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第15話〜初デート〜

高一でショッピングデートって変かな?

夏休み3日目……今日は雲が1つも無い晴天。

今年はここ数年の猛暑に比べると、比較的過ごしやすい陽気、もう7月の後半だが、まだ30度超えが1度も無い。



……んで俺はそんな青空の下、駅前にある噴水の側のベンチに座り、恋人を……朋を待っていた。

今日は朋と恋人になってから初めてのデート。


何故家が隣の朋のことを待っているのか……

それは…これが朋のしてみたいことだったからだ。


……当初俺は家が隣同士なワケだし、目的地には一緒に行くつもりだったのだが昨日………






『…あ、あの…待ち合わせを…してみたい……』



朋曰く、恋人同士がデートの時に待ち合わせ場所を決めて会う、というのに憧れていたらしい。

……で俺達の場合、何処に行くにも家から出る時点で一緒になってしまう。

だからこそ待ち合わせをしてみたかったのだろう。




━━……てなワケで俺は1人駅前に先行し、朋のことを待っているって訳だ。


待ち合わせ時間はAM10:30。

そして時刻は現在10:02……初めてデートの待ち合わせなんてしてるけど、とりあえず朋を待たせるのは嫌なので1時間近く前にはここに来ている。


早すぎたかとも思ったが、こうして恋人を待つのも、これはこれで楽しいな。





「……ん?あれ?」



ふと俺達の家のある方向を見ると、1人の女の子が此方に向かって歩いてくる。




……朋だ。…その格好は普段髪を下ろしてるのに珍しくポニーテールにしていた。

膝上位の白いスカートにヒラヒラした感じの黄色のキャミソール。

その上から黒いカーディガンを羽織っていた。

右手に白い肩掛けバックを肩から下げ、ハイヒールのやや高いサンダルを履いていて、軽やかな足取りで此方に歩いてきている。


……めっちゃ可愛い!!スゲー可愛い!!いやマジ可愛い!!ボキャブラリーがないけど、可愛い以外の言葉が該当しない位に可愛い!!


周りの男の通行人がスゲー朋のことを見ている。

普段でも可愛いのに、今日はオシャレして良く見ると化粧もしてるぽい。

可愛いさ倍増してるんだから、そりゃ周りの目を引くよな。



てか、まだ待ち合わせまで30分近くあるのに……って1時間も前から来てるヤツの台詞では無いか。





……お。朋が俺に気づいたのか、笑顔になって小走りになって寄ってくる。

俺はベンチから立ち上がり、軽く手を振る。


そして朋が俺の目の前まで来ると……





「…お、お待たせ……ま、待った……?」



「…あ、ああ…いや、俺も今来たところだから……」



とお互いにテンプレ的な台詞を言い合って……




「………ぷっ……ふふっ」


「……くっ…ははっ……」



お互いに慣れないやり取りに吹き出し笑いそうになっていた。






「…朋、早くない?……まだ待ち合わせした時間まで30分くらいあるけど。」



「…陽だって、その私よりも早く来てるよ?」



「…それもそーだ。……ははっ」


「……えへへ♪」



見つめ合って照れ臭そうに笑い合う2人

ああ…なるほど朋が待ち合わせしたいって言ったのも分かるな。

待ってる時も楽しいし、こーして会った時もなんか楽しい。

…………あ、肝心なことを言い忘れてた。






「…朋。……えっと……今日の格好……凄く似合ってるし…その…か、可愛いよ…。」



「…え……あ……あ、ありがと……えへへ……嬉しい……」



顔を赤くしながら嬉しそうに笑う朋。

柔らかで優しげな笑みを向けられ、ほっこりとした気分になる。





「…それじゃあ……行こ朋。」



左手を朋へと差し出しながらニッコリ笑う。




「……うん。えへへ♪」



俺の左手に右手を重ね、定番になってきた恋人繋ぎにすると2人並んでショッピングモールへと歩き出した。









〜ショッピングモール・LEON内〜





出入口付近に設置されてる案内板を見ながら、どう回るか検討中……




「…どこから行く?……朋の目的の所は?」



「…私は2階の衣服店で買いたい物があるんだけど……別に急いではないよ?」



「…じゃあまず最上階に行って、そこから順々に色々見て回りながら、下に降りて行こっか?」



「…うん。……最上階って何があるの?」



「…えっと……ゲームセンターと……あと本屋さんかな。」



ゲームセンター内は1度来たけど、かなり広く色んな種類のゲーム媒体にプリクラ機等が多数あったっけ。




「…ゲームセンター……あ!…陽、ゲームセンター行きたい!」



「…う、うん。分かった……じゃあ最初はゲームセンターから…」



「…うん♪…早く行こ?」



「…う、うん……おっと……と、朋、そんなに急かさなくても……」



「…早く早く〜」



急に朋は急ぎ足になって、繋いだ手を引っ張るようにエレベーターの方へと向かっている。

……どうしたんだろ?いきなり……そんなにゲームセンターに行きたかったのかな?









〜5F・ゲームセンター〜





「……夏休みの割りに……そんなに人いないなぁ…」



ゲームセンター内は人は疎ら……子供もほとんどいない。

まぁ…空いてる方がいいけどね…





「…あ!……陽、こっち。」



「…ぉおっと……わ、分かった分かったから……」



ゲームセンターに着いても、慌ただしい感じの朋が奥の方へと、俺を引っ張って先行していく。

……そして着いた場所を見て朋が行きたがってた理由がようやく分かった……。





「…プ、プリクラ……ですか」



「……陽と……撮りたいなぁ……ダメ?」



プリクラの媒体が並ぶエリアに来て戸惑う俺を見て、少し不安げに此方を見る朋。




「…いやいや!全然ダメじゃない!ダメじゃないよ!?…よ、よし、撮ろう!」



「…うん♪」



俺の返事を聴いて嬉しそうに笑顔になる朋。

……とりあえずは手を繋いで、プリクラの媒体を見て回る。





「…ふぅ〜ん…プリクラって種類たくさんあるんだなぁ〜…」



「…えっとぉ〜…あ、あった。……これで撮ろ。」



朋が選んだプリクラ機は外壁の写真のモデルさんが、男女2人でポーズを撮っているのが幾つもある。




「…こ、これは……」



「……えっとね……これ選べるコースで……その……カップルコースてゆーのが……あるんだって……」


「…カ、カップルコース……な、なるほど……」



朋が頬を赤くして照れた様子で説明してくれたことで納得した。

ただプリクラを撮るのではなく、カップルとして撮りたかったようだ。



そしてそのプリクラ機に2人で入り、撮影を始めた。




プリクラなんて撮ったことないので、操作は全部朋に任せっきり。

コース選択等が終わり……




『撮影を始めるヨー!』


いきなり女の子の声で撮影スタートの合図が…




「…ほら。陽、撮影始まるからポーズ。」


「……え、あ、は、はい。………って朋!?」


促されるままにポーズをとろうとしたら、朋がピッタリとくっついてきて……





『…3…2…』



「…陽、ポーズポーズ。」



「…あ、う、うん。」



『…1』



……カシャッ!…カシャッ!…カシャッ!………



撮影の度に2人で色んなポーズを決めているが…朋がくっついている為、顔が変なニヤけにならないよう必死だった。





『…次はアップで撮るヨー』



何枚かの撮影が終わった後に、また女の子の声で次の指示が…




『…みんな近くに寄ってネー』



「陽、次はアップだって。」



「…え!?ア、アップ?…どうすれば…」



俺が慌てていると、朋が抱き着きお互いの頬までくっつけてカメラの中心に寄る。




「…こ、こんな感じで……いいと思う……」


「…そ、そ、そうですか……」



当の朋もさすがに照れてるようで、横目でチラリと見れば、顔が赤くなっている。


抱き着いた事は何度もあるけど……今回のこれは……

頬までこんなピッタリくっつけて……

かなりヤバイな……カップルみたいじゃん!……いやカップルだけども!





『…3…2…1』



カシャッ!…カシャッ!…カシャッ!………



合図と共に再び撮影が始まり、その度に少しずつポーズを変えていく俺達。

……と言っても俺は相変わらず朋の指示に従ってるだけなんだけどね……


でも朋の嬉しそうな…楽しそうな顔を見ると、やってよかったと思う。





「…陽、次で終わりだから。」



「…あ、分かった。」



時間的には大した時間ではないのに、緊張のせいか異様に長く感じたな…





『…3…2……』


最後の1枚の為にカメラ画面を見て構えている時だった……




『…1』


「…………………ちゅっ」



……カシャッ!




………え!?な、何いまの?…なんか今……朋のいる左側の頬に……ちゅっ…ってなんか柔らかい感触が…?


俺はゆっくり朋の方を見ると…

抱き着いたまま俯き、俺から顔を背けていたけど、耳まで真っ赤になっているのが分かった。

……俺……今……頬っぺに………ちゅー……された……?







「…あ、ほ、ほら…シールをデコろ?」



「…あ、う、うん。」



……またも朋に引っ張られるように先導してシールを画面操作する所に行く。



……朋は手慣れた感じで表示されてる写真画面をタッチペンでデコっていく。

大原さんや小嶋さん達の女友達と、結構たくさん撮っているみたいだ。


朋は俺の所に〝大好き〟や〝LOVE〟〝太陽さん〟等書き込んでいくので、俺も朋の所に〝大好き〟〝お月さま〟と書いていくと嬉しそうに喜んでくれた。


…最後の写真が表示されると朋が俺の頬にキスしている画像が……




「「……………」」



お互いに沈黙して真っ赤になりながらデコっていく。

ハートマークや星等のスタンプを貼った後、最後に〝ちゅー〟と書いて……みた。





「…はい。陽の分。」



「…ありがと。」



できたシールを丁寧にハサミで半分に切り、その半分を俺に渡してくれた。

やはり最後の1枚の写真の頬ちゅー画像の見るとニヤけてしまう。


俺はなくさないように、持ってきたリュックのポケットに大事にしまった。





「…ねえ陽、また陽と……撮りに来たいなぁ……」


やや遠慮がちな様子で朋は言ってきたけど……





「…もちろん。……何回でもいいよ。朋が行きたい時にいつでも言ってよ。」


俺の言葉を聞いて嬉しそうに微笑む朋。




「…陽、なんか他のゲームも見てみよ?」



「…そうだね。……じゃあ行ってみよ」



再び恋人繋ぎで手を繋ぎ、他のゲームも見て回ることにした。


しかし初デートは初っぱなからドキドキ連発だった。







第15話終

プリクラ、資料が少なくやや適当www

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