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第14話〜恋人との朝〜

この作品はほのぼのと2人のイチャイチャを読んでください

長年想い続けていた朋にようやく告白する事ができ、恋人同士になれた…

……が、恋人らしい事はなかなか出来ないでいた。




まず期末テスト…テスト勉強、テスト本番と続いたのでイチャイチャする暇もなかった。

…まぁ無くてもイチャイチャなんてそんな簡単にできないけど………

だがしっかり勉強したおかげで、テストは上々。

順位は俺が全体の24位で朋は17位と中間の時よりも順位が上がっていた。

……ちなみにヒロがテスト前日に泣きついてきて、大原さんと小嶋さんも加わって勉強会を開くことに。

そのかいあってヒロも今回は赤点をギリギリ免れる事ができた(中間は赤点5つだったらしい)



テストが終わったと同時に朋の両親が旅行から帰ってきた。

土産話を聞きながら、俺達が付き合い始めた事を報告したら……





「………はっ???……あなた達…まだ付き合ってなかったの…???」


「「………え?」」



おじさん、おばさん曰く俺達が仲直りした日から恋人関係になっていたと思ってたらしい……

だから付き合い出した事に驚いたのではなく、まだ付き合ってなかった事に驚かれてしまった…。



そしてテスト休みはヒロ達と一緒になる事ばかりで2人きりにはなれず、そのまま終業式。

その日の学校帰りに朋の提案で、宿題をさっさと終わらせて夏休みを目一杯楽しもうって事で、終業式当日と昨日の2日間を使って一気に宿題を終わらせてしまった……



テスト勉強から続いて、ここまで勉強漬けになるとは思わなかったけど……

おかげで宿題は全部終わり、残りの夏休みは有意義に過ごせそうだ……







そして本日夏休み2日目……宿題をやり切った疲れもあってか朝寝坊中……

まぁ学校も休みなワケだし…いいよね。







……カラカラカラ…




微睡みの中、微かに聴こえてきた音はベランダの窓ガラスが開く音だ……

これは……また朋が自分の部屋の窓からつたってベランダから侵入してきたな……





ギシッ…ギシッ…




ベランダから入ってきた人物の足音が俺が寝ているベッドへと近づいてくる……





ジ〜〜〜ッ…………




窓ガラスが開く音を聴いた辺りから半分寝たフリをしていたのだが…

今、めっさ視線を感じる…仰向けで寝ているので無防備な寝顔をガン見されているな…





……つんつん。

……つんつん。




右の頬っぺたを指で突っつかれている…

これは…本当に寝ているか試しているのか…?


ぬぅ…結構くすぐったいなぁ……てかどーしよ?

このまま寝たフリするか、起きるか……


ふぅ〜むぅ〜……朋がこの後、どーゆー反応するのか気になるし……それに可愛く起こしてもらいたいから…寝たフリ続行で!





「……ん〜〜……」




朋が何か考えてるかのような唸った声を発している。

さてどーやって起こしてくれるのか………ん?





……ギシッ…ギシッ…




ベッドの上で仰向けに寝たフリをしていたところ、足元辺りのベッドが軋む音を発てながら、沈むような感覚が……


…な、なんだ!?朋がベッドに乗ってきたのか?

な、何をするつもりだろう……?眼を瞑っているから分からないが、多分ベッドの上に乗っかり俺の足元付近に立っているであろう朋。



ドキドキしながら寝たフリを続けていたら、朋が立っている付近のベッドが大きく弾み、その次の瞬間……━━






━━……ドサッ!!




「…!!??……ぐほぉっ!?」



「…おっはよ〜陽ぅ〜♪」



凄まじい衝撃が身体の前面を襲い、そのすぐ後に鼻腔をくすぐる良い匂いが……


どうやら朋は俺の上に飛び乗ってきたみたいだ。

そのまま抱き着き朝の挨拶をする朋。

……俺の予想とは程遠い、子供のような起こし方だった……。






「…お、おはよう……朋……」



「…うん、おはよう陽♪」



……俺の上に覆い被さるように抱き着き、胸の辺りにある顔を向けてくる朋。

その表情は満面の笑みで実に楽しそうだ。


もう本格的な夏なので、就寝時にタオルケットしか掛けていなかった。

そして朋の格好は寝間着なのかキャミソールにショートパンツとかなりラフな格好。

つまりかなりダイレクトに朋の身体の柔らかさが伝わってくる。



……ぬぅ…元気な息子さんに気づかれないようにしよう……。







「…陽ぅ〜……夏休みだからってお寝坊さんはダメですよぉ〜……そろそろ起きましょう〜」



俺の上で抱き着くように乗ったまま、身体を揺さぶる朋。

……な、なんかふにょんふにょんした感触が押し当てられてくるんですが…





「…え〜っと……起きたいのはやまやまなんですがぁ……このままだと無理かなぁ〜…」



「…?……どーして?」



「……朋が乗っかっているので起きれません…。」



「…………………あっ」



ようやく状況を把握した朋が顔を赤くして、苦笑いしながら俺から退くように起き上がり、ベッドの端にちょこんと正座している。


それに続くように俺も上体だけを起こして、座った状態から眼を擦り……





「…おはよう朋。」


「…おはよう陽♪」



改めて脇に座る朋に、笑顔で朝の挨拶をした。





「…ん〜〜……朋、今何時?」


「…んっとね、9時40分。」



もうすぐ10時か…朋が起こしにくるワケだ…少し寝過ぎたか…。





「…陽、朝御飯は?」


「…ん〜…今朝はあんまりお腹減ってないかな…」


「…それじゃあパンかコーンフレークにする?」


「…じゃあコーンフレークで。」


「…わかった♪……んっ…と……いこ陽。」



先にベッドから降りると、にこやかに笑って右手を差し出す朋。


それを見た俺は素早くベッドから降りて、差し出されてる右手に左手を重ね、恋人繋ぎにすると仲良く1階へと下りていく。








〜千堂邸・リビング〜





朝食を食べ終え、朋が淹れてくれたアイスティーを飲みながらソファーに朋と並んで座ってテレビを観ていた。



……なんか割りと平然と座っちゃってるけど、ちょっと前までなら考えられない状況だよな……

チラッと左隣に座る朋に視線を向ける。


ぅわぁ〜…可愛いなぁ〜…横顔もすっげぇ綺麗だ〜…マジでこんな可愛い娘が俺の彼女…なんだよなぁ…

夢じゃないのかと疑いそうになってしまう……





「………ん?…なぁに陽?……なにか顔についてる?」


「…え!?あ、いや…えっと…」



ジ〜ッと横顔に見とれていたら、朋が視線に気づいてしまった。


ぬぅ…まずい、どーしよ?朋の顔に見とれてました〜なんて言えるワケないから、なんとか誤魔化そう!うん、誤魔化そう!






「…え、えっと……朋って可愛いなぁ〜って……見とれて…あれ?」



「…ふえ!?……え、えっとぉ……あ、あの……はうぅ……」



俺の言葉を聞いた朋は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

あれ?誤魔化すつもりが本音が出てしまった。






………ポフッ!




「………!」



「…もぉ…嬉しいけど……恥ずかしいょぉ…もぉもぉ…」



俯いたまま俺の左腕に体重を預けるように、身体を寄せる朋。

そして照れ隠しに頭をグリグリと擦り付けてきた。

こーゆー仕草もめっちゃ可愛い〜…って言ったらまた照れてしまうから止めておこう


あ、てゅーか……今、言うチャンスじゃん。

朋への提案があった事を思い出し、軽く咳払いして………





「……コホン。…と、朋。……え、え〜っと…ですね……あ、明日とかって……何か予定は……あったりしますかね…?」


ひどく丁寧とゆーか……緊張のせいか、変な喋りになってるよーな…?




「…え?……予定?…んっと……特に無いかなぁ………どーして?」


押し付けていた頭を離して考えような素振りをした後に、俺の方を見ながら首を傾げる朋。


よし。朋の予定は空いている…夏休みは長いけど、早い方が良いからな…こーゆー事は……





「…んんっ!……あ、明日…さ…デ、デデ、デート………しない?」



「……え……デー……ト?」



気恥ずかしさから隣の朋を見れず、正面にあるテレビを見ながら告げた言葉は恋人達の定番行事、デート。

付き合いだしてからまだデートすらしてなかったからな…

早く朋とデートをしたかったのだ。


返答が無いので横目でチラリと朋の顔を見てみると…

その表情は最初キョトンとしていたが、徐々に笑顔に変わっていって…





「…デ、デート!…い、行く!行きたい!……わぁ〜…陽とデート…えへへ…嬉しい!」



朋は瞳を潤わせ可愛い笑顔で両足をバタバタさせると、俺の首筋に両腕を回して抱き着いてきた。





「…おぉっと……えっと…じゃあ明日どこに行くかさ…2人で考えよう?」



「…うん♪」


元気な返事をしながら、またソファーに座り直す朋。

……別に抱き着いたままでも良かったけど。






「…ん〜…どこがいいかなぁ〜…え〜っと……」



ソファーに座り直した朋が足をパタパタさせながら、どこか楽しそうに考えている。


疎遠になる前は子供だったから2人だけで、出掛けたことは無い。

仲直りしてから2人で出掛けたことはあったが食材の買い出しとか位で色気のあるものでは無かった。


つまり明確にデートというのはこれが初めてになる。





「…デートの定番の1つは……映画とか?」


俺が最初に頭に浮かんだのは映画だった。

ドラマや漫画等のデートシーンで多いのも映画だしな。





「……映画かぁ〜……陽、今ってどんな映画がやってるのかな?」



「…あ、そういえば、この前チラシ貰ってきたんだった……えっと……これだ。」



テスト休みに皆で駅前近くにある、映画館の側を通った時に上映リストの載ったチラシを貰っておいたのだ。





「…えっと……『ゾンビの夜』『エイリアンウォーズ』『死霊の屋敷2』『喰人学園』…………な、夏だからかなぁ〜……ホ、ホラーが多いね……」



「…………………………却下」



「………そ、そだね」



チラリと朋を見ると表情は笑っていたが、真っ青な顔で微かに震えていた。

なんでコメディとか恋愛物が1つもやってないんだ!?






「…あ、そうだ。私、買いたい物があるんだけど…」



「…買いたい物?……あ、じゃあ明日はショッピングにしよっか?……お昼も食べれる所がいいから………LEON(レオン)は?」



LEONとは駅前付近にある巨大ショッピングモール。

多種多様のお店があり、1階部分には飲食店もあってデートにはちょうどいい場所だ。




「…うん!そうしよう♪……えへへ〜…陽とショッピングデート…くふふ♪」



デート場所も決まり、朋がウキウキした様子で身体を揺らしている。

……まぁ俺も朋との初デートとなり浮かれたい気分だけどね。





「…何時頃に行こっか?……確かAM10時にオープンだから、それ位に……」



「……あ!……あの〜…陽、1つ提案ってゆーか……その…お願いが……あるんだけど……」



「……ん?お願い?……なに?」



何故か頬を赤くしてモジモジしながら上目遣いで見てくる朋。

……その仕草が可愛い過ぎてキュン死にしそうだ……





「……あ、あのね……私、してみたいことが……あって……」



「……してみたいこと?」



朋のしてみたいこと、と言うのは……まさに恋人っぽいことだった……。







第14話終

LEONってなにがモチーフか、すぐにわかりますねwww

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