントは耳当ての部分がウサギの顔のデザインをした物だった。





「…あ、小さいかと思ったけど、まだ付けられる……ふふっ…暖かい〜♪」



おう……可愛い……両耳がモコモコのウサギに被われて…

……と、見とれてないで俺もプレゼントを開けないと……





「……あ、ニット帽…」



「…陽……あの頃……色んな帽子被ってたから……それにしたんだけど…今じゃ…被れない……ね」



「……うん……」



手にした青色のニット帽は、子供用なので、とても被れそうにない……

でも朋……喋らなくなっても…そんな所まで見てくれてたんだな……







「…は、陽…次の交換しよ?」



「…あ、そ、そうだね…次いこう…えっと……あ、これだ。」



少し気分が暗くなったのを払拭するように次のプレゼントを、手早く交換し開封する……





「…あ、エッグちゃんだ!……わぁ〜懐かしい〜…」



エッグちゃんとは…昔女の子の間で流行った、卵型携帯ゲーム。

卵からひよこを孵化させて、餌あげたり可愛がって育てるゲーム。





「…あ、俺のはミニモンのソフト……こっちも…懐かしいね」



ミニモンは携帯ゲームのソフトで、小さいモンスターを育てて戦わせるゲームだ。




………とこんな感じで次々と交換を繰り返していく……


中1の時のは携帯を持ち始めたのを知ってたからか、お互いにストラップだった。

中2の時のを開けると俺のは財布、朋のはポーチ。

中3の時のは俺はウォレットチェーンで朋はネックレスだった。


……そして溜め込んでいた古いプレゼントの交換が終わり、いよいよ今年用意した分に…。

正座で向かい合っている俺と朋は最後のプレゼントを持ち……








「…はい、朋……えっとあらためて…お誕生日おめでとう…」



「…ありがとう。…陽もはい♪お誕生日おめでとう♪」



「…ありがとう♪」



お互いにプレゼントを交換して受け取り、本日6回目の開封をする……






「…あ、これ…欲しかったショルダーバッグ……朋、なんで知ってるの?」



紙袋から出てきたのは紺色のショルダーバッグ。

ポケットが多くて使いやすそうなヤツ。






「…え、えっと…初めてのデートでLEONに行った時に…陽、それを凄い見てたから…欲しいのかな〜…って」



「…気づいてたんだ…」



確かに初めてのデートの時に、このショルダーバッグが眼に入って一目で欲しくなったのだが……

まさか気づかれてたなんてな…朋凄い……。






「…私のは……2つも?」



「…あ、うん……どっちも朋に似合いそうだったから…両方とも買っちゃった…」



「…あ、ありがとう…」



朋に渡した袋からは小さい紙袋と、小箱。

朋は最初に紙袋を開けて……





「…あ、可愛い…ハートの形のイヤリング……………似合う?」



朋は指先で持ったイヤリングを耳元に当てて、俺の方に笑顔を見せてきた。






「…う、うん……バッチリ!」



「…えへへ…ありがとう♪」



俺が親指立てて、笑顔で褒めると照れたように笑う朋。


……それを紙袋に再びしまうと、小箱の方を手に取り、蓋を開ける……






「……あ、指輪……?」



箱の中身は、シルバーに透明の宝石が中央に施された指輪。





「……えっと……かなりの安物だし……いずれ、もっとちゃんとしたヤツを……買って渡すから…まあ…借りとゆーか…だ、代用?……とゆーか……まぁとりあえずの…なんだけど…………こ、ここ、婚約……指輪……です…」



「…………え………婚…約…?」



「……あ、あと……これ……」



俺はズボンのポケットにしまっていた1枚の紙を広げて、朋に見やすいようにテーブルに置いた。





「……!……こ、婚姻届…?…え?…は、陽……?」



テーブルに置いた紙は婚姻届……朋はそれを手に取り、眼を見開いて眺め、驚きの表情をしていた……

俺は深い深呼吸をした後に、今の想いを口にした。






「……俺、まだ高校生だし働いてもいないし、こんなの気が早いってのは十分、分かってる…」



「……陽……」



「……でも俺…自分勝手に朋を傷つけた分……いやそれ以上に……朋の事を…ずっと一緒に…側にいて……守って幸せにしたい……と思ってる……」



「……陽ぅ……ぐすっ……」



段々、朋の瞳に涙が溜まって潤んできていて、泣くのを堪えているみたいだ。






「……将来さ…料理作るの好きだし…俺、コックになりたいなって思ってるんだ…」



「……コック…さん…?」



「…うん、高校卒業したら料理の専門学校に行って……どっかの洋食屋とかに就職して……で、いずれは小さい定食屋を開いて…朋と一緒に働けて…養っていけたらなって……」



自分の将来設計を話すって……少し照れ臭いな……でも大事な事なんで、朋の眼を真っ直ぐに見て話す……





「……それに朋と…小さい時に約束したことも……守りたい。」



「……え?……あ……」



「……太陽がないとお月さまは輝けない……だからずっと…大人になってもずっと一緒にいる…」



子供の頃は何気なく約束した言葉……

でも今はこの言葉の意味をしっかりと理解できる。

……だからこそ……







「……だからえっと……いずれ、もう1回ちゃんと言うけど……将来的な事だけど………朋。」



「……は、はい。」



身なりを正し、正面にいる朋を見据えて……






「………お、俺と……結婚して……ください。」



「………!……は…る……」



自分の心からの想いを口にして頭を下げた。







「……う、うぅ〜…ひっく…陽ぅ〜…ぐすっ…陽ぅ〜!!!」




……ドサッ!




「……おおっと…」



朋は両の瞳から大粒の涙を流しながら抱き着いてきた。

俺の腕の中で泣く朋の背中に、両腕を回し優しく抱き締める…






「…わ、私……私、嬉しい……嬉しいよぉ…陽ぅ……い、色々考えてくれて……私の事…いっぱい考えてくれて……凄い嬉しい……ふえぇ〜ん……」



「…朋……泣かないでよ…」



泣いてしまった朋の頭を優しく撫でながらも、じんわりと胸の奥が熱くなり俺も視界が歪んできた……






「…でも…陽は私の為に色々してくれたのに……私……陽に何もしてない……ケーキの練習してる時も……陽の事を変に疑ったりしたのに……」



「……そんなことないよ……朋は…俺の為にしてくれてる。」



「…………え?」



抱き着いた状態から、見上げるように顔をあげる朋。

両方の眼からたくさん流している涙を、ハンカチで拭ってあげながら………






「……朋が側にいる……隣で笑ってくれている……それだけで……俺は幸せなんだよ?」



「…………え……?」



「…朋の…お月さまの輝きが……俺を……太陽を……逆に輝かせてくれてるんだ………朋そのものが……俺の幸せなんだ。」



「……陽ぅ〜……えぇ〜ん…」



俺の言葉を聞いて、また俺の胸に顔を埋めて泣いてしまう朋………



…悲しい涙ではなく、嬉しい涙を流している君を…この腕の中にいる君を……

そっと抱き締めながら……君と同じ時間を共有できてる、幸せを実感しながら……俺の両眼からも……涙が流れ出してしまった……







「……ぐすっ……朋……結婚して……くれる…?」



「……はい。……よろしく……お願いします……」



「……好き…………ううん……愛してるよ…朋。」



「……わ、私も………陽、愛してる。」



「…………ちゅっ」



俺と朋は短い距離で見つめ合い、永遠の誓いをたてて……優しく唇を重ねた。



……これから先、何があっても朋がいれば……2人一緒なら乗り越えていける。

…太陽がないとお月さまは輝かないように……

これから先の未来を……君と並んでなら……笑って……輝いて……歩んでいける。


俺と朋は……この日、16回目の誕生日となった日に……

まだ借りながらも永遠の誓いを結んだ……………










…………………







…………それから長い…長い月日が流れていった…

そして今日、またこの日を……迎えた………







「…いい天気になって良かったね〜陽。」



「……ホント、せっかくの休み……それに俺達の誕生日なんだし…晴れて良かったぁ〜…」



10月3日の誕生日となる今日のこの日、俺達はインフィニティワールドに遊びに来ていた。

この日の主役となる俺と朋と…そしてもう1人…………







「…パパぁ〜ママぁ〜…早く早くぅ〜…」



「…お〜い、弥空ぁ〜…走ったら危ないぞぉ〜…」



インフィニティワールドの入り口付近で俺達に向かって、元気いっぱいに手を振る女の子。

俺と朋の1人娘の弥空みそらが、待ちきれないといった表情で俺達を急かしていた。



……あれから俺は高校を卒業した後、料理の専門学校に通って、程なくしてコックになった。

それから洋食店に就職し、朋を養っていける位になってから無事結婚……

一緒に住むようになり娘も産まれた……

驚くことに弥空が産まれた日は、俺と朋の誕生日の10月3日…

守っていく人間が1人増え、今は3人で幸せな毎日を送っている。



……そして3人の誕生日の今日をインフィニティワールドで目一杯楽しむ為に、仕事も休みを貰って朝から遊びに来ていた。








「……弥空〜…迷子になっちゃうから、ちゃんとパパと手を繋ぎなさい〜」



「…はぁ〜い……パパぁ〜♪」



朋に言われた事を素直に聴き、弥空が俺の隣まで来ると、その小さな右手を俺の左手に重ねてきた。


弥空は今年で7歳になる…年々顔つきが朋に似てきて、これは将来絶対美人になるな!






「…弥空、今日はパパとママと、たくさん遊ぼうな。」



「…うん♪」



俺の言ったことに満面の笑みで元気よく返事する弥空。

あぁ〜可愛いなぁ〜癒されるわぁ〜…





「…弥空は何から乗りたい?」



「…うぅ〜ん…とねぇ〜」



朋が弥空の左側で屈み、パンフレットを広げて見せてあげている。

眼を輝かせながら悩む弥空は……





「…じゃあね〜…レインボージェットに乗りたい〜♪」



「………え?」



弥空の答えに少し固まってしまう俺……

レインボージェットとはインフィニティワールドに7つある絶叫マシーンの1つ。


1回転レーンが3回連続でくるのが売りらしいが……若干絶叫マシーンが苦手な俺は身震いしていた。


そして弥空の方は、去年初めて此所に来た時から絶叫マシーン系を全く怖がらなくて、それどころか嬉々として乗っていたのだ。






「……パパ、早く行こう?」



「……そ、そそ、そうだね……い、行こうか……」



「……ふふっ…陽、大丈夫?」



「……だ、だ、大丈夫だよ?…………でも乗る時は……手を繋いでいてください……」



「……はいはい♪」



俺の左手と朋の右手に掴まり、間に挟まれるようにいる弥空は、両手に力を込めて繋いだ手を離さないようにしていた。



…幼い頃から一緒だった朋と交わした約束通り…

朋を輝かせる為にこれからも朋と2人で……いや、これからは弥空と3人で……ずっと一緒に人生を歩んでいく。


お月さまを…大空を…輝かせるのは太陽の役目。

これからもこの2人の笑顔を絶やさない為に、俺は光を……幸せを与えられるように……歩んでいこうと、青空の下で誓っていた………………







〜終わり〜

とゆーワケで姪っ子との競作は終わりです。


企画された物をストーリーにしただけですが、恋愛小説の難しさを実感しました。

エロ展開無しがこうも難しいとは……www




今後はまたエロ小説を書く予定です。

一応考えてる作品が幾つかあるので、多分来年投稿……早ければ今年中に投稿するかも…?

なのでその時、またお目見えしましょう。


この作品を読んでくださった方々ありがとうございました。

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