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第13話〜新しい関係〜

告白直後の話

ヒロの策略もあって、ようやく朋に本当の気持ちを打ち明け、俺と朋は恋人関係になれた……





告白が終わってから此所が学校とゆーのを思い出し、慌てて帰り支度をした俺達は現在、下駄箱にて靴を履き替え中。




「……んしょっ…と……お待たせ陽。」



「………と、朋…んっ……」



「………あっ」



靴を履き終え俺の側に来た朋に、ゆっくり左手を差し出す。

……今までは帰り道で手を繋ぐ場合、学校が見える範囲内では繋ぐ事は無かったが……


晴れて恋人関係になったワケだし…もう何も隠す必要は無い。





「……えへへ…」



……ギュッ…



朋は嬉しそうに笑いながら、差し出された俺の左手に右手を重ね、優しく握ってきた。

…俺も優しく朋の手を握り……





「………じゃ、じゃあ行こっか……朋。」



「……うん♪」



2人で手を繋ぎながら校舎を出て、歩き出す。

まだ部活等でちらほら残っていた生徒達が俺達の方へと視線を送ってきているのに気づいた。


こ、これは若干照れるが……朋への告白の抑止力にはなるかな……







そのまま2人で校門付近まで歩いて来ると……




「……あ、朋ちゃん。千堂くん。……今、帰り?」



「……え?あ、莉っちゃん。……部活終わったの?」



俺達とは別方向から小嶋さんが歩いて来て、そのすぐ隣には男子生徒が……

2人の手も俺達と同じように繋がれていた。

ただし握り方が俺達とは若干違い、指と指の間に相手の指を差し込む、いわゆる恋人繋ぎだった。





「…あ、2人に紹介するね。……わたしの彼氏でぇ、3年生のまー君……じゃなくて上野雅人うえのまさひと君です♪」



「…はじめまして3年の上野雅人です。……り、莉子ちゃんの…か、彼氏です…」



「……あ、千堂陽斗っす。」



「…百瀬朋花です……莉っちゃんとはクラスメイトです。」



小嶋さんの彼氏って初めて会ったけど、この人って確か……





「…あの〜上野先輩って…晃太先輩と……」



「…あ、イッチーの事、知ってるんだ?……うん。クラスメイト……この学校では数少ない、男の友人。」



やっぱりそうだった……ふぅ〜むぅ…奇妙な繋がりがあるな…


俺と晃太先輩は親同士が仕事仲間の縁があって顔見知り。


その晃太先輩の友人が上野先輩で、その彼女が小嶋さん。


その小嶋さんと友達なのが朋で、朋の彼氏が俺か…

なんか面白いなぁ……






「…あ、朋ちゃん……………ふぅ〜〜ん……ほぉ〜……なるほどぉ〜」



「……な、なぁに、莉っちゃん……」



小嶋さんが手を繋いでいる俺達をニヤニヤしながらジロジロ見ている。

何かを感ずいたのだろう。




「…ほら莉子ちゃん、邪魔しちゃダメだよ?……行こ。……それじゃあお2人さん、さようなら。」



「…はぁ〜い。……じゃあね2人共。…バイバ〜イ……」



「…あ、ばいばい……」


「…さよならっす…」



上野先輩に促され小嶋さんは素直に従い、2人は俺達とは反対方向の道を仲良く手を繋いだまま歩いていってしまった。



俺と朋はそんな2人の繋がった手に視線を送っていた。


そうか……恋人繋ぎ……あーゆー繋ぎ方があったんだよなぁ…

不意に左隣にいる朋を見ようと、顔を向けると……

朋もほぼ同時に俺の方に顔を向けてきて、目が合った。




「「…………」」



目を合わせたまま視線を下げていき、繋がれている2人の手を見ると……

さっきの小嶋さん達と違い、俺達は普通に手を繋いでいるだけ…


朋もそれを気にしていたみたいで、俺達は同時に手を離して、指と指を差し込む恋人繋ぎに繋ぎ直す……。




「……な、なんか…これ……いいね、朋……」



「……うん……えへへ♪」



恋人繋ぎ……なんか深く手を繋げて…凄く良い!

本当に朋と恋人になれたってゆー実感も湧いてくるし。

そして恋人繋ぎをしたまま帰路を歩き出した。







朋の歩く速度に合わせて、ゆっくりと手を離さないように歩いていく……

今まで何度も手を繋いで歩いたが、こんなにも朋が深く近く感じれたのは初めてだった。


手を繋いでいるだけなのに、体温も…鼓動も…気持ちまで…伝わってくるみたいだった。


関係が変わった事で、こうも朋が身近に感じるようになるなんて……







「…ねえ、陽。」



「……ん?あ、何?」



ボ〜ッと幸せを実感していたら、ふいに隣の朋から声を掛けられた。





「……そろそろ期末テストだよね?」



「…え?…あ、うん。…そうだね」



来週から期末テストで、それが終わればテスト休みを挟んで夏休みだ。

まさか高校最初の夏休みが朋と仲直りどころか、恋人になって迎えるなんて……

あー待ち遠しいなぁ〜〜♪





「…陽はテスト大丈夫?…赤点とか……」



「……んー…そうだね…中間の時は結構できてたから…あ、でも英語が若干不安かな…」



「…んー…そっかぁ…私は数学が少し不安…」



我が聖晴夢学園は、進学校ではないが中間テストの時や期末テストにも、学年全体の順位発表をする事になってる。

部活動にそこまで力を入れてる生徒が少ないから勉強で競争心を煽ってるのかな…?


…んで中間テストの時、俺は学年152人中31位で確か朋は27位だった。

2人共、半分よりも上にいってるし、ちゃんと勉強すれば問題はないだろうな…





「…それでね……今日から一緒にテスト勉強したいなぁ〜って。」



「…あ、いいね。……朋、英語教えて。」



「…うん♪…陽は数学教えてね?」



「…うん!もちろん。」



あ〜…中学の時にはできなかった朋と一緒にテスト勉強だぁ〜

…大変な事でも朋と一緒なら苦もなくやれそうだな…。





「…じゃあまずはこのまま駅前のスーパーに行って、今日の晩御飯の材料買いに行こう♪」



「…あ、そうだね。……朋は今日、何が食べたい?」



「…うぅ〜んとぉ〜…何が良いかなぁ〜…」



…あの雨の日のお泊まり以降、お互いに両親不在なので、朋はウチに来て晩御飯はずっと一緒に作って食べている。

昨日、一昨日に至っては学校が休みだったから3食一緒だった。


ちなみに夜はちゃんと家に帰って、自宅で寝ている朋。

本人は帰りたくなさそうにしているが、付き合ってもないのに理由もなく泊まるのはマズいと思って帰していたけど……


でも俺達今日から付き合いだしたんだよね……

今日、朋にお泊まりしたいとか言われたら…断わる自信無いな……






「…あ、私、生姜焼きが食べたいなぁ……陽が作ったの、すっごく美味しいかったからまた食べたかったの。」



「…ん。分かった。…じゃあ豚肉と生姜と……」



「…お味噌汁は大根が良いなぁ〜」



「…大根ね。…大根は昨日買ったのがまだ半分残ってたから……」



まるで新婚さんのような会話をしながら、2人手を深く繋ぎ歩いていく……

……幾度となく手を繋いで歩いた道を、初めて恋人になって歩いている…。


関係が変わったからって、急に何かが劇的に変わるワケではないが…

彼女から俺へと向けられ聴こえてくる嬉しそうな…楽しそうな声は、昨日よりもどこか弾んで聴こえるような気がする。

そして昨日までとは違う手の繋ぎ方。


少しずつ…一歩ずつでもいいから…朋と…俺達らしい恋人関係を築いていけたら…

そんな事を思いながら…夕焼けに染まる道を歩いていった……………






第13話終

リメイクして自分の小説のキャラ出しましたwww

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